表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
インテグレイション オブ ワールド  作者: アサム
第四章 出会
83/187

83、青鰐③

僕たちはここで勝負に出る事にした。

「俺はこれから力を溜める。その間、動けないことはないが、その分力が溜まるのが遅れてしまう。だから、リムにその間の護衛を頼めるか?」

とリクが言うと、


「仕方がないのよ。助けてやるのよ」

とリムは答えた。


「それから鰐どもを一ヶ所に集めて欲しい。やり方はマキに任せる。勇と姫乃はその手伝いをしてくれ」

とリクは次々に指示をだす。


「わかったわ。任せて」

とマキは答えて、僕たちは頷いた。


「そのあとは俺に任せてくれ」

とリクは言った。


「「「わかった」」」

一同は頷く。


すぐにリクはスキル発動のために、力を溜め始めた。

「月魔法インビシブル」

リムはリクを魔法で透明化させる。

この魔法は自分以外にも付与できるようだ。


「月魔法ライトニング」

ドッゴーーーーン

リクの近くにはリムがついて、迫ってくる鰐を払いのける。


「私たちも行くわよ」

とマキは言って走り出す。

僕たちも後に続いた。


「アイアンウォール」

マキは鉄の壁を出す魔法を唱えた。

地面に鉄の壁が広がっていく。

鉄の絨毯のような状態だ。


「この上に鰐を誘導して!」

とマキが言った。

意図はわからなかったが、僕たちはマキの指示に従う。


マキは鉄の絨毯をかなりの大きさに広げている。

ざっとバスケットコート2つ分くらいだろうか。

僕はその中心に向かって走る。

鰐たちも僕を追いかけて鉄の壁の中心に集まってきた。

僕ができることは、自分を囮にして鰐を集めることだ。

即時に判断して、行動に移すことができた。

どんどん集まってくる鰐が攻撃を仕掛けてくるが、なんとかかわし続ける。


「マルチ!」

姫乃先輩は、リクたちの方に向かっている鰐を、糸で捉えて鉄の絨毯の方へ投げ飛ばしている。


ドン!

ドン!

ドン!


と次々に鰐が僕の近くに投げ飛ばされてくる。

投げ飛ばされた鰐は、そのまま僕に向かってくる。

基本的に近くにいる獲物に向かっていく習性があるようだ。


「あわわわわ」

どんどん増えていく鰐に僕も捌くのが厳しくなってきた。

そろそろ凌ぐのも限界かと思った時にマキが魔法を唱えた。

「アイアンウォール」


ドシン!

ドシン!

ドシン!

ドシン!


と鉄の絨毯を囲むように鉄の壁が立ち並んでいく。

マキは鉄の絨毯の周りに壁を作って、鰐を閉じ込めるつもりのようだ。

このままでは僕も閉じ込められる!と思ったが、マキは人1人が通れるスペースを開けてくれていた。


「勇くん!外に出て」

とマキから指示がきた。


「はい!」

と僕は返事をしたものの、この鰐に囲まれている状況から脱出するのは容易ではない。

それにせっかく中に集めた鰐が外に出てきてしまう可能性もある。

僕は考えた上で行動に出る。


「マキさん!3カウントで壁を閉じてください!」

と僕はマキに言った。


「えっ?でもそれじゃあ勇くんが逃げられないんじゃ、、、」

とマキが困惑する。


「大丈夫ですから!」

と僕は力強く言った。


「わっわかったわ。3カウントね。いくわよ」


「3」

僕は襲ってくる鰐を払いのける。


「2」

僕は出口の方向を向いて、目の前にいる鰐を斬った。


「1」

僕は足に力を入れて、


「飛神」

と発声と同時に足を蹴り出した。

僕は飛神を使い一瞬にして出口をでた、、、

でた、、、つもりが進行方向に鰐が入ってきてつまづいた。


「うわぁぁぁぁ」

僕は飛神の勢いでゴロゴロと転がり、そのまま出口をでる。


「アイアンウォール」

とマキは魔法を唱えて、完全に鉄の壁で囲んだ。

鉄の箱の完成だ。


「うわぁぁぁぁ」

僕は出口を出てからも転がる勢いは止まらずにゴロゴロと転がり、


ドンッ


やがて木にぶつかって止まった。


「大丈夫!?」

とマキは心配して声をかけてくる。

僕は目を回しながら、マキに向かって親指を立てた。


「ぷっ。大丈夫そうね」

とマキは吹き出しながら言った。


その間にも姫乃先輩は鉄の箱に入っていない鰐を糸で捕まえて、鉄の箱の中に放り投げていた。


ポイッ

あと3体


ポイッ

あと2体


ポイッ

あと1体


「リク!あと1体で準備完了よ!」

とマキは言った?


「おう!こっちも準備OKだ!」

とリクは返事をした。

リクを見ると、既に透明化は解いていた。

もう襲ってくる鰐はいないので、リムはお座りを決め込んでいる。


ポイッ

見える鰐は全て鉄の箱に入れる事ができた。


「念の為に隠れている鰐がいないか確認して!」

とマキからの指示が飛ぶ。

姫乃先輩とリムと僕の3人は草の中や木の陰などに隠れている鰐がいないか確認する。


「いないです!」

くまなく探すが、隠れている鰐はいなそうだ。


「わかったわ!リクいいわよ」

とマキは言った。


「よっしゃやってやるか!!」

と気合を入れると、


「ハッ!」

と言って溜めていた力を開放する。

開放されたエネルギーは目に見えるほどに濃密なエネルギーで、膨大なエネルギーがリクから発せられているのがわかった。

そのエネルギーをリクは両手に集める。


「いくぜっ!」

とリクは言うと、走り出して鉄の箱の近くまで行き高くジャンプした。

リクは空中で両手を頭上で合わせる。

すると溜めていたエネルギーが大玉くらいの大きさに膨れ上がった。


「この後ろに隠れて」

とマキは言って新たに鉄の壁を出した。

僕たちは慌てて鉄の壁の後ろに隠れる。


リクは、


「ビッグヴァァァァン」


という発声と共に巨大なエネルギーを鉄の箱の中央目掛けて放った。


ドッゴーーーーン


巨大なエネルギーは鉄の箱の中央で大爆発を起こした。

空に向かって、炎の柱が立ち昇る。

爆風はこちらまでも届き、鉄の箱の壁の部分が吹っ飛ばされる。


想像以上の凄まじい威力だ。

あの爆発の中にいたら、一瞬で塵とかすだろう。

鰐たちもひとたまりも無いに違いない。


爆発が終わり、辺りに静けさが戻る。

ビッグヴァンの威力は、鉄の箱の中にいた鰐たちを殲滅するには充分すぎる威力だったと思う。

しかし、あの鰐は斬っても分裂してくる。

木っ端微塵に吹き飛んだ時にどうなるのか。そこがポイントだ。


タッ

と地面に着地したリクは、力を使い果たしたのか膝をついた。


僕たちはリクの元に駆け寄って行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ