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インテグレイション オブ ワールド  作者: アサム
第二章 快男児
23/187

23、ベルンの街

翌朝、俺たちはミラドにお礼を言ってモルド村を後にした。

ミラドは携帯食と多少の路銀を俺たちに渡してくれた。

転移したばかりの俺たちには非常にありがたかった。


俺たちは徒歩でベルンの街に向かっている。

ベルンはモルドから徒歩で3時間程度の距離だった。

途中でトラブルなどもなく順調に進んでいた。


2時間ほど進んで俺たちは少し早いけど昼食を取ることにした。

ミラドがくれた携帯食を食べる。

携帯食は干し芋のようなもので、甘くて美味しかった。


「そろそろベルンにつくね。どんな街だろう」

四宮が言った。


「そうだな。とりあえず必要なものが揃えられるといいな」

俺は言った。


「まずは冒険者ギルドに行って登録して、そのまま依頼を受注。できれば今日中に依頼を完了して報酬を受け取る。その報酬で今夜宿に泊まる。この予定でいいよね」

野口が言う。


「そうだな。でもなぁ施設の世話になりたくないってのは俺のわがままだ。お前らまで付き合うことはないんだぜ」

俺は言った。


すると野口は言った。

「確かに施設にお世話なった方がいいかもね。でもね僕は澤口くんについていくよ。役には立たないかもだけど、、、」


「私も翁くんについていくよ。翁くん1人じゃ心配だもの」

四宮も言う。


「勝手にしな。死んでも知らねーからな」

と俺は言ったものの内心嬉しかった。

四宮も野口も呆れた顔で笑っていた。


「そろそろ行こうか」

四宮が言った。


また歩き始めて2時間。

ようやくベルンの城壁が見えた。

俺たちは足早に城壁に向かう。

城壁の門には衛兵がいた。


四宮が衛兵に話しかけた。

「こんにちは。この門を通してもらえますか?」


「あんたら転移者かい。身なりを見ればわかるよ。施設に行くんだろ通りな」

と衛兵は言った。


衛兵の転移者に対する扱いは慣れていた。

ミラドの言ったとおり転移者は多いみたいだ。

施設には行かないが通してもらえるならありがたい。


「そうなんです。通してくれてありがとうございます」

と四宮が返答した。

門を通ると想像以上に大きな街が広がっていた。


「とりあえず冒険者ギルドに行かないとな」

と俺は言った。

「そうだね。誰かに道を聞いてみようか」

野口が言う。


少し歩くと中学生くらいのガキがいた。

野口は道を聞くために声をかける。

「ねぇキミ。冒険者ギルドへはどうやっていけばいいかな?」


「あっお兄ちゃんたち転移者だね。」

と言うと冒険者ギルドまでの道順を教えてくれた。


「じゃあねーお兄ちゃんまた会おうねー」

とガキは言っている。

俺たちは軽く手を振り返し冒険者ギルドを目指した。


冒険者ギルドを探しながら歩いていると、俺はツインテールの女の子とぶつかってしまった。

「きゃあ」

女の子は尻餅をついてしまう。


「わりぃ。建物を探していて前を見ていなかった」

と言いながら俺は女の子に手を出した。


女の子が手を掴み、俺は引っ張って起こしてあげると女の子は手を掴んだまま

「運命の出会いだわ」

と言った。


「?」

俺の頭には?マークが浮かんだ。


「あなたのお名前は?」

女の子が聞いてくる。


「翁ですけど」

咄嗟に俺は答えた。


「翁くん。あなたは私の運命の人だわ。私の名前は(さくら)あなたを愛してます」

と言ってきた。

俺はコイツはヤバい奴だと思い、手を引き抜いた。


「俺たち急いでいるので。じゃあまた」

と言って立ち去ろうとした。


後ろから女の子が

「翁くーん。必ず迎えに行くからねー」

と叫んでいるが、俺たちはこれ以上関わり合いたくないので無視して歩いていった。


ようやく冒険者ギルドについた。

門を開けると奥の方に受付が見えた。


いくつかのテーブルを抜けて、俺たちは受付の前に行く。


「私たち3人、冒険者登録をお願いします」

受付の前まで行き四宮が言った。


「かしこまりました。ではこちらの紙にお名前を記載してください」

と受付嬢は紙を渡しながら言った。


紙に名前を書き、登録の手続きをしている間に俺たちは冒険者の説明を受けた。

そして、無事冒険者カードを受け取ることができた。


早速、依頼の掲示板を見る。

「まずはCランクからかぁ」

と俺は依頼を眺めていると


「あれ?この依頼みて」

と四宮が言った。


オーガメイジ討伐

ランク A

南の森付近に最近オーガメイジが出没するようになった。

運搬車を頻繁に襲うため、早急に討伐してほしい。

報酬 金貨2枚


「これって私達が倒したオーガかな?」

四宮が言った。


「ちょっと聞いてみようか」

野口はそう言うと依頼の紙を外し受付に行った。


「すみません。この依頼なんですが」


「なんでしょうか?」

受付嬢は問いかける。


「僕たちが昨日倒した奴かもしれません」

野口は言った。

俺はお前はいなかったけどなと心の中でツッコミを入れた。


「確認いたします。倒した場所を教えてください」

と受付嬢が言うので、大体の場所を伝えた。


「確認ができましたら、改めて報告させていただきます」

と受付嬢は言った。


俺たちは仕切り直して掲示板をみる。Cランクでもいろいろ依頼があるものだ。


「とりあえず今日達成できそうなものにしようよ」

と四宮が言う。


「このウサギ狩ならいけるんじゃね?」

と俺が言った。


「確かにウサギならいけるかな」

と四宮も同意した。

俺たちはウサギ狩りを受けることにした。


依頼を受けて、今はギルドを出て門に向かっている。

途中で男1人女2人の3人組を見かけた。

俺たちと同じように元の世界の制服を着ていたので、同じ転移者かなと思った。

あっちは俺たちに気づいていないようだ。


城門を出て目的地に向かう俺たち。

ウサギは北にある草原に生息しているようで、北の草原には30分程度だそうだ。


俺たちは北の草原についた。

「ウサギはどこかな?」

と探すもなかなか見つからない。


「ウサギってどんなところにいるんだ?」

俺は野口に聞いた。


「穴かな?わかんないや」

野口は答える。


「私もわからないよ」

四宮も答えた。


2時間かけて探したが、ウサギらしきものは一匹も見つからなかった。


「そろそろ日も暮れてしまいそうだし帰るか」

と俺が言うと


「「そうだね」」

と2人とも同意した。

時間を無駄にしたな。

ウサギの事をもっと調べてから行けばよかったと俺は反省した。

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