10話 予選リーグ
こんにちは!作者です!祝10話でございます!もしもここまで読んで下さっている方がおられましたら、本当にありがとうございます!これからも少しでもワクワクできる時間をご提供していきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします!
さて、本日は前話から始まったKOM編の予選でございます!
──皆様に、少しでもワクワクできる時間を。
「さて、無事に代表選手が揃いましたので、これよりリーグ戦のブロック分けを開始します。」
司会者の合図と共に、東京ドームなどに付いているような巨大モニターに、AからDに分けられた総当たり戦の対戦表が映し出された。同時に、12本設置された打ち上げ花火の筒と、それを発射する為のスイッチが用意された。
「それでは今から入場して来た順にこちらに用意したスイッチを押してもらいます!すると接続されている1つの打ち上げ花火が上がり、空にAからDの文字が浮かび上がります!それでは早速、火兎高校からお願いします!」
司会者に促され、火兎高校の代表選手がスイッチを選んで押した。すると1つの筒から花火が打ち上げられ、空にBの文字が打ち上がった。
「……無駄に壮大で派手な抽選だな。」
シャインは空を見上げながら苦笑いをするのであった。
司会者の進行によって、滞りなく抽選は進み、残りはシャインとダクネスだけとなった。
「では最後に残ったお二人には、同時に打ち上げてもらいましょう!」
司会者がシャインに二択のスイッチを選ぶように促す。シャインはすぐにスイッチを選んで押す準備をすると、残ったスイッチの方にダクネスが手を置いた。
「それでは同時に〜〜…どうぞ!」
司会者の合図で、2人はスイッチを押した。結果、シャインはAブロック、ダクネスはDブロックとなった。
「代表選手の皆さんありがとうございました!最終的にブロック分けはこうなりました!」
Aブロック
・龍空高校
・牛島高校
・天鼠高校
Bブロック
・蛇帝高校
・火兎高校
・猿山高校
Cブロック
・羊雲高校
・馬原高校
・犬白高校
Dブロック
・鳥崎高校
・猪里高校
・虎神高校
「この分けられた3校で総当たりをして頂き、1位通過の選手は1位トーナメント、2位は2位トーナメント、3位は3位トーナメントへと出場してもらいます。2位トーナメントと3位トーナメントは別の施設で行い、1位トーナメントはこのマジックコロシアムで行うこととなっておりますので、ご了承よろしくお願いします。──では、予選リーグは隣接された四つの施設でそれぞれ行いますので、こちらの誘導に従い、速やかな移動をお願いします。」
司会者が告げると、運営スタッフが観客や選手達の誘導を開始した。
「おいシャイン。」
ダクネスが移動する前にシャインを呼び止める。
「当然、1位トーナメントに来るよな?」
「さぁな。他の先輩方が強かったら分からねぇぞ。」
シャインが応えると、ダクネスは高らかに笑う。
「クハハハハ!お前、あんな雑魚どもに負ける気なのか?」
ダクネスはわざと他の代表選手に聞こえるようにして煽る。
「おい、先輩方を挑発するなら俺を巻き込むな。勝手に1人でヘイト稼いでいろよ。」
「挑発?クハハ!こんな奴等挑発する価値もねぇ。それともなんだ?お前はこんな奴等に敗北する予定でもあるのか?」
ダクネスが全方位を煽る。
「アホか。負ける気なんて毛頭ねぇよ。当然、お前にもな。」
シャインもナチュラルに他の選手達を煽るような返答をする。
「クハハハ!そうこなくては面白くない!お前を潰せることを楽しみにしているぞ!」
ダクネスが笑いながらその場から立ち去る。シャインはダクネスの背中を睨み付けるのであった。
観客席からシャインとダクネスを眺めるとある少女がいた。
「名前を聞いてまさかと思ったけど、ガチで本物じゃん…!どうしよ…!ドキドキが止まんない…!」
ポニーテールに結った水色の髪に銀色の瞳をもった少女が表情はときめいていた。
「ちょっと何やってんの〜?置いてくよ〜」
友達に呼ばれ、ハッと我に返ったポニーテールの少女は、急いで友達の元に駆け寄った。
(話しかけるタイミングがあったら絶対行こう!)
ポニーテールの少女は心の中で意気込むのであった。
予選リーグが行われる施設は、マジックコロシアムを中心に四方に建設されており、外見は東京ドームのようなドーム状になっている。
A会場と呼ばれる会場には、龍空高校、牛島高校、天鼠高校の関係者達が集まり盛り上がりを見せている。
「お待たせしました!これよりAリーグの初戦を開始致します!」
A会場のアフロヘアーの司会者がマイクを持って開始を宣言すると、大歓声が上がる。
「第一回戦のカードは!龍空高校代表シャイン・エメラルドvs牛島高校代表シストナル・イザウ!それでは両選手入場ー!」
司会者の進行に合わせ、シャインとおかっぱ金髪のナルシスト男、シストナルが入場した。
「今更反省しても遅いからね、君みたいな生意気なガキにはたっぷりとお灸をそえてあげるよ。」
ファサッと髪を靡かせながら、シストナルがシャインを睨み付ける。
「ガキって、たかが2年先に生まれただけだろ。まぁお前が俺に唯一マウントをとれるのが年齢くらいだから、今のうちにほざいとけ。」
全く動じないどころか煽りまくるシャインに対し、シストナルはまんまと乗せれ顔を真っ赤にして怒る。
「さてさて!既に言葉での戦いが始まっていますが、ここでルール説明です!ルールは簡単!時間無制限の一本勝負!相手を倒した方が勝者です!──それでは第一回戦…!レディ〜〜…ファイトォォォ!」
司会者と高らかな宣言とゴングの音で、シャインとシストナルの試合が開始された。
「一瞬で決めてやる![ショックハート]!」
シストナルはレイピアを抜刀すると同時に雷を纏わせ、シャインの心臓目掛けて突き攻撃を放った。シャインは鞘から少しだけ刃を抜いて防いだ。
「な…!?」
まさか防がれるとは思わなかったシストナルは、咄嗟にバックステップを踏んで距離を空けた。
「は、はははは!流石は一年で代表選手に選ばれるだけはあるね!だったらこれならどうかな![サンダーダンス]!」
シストナルが魔法を唱えると、レイピアの先端から雷が発生し、踊るようなに動きながらシャインに迫ってきた。
「[守護風陣]。」
シャインは素早く抜刀すると、刃先を地面に刺した。すると刃先を中心に魔法陣が展開され、風の柱が発生し、シストナルの雷を防いだ。
「悪いがもう終わりにさせてもらう。レビィ達にあいつの力を見えておきたいからな。」
シャインは魔法陣を解除すると同時に、風砕牙に輝く風を纏わせて構える。
「[龍翔閃風牙]!」
シャインが風砕牙を振るった瞬間、輝く風の龍がシストナルに向けて放たれた。
「そんな…この僕が…!」
シストナルは逃げることも防ぐことも間に合わず、輝く龍の一撃をまともに喰らった。そしてその場に倒れ、戦意喪失となった。
「き、決まったーーー!!勝者!シャイン・エメラルド選手ー!なんとたった一撃で三年連続出場のシストナル選手を倒しましたー!!これが絶滅魔法の力なのかー!?」
司会者が勝敗を告げると、シャインの勝利を喜ぶ歓声が上がった。シャインはフィールド裏に戻るのではなく、客席にいるレビィ達5人の元までヒラリと跳んで合流する。
「ど、どうしたのシャイン?」
レビィが尋ねる。
「行くぞ。」
「行くって、どこに?」
「お前らにダクネスの魔法を見せておく。」
シャインに言われるがまま、シャイン達6人はダクネスが戦うD会場に向かった。
D会場に到着したシャイン達6人は、観客席の立見席からフィールドを見ると、ダクネスが猪里高校の代表選手を追い詰めていた。
「ねぇ、ダクネスの魔法って何なの?」
エアルがシャインに尋ねる。
「火属性魔法さ。見た目はな。」
「見た目は…?」
「まぁ見ていたら分かる。あいつの性格上、派手に披露するだろう。」
シャイン達は行く末を見守ることにした。
フィールドで戦闘中のダクネスは、観客席にシャインがいることを発見すると、ニヤッと口角を上げた。
「はぁ…はぁ…何故だ!何故お前の火は消せない!」
ボロボロの猪里高校の代表選手が叫ぶ。
「当たり前だ。貴様の水程度で消せるわけがねぇだろ。」
ダクネスが嘲笑する。
「火属性と水属性だったら水属性が有利なのは自然の摂理だろ!」
「クハハハ!だったら種明かしをしてやろう!役者も揃ったしな!」
ダクネスが視線を一瞬シャインに向けた。
(あいつ…俺が来るのを予測して待ってやがったのか。)
ダクネスが自分に気付いていることを察するシャインが心の中で呟く。
「さぁ見ていろ!これが俺の真の力だ!」
次の瞬間、ダクネスの金色の短髪が真っ赤に染まり、足元に巨大な魔法陣が展開された。突然の出来事に会場中がざわめく。
「この魔力…まさかダクネスの魔法って…!」
サナが何かに気が付き、シャインを見る。
「流石サナだな。やっぱ気付くか。」
シャインがサナの知識量に感心する。
「おい、2人だけで話を進めるな。俺らにも教えろ。」
スノウが早く教えるように催促する。シャインは一拍置いてから、ダクネスの魔法の名前を告げた。
「ダクネスの魔法は絶滅魔法の中でも最強クラスに君臨する種類、『神力種』の1つ…『火神』魔法だ。」
本日はお読み下さって本当にありがとうございます!
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まさかの予選が一瞬で決着しました。流石はシャイン。お強いです。
さてさて、次回はシャインとダクネスはどのような関係か判明しますので、次回もお楽しみに!