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インテグレイション オブ ワールド  作者: アサム
三章 孤独な魔法使い
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48、ベルンの街

翌朝僕は無事にベルンの街にたどり着いた。

衛兵さんに話をして門を開けてもらう。

「おぉぉ」久しぶりにきた街の賑やかさに僕は歓声を上げた。

ベルンの街には数回来たことがある。いずれも指名の依頼を受けるためだ。

「さてと、冒険者ギルドに向かうかな」と言って歩き出した。


歩き出して30分後、、、

また道がわからなくなった。。。

何で僕はいつもこうなんだろう。。。少し泣きそうになった。


もう誰かに道を聞くしかない。

僕は道を聞くために辺りを見回した。

すると同年代くらいの優しそうな男女3人組が歩いていた。僕はこの人たちだと思い声をかけた。

「あのぉすみません」

と声をかけると3人組は止まって僕を見た。

「僕。冒険者ギルドに行かなくてはいけないのですが。この街は初めてで。道を教えていただけますか?」

本当は何度かこの街には来たことがあるのだが、僕は見栄をはって初めてという事にして聞いた。

3人組の男の人が丁寧に冒険者ギルドまでの道を教えてくれたので、

「ありがとうございます。助かりました」と僕はお礼を言った。

改めて3人を見ると、男の人にとても綺麗な女の人が2人だった。

僕は胸がドキドキした。村には同年代の子は全くいない。友達もいない。

「どういたしまして。困った時はお互い様ですから」と男の人は言ってくれた。

僕は急に緊張してしまい、そそくさと冒険者ギルドに向かって歩き出した。緊張から周りが見えておらず、途中で歩いている人にぶつかってしまった。


僕は冒険者ギルドに向かう途中ドキドキが止まらなかった。

こんな気持ちになったのは初めてだ。

「また会って今度はちゃんとお話ししたいな」

と僕はボソっと言った。


男の人に教えてもらったとおりに進み、僕は冒険者ギルドに到着することができた。

冒険者ギルドに着く頃には、一応ドキドキはおさまった。

僕は冒険者ギルドの扉を開き中に入って行く。

奥のカウンターまで行き、受付嬢に指名依頼で呼ばれてきた事を伝えた。

「ウィン様ですね。お待ちいたしておりました。奥でお待ちください」と受付嬢が言うと周りにいる冒険者がざわついた。

「ウィンってSランクのウィンか?」

「あんなガキがSランクのウィンだと?」

毎回来るたびにこの反応をされるので、僕はもう慣れっこだ。

周りのことは気にせずに僕は奥に入って行った。


奥の部屋で席についた僕。

相変わらずこの部屋は立派すぎて、田舎者の僕は落ち着かない。

でもいつもここで出してもらえる紅茶は大好きだった。

「うーん。いい香りー」と出してもらった紅茶にご満悦の僕。

しばらく待っていると部屋にギルド長が入ってきた。

「お久しぶりですねウィン様。何でもオウカワ村が魔獣に襲われたとか。そんな大変な時にお呼びだてして申し訳ございません」

「お久しぶりですハルマンギルド長。村も復興が進み落ち着いてきましたので大丈夫ですと僕は挨拶を返した後に

「早速ではごさいますが、依頼内容をお聞かせいただけますか?」

と依頼内容の確認に入った。

「そうですね。お若い方の時間を必要以上に奪うものではありませんね。ましてやSランクのお方の」とハルマンさんは言うと依頼内容を話し始めた。

「まずこの依頼は曖昧な部分も多いため、お断りいただいても構いません」

「依頼主は街外れの方の富豪のブルマン様です。ブルマン様は運輸業を営んでおり、自身の代でのし上がった富豪で黒い噂も絶えない方です」

「実は最近西の方の今は使われていない村に盗賊が住み着いたそうで、ブルマン様の輸送隊が何度か襲撃にあったとの事です。ブルマン様は私兵もお持ちなので私兵にて討伐を行ったものの、這々の体で逃げ帰ってきたとの事。私兵ではこれ以上対応が難しいという事で今回依頼を出されました」

「当ギルドでも調査を行いましたが、確かに西の村に何者かが住み着いている事は確かなようです。しかし、ブルマン様の輸送隊が襲われた痕跡や私兵団が返り討ちにあった痕跡は見つかっておりません」

「先ほども言いましたとおり、ブルマン様は黒い噂も多いお方です。何か裏がある可能性もあります。また、この依頼をウィン様に指名される理由も一応は相手が魔術師だからと言うことですが、本当のところは定かではありません」

「それに西の村に住み着いている者は黒の組織の関係者との噂もあります」とハルマンさんは続けて言った。

「報酬は?」と僕は聞いた。

「金貨100枚です。この手の依頼にしてはかなり高額なのも怪しい点です。いかがいたしますか?」とハルマンさんは答えた。


僕は少しだけ考えた。この依頼に裏があるかもしれない。。。


うん。わからないや。


裏があるかもしれないけれど、本当に困っているのかもしれない。困っている人を助ける。この事に間違いはないはず。

裏があったとしても、それを跳ね除ければいい。

「わかりました。この依頼お受けいたします」と僕は返事をした。


僕は今街をぶらぶらしている。

依頼を受けると回答をしたらハルマンさんはこう言った。

「ありがとうございます。では案内人を準備いたしますので明日の朝またギルドにお越しいただけますでしょうか。ただし案内人は村の近くまで案内をしたところで帰らせていただきます」

ということなので今日一日僕は自由だ。

「何しよっかなー」と言いながら街をぶらつく。

しばらく街をぶらついた後に僕は思いついた。

「そうだ。あそこに行こう」

以前にこの街に依頼を受けにきた時に、もう使われていない砦にいる魔獣討伐を受けたことがある。魔獣自体は大した事はなくすぐに片付いたのだが、その砦から見た景色がすっごく綺麗だったのだ。

どうせやる事もないのでもう一度あの景色を見に行こうと思った。

早速僕は砦の跡地の方角を街の人に聞いた。街の人たちはすぐに教えてくれた。何でも景色が綺麗なスポットとして、街では有名みたいだ。

僕は夕食はそこで食べようと思って、干し肉を買ってから砦に向かう事にした。

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