表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
始まりは魔法科高校から  作者: 眼鏡 純
2章:KING OF MAGIC
13/71

13話 能力解放

こんにちは!作者です!

KOM編も後半に突入しました!今回はシャインが覚醒した力明らかになります!



──それでは皆様に、少しでもワクワクできる時間を。

 「あれはまさか…『能力解放(アビリティリリース)』!?」

観客席にいるサナが反応する。

「ア、アビ…?なに?」

エアルがサナの発した言葉の意味が分からず首を傾げる。

能力解放(アビリティリリース)。魔法を使用する際、人間は反動や魔力の枯渇を恐れて無意識に力をセーブしているの。でもあの姿はそのセーブをなくなり、魔法の力を最大限まで解放した究極の状態よ。」

「やっば。てか、あんな簡単になっていい状態なの?」

エアルが更に問う。

「そう易々となれるなら、あの力を使いたくて人生を捧げる馬鹿なんてこの世に現れないわよ。」

「マジか。シャインってもしかして…マジで天才?」

「あの力を使えた時点で、戦闘に関しては天才級と認めるしかないわね。」

サナとエアルは改めてシャインの戦闘能力に感心するのであった。




 「すげぇ、何だこの魔力…」

体の底から無限に感じるほど湧き上がる魔力に、シャイン自身も少し驚いている。

「は、はははは!まさか能力解放(アビリティリリース)の力を覚醒させた奴と戦えるとは!こんな嬉しいことはない!」

ルイスの中の戦闘魂が更に燃え上がり、氷の狼の鎧を再度装着して戦闘態勢となった。

「ルイス先輩、悪いがちょっと加減の仕方が分からねぇから、死なないようにしてくれよ。」

鋭くなった金色の瞳で睨むシャインが風砕牙を構えた。

「心配するな!お前に勝てばいいだけの話だ!」

ルイスが攻撃に転じようと足に力を込める。そしていざ動き出そうとした時には、既に目の前からシャインの姿がなかった。

(なっ…!?どこに…!?)

ルイスはすぐにシャインを探す。その瞬間、背後に気配を感じた。

「[閃ノ風(せんのかぜ)]。」

ルイスが振り向いた瞬間、光の速さで風が吹き、右肩から左脇腹にかけて斬られた。斬られた傷口から氷の鎧全体にヒビが入り、無惨にも砕けた。ルイスはその場で両膝をつくと、そのまま力なく地面にうつ伏せに倒れた。

「き、決まったぁぁぁぁぁぁ!!!1位トーナメント第一回戦勝者は…!シャイン・エメラルド選手ーーー!!!」

司会者が勝敗を宣言すると、観客席から歓声が上がる。数秒後、シャインの髪と瞳が元の色に戻ると同時に、その場に倒れてしまった。

「シャイン!?」

レビィが観客席から駆け寄ろうとするのをヒューズが止めた。

「大丈夫です。恐らく急な魔力上昇に体が付いてこれなかったのでしょう。医療班が既に動いていますので、向かうのであれば医務室が良いと思いますよ。」

レビィはヒューズの提案にすぐ乗ると、医務室に走っていった。

「やれやれ、ナイトの存在が生まれてから、レビィのシャインへの執着心が強まったような気がしますね。」

ヒューズがレビィのシャインに対する想いに少し疑問を抱くのであった。




 「ん……」

ベッドで寝ていたシャインが目を覚ますと、最初に目が合ったのは銀色の瞳の少女だった。

「あっ!シャーン!良かったぁ〜!」

銀色の瞳の少女が涙ぐみながらシャインに抱き付く。

「どうなったんだ、俺?」

シャインが銀色の瞳の少女─トワイラ・ターコイズに尋ねる。

「そんなのどうでもいいよ〜!シャンが無事で良かったぁ〜!」

トワイラは抱き付いたまま胸あたりに頬擦りする。

(会話になってねぇな…)

シャインが心の中で呆れていると、

「サナ曰く、シャインは試合中に能力解放(アビリティリリース)という力を発動して、その反動で気を失ったのよ。」

シャインを挟んでトワイラの反対側で椅子に座るレビィが、シャインの経緯を話す。

「そうだったのか。」

シャインが自分の身に起きたことを理解する。

「さっきお医者さんが言っていたけど、気を失った原因は急激な魔力枯渇らしいから、魔力が回復したらちゃんと動けるようになるみたい。」

「そうか。」

シャインが上半身を起きようとすると、抱き付いていたトワイラがシャインを再度仰向けに押し倒し、ビシッとレビィを指差した。

「ちょっと!さっきから当然のように会話してるけど、あなた誰!?」

「えっ…!?えっと…レビィ・サファイアよ。1位トーナメントが始まる前に一度会っているはずだけど。」

「………あ〜あの時に周りにいたお友達の中にいたわね。──いや!だからと言って私とシャンの2人っきりの空間に割り込んで良い理由にはならないわ!」

「いや…私の方が先に居て、後からトワイラさんが入ってきたのよ…。まぁ眼中になかったみたいだけど。」

「──!?だ、だとしても!そこは空気を読んで退室しなさいよ!」

「何でそんな気遣いしなきゃならないのよ。それに私だってシャインが心配だったし。」

「なら心配ご無用。ほら、こうしてシャンは目覚めたわ。さっ、お帰りはあちらよ。」

レビィに病室から出るように促すトワイラに対し、レビィは少しムッとなる。

「どうして私は心配しちゃダメなの!私はシャインの夜叉!主を心配するのは当然よ!」

「夜叉?主?」

トワイラがレビィの反論の意味が分からずに戸惑っていると、ようやくシャインが上半身を起こした。

「レビィの魔法は夜叉魔法と言ってな、本来の力を発揮するには(あるじ)という存在が必要らしいんだ。で、その主が俺ってこと。」

シャインが説明をすると、トワイラが驚愕な顔をする。

「は…はぁぁぁぁぁぁ!?なにそれ!?何でそんな事になってんの!?」

「……その場の空気、だな。」

「そんなので納得出来るかー!私という幼馴染を差し置いてなに従者作ってんのよー!」

トワイラが怒りのままにシャインにヘッドロックをかけ、レビィはトワイラを必死に離そうとする。



 カオス化している病室内を、廊下から少しだけ扉を開けて覗き見するのはエアルとスノウであった。

「おや、お二人とも入らないのですか?」

覗き込む2人に対し、サナと共に合流したヒューズが尋ねる。するとスノウとエアルが同時に人差し指を口元にあて、シーッというポーズをする。

「何か起きてるの?」

サナが尋ねると、スノウとエアルが口を揃えて答えた。

「「修羅場。」」



  スノウとエアルに修羅場認定された病室では、トワイラがようやく落ち着きを取り戻していた。

「じゃあなに、本当にその夜叉と主?の関係以外はないのね?」

トワイラが2人からの聴いた説明をまとめる。

「だからずっとそう言ってるじゃない…。」

レビィが呆れた目でトワイラを見詰める。

「ん〜…分かった。でも!だからと言ってシャンは貴女だけのシャンじゃないからね!」

(自分は独り占めしようとしていたくせに…。なんて言ったらまた面倒になるから止めておこう。)

レビィは心の中で呟いた後、分かったとだけ応えた。

「分かったのなら良し!──じゃあまた会いに来るからね、シャン♪」

トワイラは満面の笑みでシャインに手を振ってから病室を後にした。トワイラが出て行った後、入れ違いでスノウ達4人が入ってきた。

「修羅場、終わった?」

エアルが訊く。

「修羅場ってなんだよ」

シャインがツッコミをいれる。

「その調子だと体も魔力ももう大丈夫みたいですね。」

ヒューズがシャインの体調を気遣う。

「ああ。お陰様でな。」

シャインが肩を回して動けるアピールをする。

「シャイン、何で能力解放(アビリティリリース)の力は覚醒したかって分かる?」

サナが尋ねる。

「さぁな。あの時はただ氷の中から逃げる事で必死だったからな。」

シャインが答える。

「となると、火事場の馬鹿力みたいのが作用したのかしら?それとも思いが一点の事に集中したから?それとも………」

サナが完全に分析状態となってしまう。

「お〜いサナ〜。戻ってお〜いで。」

エアルがサナの顔の前でパンと手を叩く。するとサナがハッと我に返る。

「とにかく、私も知識はあるけど実物を見るのは初めてだから、具体的な警告は言えないけど、あまり乱用する力じゃないってことは言っておくわ。」

「乱用もなにも、もう一度なる方法が分からねぇから心配すんな。」

シャインはベッドから下りて背伸びをする。

「もう行くの?」

レビィが訊く。

「ああ。どうせダクネスの試合は終わってるんだろ?」

「ああ。1位トーナメント史上最速記録を叩き出してな。」

スノウが答える。

「あの野郎…俺の予選リーグの記録をかすめやがって。」

シャインは舌打ちをした後、近くの壁に立て掛けている風砕牙を手に取って腰に携える。

「勝算はあるのですか?」

病室を出ようとするシャインにヒューズが問う。

「勝算があろうがなかろうが、あいつには勝たなきゃなんねぇんだ。」

シャインは瞳に覚悟を宿すと、病室を出てコロシアムのフィールドへ向かった。





 「大変お待たせ致しました!これより!今年のKING(キング) OF(オブ) MAGIC(マジック)1位トーナメント決勝戦を行います!」

司会者が高らかに告げると、観客席が今大会最大の盛り上がりを見せる。

「この決勝戦の舞台まで上り詰めた高校は!去年と同じく龍空高校と虎神高校!加えて代表選手はなんと!両者とも一年で且つ絶滅魔法の使い手!もう盛り上がる要素がてんこ盛りだーーー!」

司会者が紹介しながら会場を煽ると、観客席はどんどん盛り上がる。

「それでは入場してもらいましょう!まずは虎神高校代表!ダクネス・アルシオン選手ーーー!!」

司会者の言葉を合図に、ダクネスはフィールドに入場し、中央へと歩いていく。

「そしてもう1人!龍空高校代表!シャイン・エメラルド選手ーーー!!」

ダクネスの反対側から、シャインが同じように入場して中央へと歩いていく。

そして2人は、フィールドの中央で向かい合った。

「決着をつけようシャイン。殺す気でこいよ。」

「ああ。本気でやろうじゃねぇか、ダクネス。」

睨み合うシャインとダクネス。

「それでは…決勝戦!レディィィ〜〜〜……ファイトォォォォォ!!!!」

司会者が試合開始のゴングを鳴らした。

本日はお読み下さって本当にありがとうございます!

少しでも先が気になった方、面白かった方はブックマーク、☆の評価などをお願いします!


やはりシャインの力、スーパーサ○ヤ人ですよね。そうです、その通りです。正にスーパーサ○ヤ人です。

パクリではございません。あくまで参考でありモデルであるだけですので悪しからず。こういう強化要素ってバトルものには必要不可欠ですからねぇ〜。


さてさて!次回は遂にシャイン対ダクネスの戦いが始まります!お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ