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インテグレイション オブ ワールド  作者: アサム
第二章 快男児
32/187

32、盗賊討伐

俺は四宮と横並びになり山賊どもを相手にしていた。

「ウィンド」

遠くの敵には四宮がウィンドやファイアボールを使用してダメージを与えている。


俺は近づいてきた敵を体術で気絶させる。

俺と四宮がコンビを組んで機能し始めてからは、俺たちが優位な戦局になっていた。


「よし。このまま押し込むぞ」

と俺は野口に言った。

その時だった。

野口が片膝をついた。


「野口どうした?」

俺は聞いた。


「大丈夫。ちょっと目眩がして」

と言いながら野口は立ち上がり、構えをとるが足元がおぼつかない。


「野口!あっ。。。」

野口に駆け寄ろうとした時、俺も目眩がして片膝を着いた。

四宮を見ると四宮も具合が悪そうだ。

指揮官らしき男が言った。


「ようやく毒が効いてきたか」


「毒?いつの間に?」

俺は指揮官に聞いた。


「さあな。でも相当少なかったのか、効きが悪いみたいだな」


指揮官はそう言うと

「てめぇら。今のうちにとどめをさせ!」

と山賊たちに命令した。


山賊たちは一斉に攻撃を開始した。

今までの優位性が嘘のように俺たちは押される。


「野口!こっちにこい!3人固まるぞ」

と俺が言うと。

野口は戦いながら少しずつこちらに近づいてきた。


「体はどうだ?」

俺が聞くと


「足にきているから、思うように動けない。魔法ならなんとかいけるよ」


「私も同じ」

と野口と四宮が答えた。


「そうか。じゃあお前たちは魔法で相手を削ってくれ。近づいてきた敵は俺が受け持つ。まぁさっきまでと一緒だな」

と俺が言った。


「足は大丈夫なのかい?」

野口が聞いてくる。


「足腰は確かに覚束ないが、まぁ見てろって」

と俺は言うと、


「イグニッション」

俺は足のみ(・・)にイグニッションを発動させた。


「よし。動く」

俺は足の感触を確かめてから、


「行くぜ」

と言って山賊に向かっていった。


俺は山賊を体術で薙ぎ倒す。

それを見て、

「なるほど。イグニッションで部分的に強化して、足の痺れを抑えたのか。さすが澤口くんだ」

と野口が言ってから


「四宮さん。僕たちも負けれいられないよ」

とウォーターボールを発動させて、山賊を打ちのめした。


四宮は野口の言葉に頷くと

「ハリケーン」

と広範囲の風魔法で多数の山賊を無力化した。


動ける山賊もだいぶ減ってきた。

「もう一息だ」

再び流れを引き戻して、このまま行けるかと思った時、ニコルが駆け寄ってきた。


「ニコルさん。どうしました?」

野口が聞く。


「いやちょっとな」

と言いながら、野口の目の前まで来たニコルは急にナイフを出した。


「なっ」

野口はいきなりのことで反応ができず目を瞑る。


「きゃああ」

と四宮も叫ぶ。


「死ねぇ」

と言ってニコルがナイフを野口に突き立てる。


バシィン

野口に刃が届く寸前で俺はニコルの腕を掴んで止めた。

野口が恐る恐る目を開ける。


「澤口くん!」

野口は驚いて俺の顔を見た。


「ニコルぅ。舐めた真似してくれたなぁ」

と言って俺はニコルの顔面をぶっ飛ばした。


「あぶぅ」

と言いながら吹っ飛んでいくニコルはドサッと地面に倒れた。


「おかしいと思ってたんだよな。山賊の奴らは俺たちがくるのを知っていて待ち構えていたし、俺たちの能力も知っているようだった」

と俺は言ってさらに続ける。


「それに毒だ。いつ俺たちに毒を盛れた?ニコルの出した干し肉しかありえねぇ。ニコルは山賊のスパイだ。そうだろう?」


「あわわわ」

ニコルは怯えていたが、俺はニコルに手刀を打ち気絶させた。


「話は後でゆっくり聞くからとりあえず眠ってろ」


後の戦いは一方的なものとなった。

足の痺れも次第に薄れてきて、動けるようになってきた俺たちに対して、もう山賊たちに対抗策は無かった。

俺たちは山賊を一人残らず無力化して、一人一人を縛り上げた。

指揮官らしき男が首領だったようだ。


俺と四宮が見張りにつき、野口が報告のために冒険者ギルドに向かった。

俺は縛り上げられているニコルの元に行った。


「頼む。見逃してくれ。俺は命令されただけなんだ」

とニコルはお約束のようなセリフを吐く。


「誰に頼まれたんだ?」

と聞くと。


「それは言えねぇ。それを言っちまったらこの街には住めねぇ」


「じゃあここで終わりだな」

と俺は拳を振り上げた。


「わかった。わかった。言うから勘弁してくれ」

とニコルが言うので、俺は拳を下ろして聞いた。


「誰に頼まれたんだ?」


「街の長だ。街の長は山賊とグルで洞窟の資源を独り占めして、他の街に流していたんだ」

とニコルは簡単に吐いた。


山賊の頭にも聞いた。

ニコルがゲロった事を言うと、観念したようで洗いざらい喋ってくれた。

内容はニコルと同じで、街の長の命令だったとのこと?


野口が冒険者ギルドの人を大勢連れてきた。その中に何故か街の長の姿もあった。

俺は山賊の頭やニコルに聞いた事をみんなの前で話した。


「そんなのはでたら目だ。こいつは俺のことを貶めようとしている」

と街の長は言い逃れをした。

ギルドの人たちはその場で判断をする事ができなかったため、すぐさま街の長の家の捜索手配をした。

捜索が終わるまで、ここで街の長は待機することになった。


ギルドの人たちが街の長の家を捜索たところ、出るわ出るわ、鉱石自体はもとより、他の街への納品書、帳簿など証拠としては十分すぎるほどだった。

こうして、街の長は山賊と共に捕縛された。


俺たちは報酬を受け取るために冒険者ギルドに来ている。

「この度は本当にありがとうございました。こちらは報酬の金貨20枚になります。どうぞご確認ください」

と言った受付嬢が続けて言う。


「また、あなた方は本日よりランクBの冒険者とさせていただきます。新しい冒険者カードをお渡しいたします」


「ありがとうございます」

俺たちは報酬と冒険者カードを受け取ったあと、四宮が受付嬢に聞いた。


「あのアリシアに行く洞窟について聞きたいのですが」


「洞窟は鉱山になっておりまして、入口付近は誰でも行ける場所になっております。しかし、ある程度進みますと強い魔獣が出てくるそうです」

受付嬢は続けて言う。


「私どもはアリシアに行くことはありませんので、ここから先は聞いた話になってしまいますが、奥までいくと階段の部屋があるそうです。そこには、強力な魔獣がいるそうですが、その先の階段を登るとアリシアに行けるそうです」


「なるほど。アリシアに行くのも一筋縄では行かなそうだな」

と俺は言った。


「ご武運をお祈りいたします」

と受付嬢に送られて、俺たちはギルドを後にした。

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