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インテグレイション オブ ワールド  作者: アサム
第一章 目覚め
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19、幕間 星野 芽衣

「なんで?なんで?なんでこうなるの?」

私はとある城の中をイライラしながら歩いていた。すると後ろから声をかけられた。


「よぉ芽衣。聞いたぜ。任務に失敗したんだってなぁ」

嫌なやつに会ってしまった。

確かに私は任務に失敗した。

確実に助からないと思っていたあの女が生きていたのだ。

しかも私がつけた傷は完治していた。

何が起きたのだろう。


「あぁビナスか。何か用かな。私は忙しいんだ。用がなければまた今度にしてくれないかな」

私は早く会話を打ち切ろうと返答した。


「連れないことを言うなよ。お前が任務に失敗したって聞いてなぁ。俺が代わりに任務を遂行してやろうかと思ってさ。ほら俺はお前に惚れているだろう。だからお前を助けるために任務を代わって遂行し、ついでにあの男も殺してやろうかと思ってな」

ビナスがそう言うと私は雰囲気を変えた。


「ビナス。そんな事をしたら私があんたを殺すよ」

と私が威嚇する。


「おーこわこわ」

と言いながらビナスは全く堪えた様子もなく、肩をすくめて去っていった。


私は廊下を歩き神の間を目指す。

任務失敗の報告をしなくてはならない。

憂鬱だと思いながらもいずれはやらなければならない事だ。


「あーあ。本当に勇っちと一緒にどこかにいっちゃいたいなぁ」

と愚痴りながら進む。

そうこうしているうちに神の間に到着した。


トントントン ドアをノックし言う

「芽衣です。任務の報告に来ました」


「入れ」

神から入室の許可が出る。


「失礼します」

と言って私は神の間に入っていった。


「神よ任務の報告を致します。私は地球に向かいターゲットHを殺す任務を受けておりましたが、手違いがあり、ターゲットHと共にAEに転移いたしました。一緒に転移した真壁という男を使いターゲットHを殺そうとしましたが失敗。その後私の魔法で致命傷を負わせだはずですが、何か想定外の事象によりターゲットHは無事でした。任務失敗誠に申し訳ございません」

私はありのままに報告をしたが勇っちのことは報告に除外した。


「詳細は聞いている。おそらくはWが動いたのだと思われる。」

と神はいう。


「Wがですか?」

私は聞き返す。


「あれだけのことができるのはWしかおるまい」

神は言う。


「芽衣よ。あちらの地球はどうだった?」


「はい。機械が発達し非常に便利な世界でした。その代わり想像以上に地球の生命力は弱まっております」


「あちらの人類はどうだ。滅ぼすべきか?」


「わかりません。あちらの人類は自分たちのせいで地球の生命力が弱まっていることを認識しております。その上で改善しようと試みておりますが、便利さも捨てきれないようです。ただ改善したい、地球を救いたいという意志はあると感じました」

私は言った。


「そうか。わかった。」


「芽衣。これからお前はビナスと共に黄柱を抑えにいけ。真壁という奴も連れていって良い」


「仰せのままに」

芽衣はそう言ってこの場を去ろうとした。

神の間のドアの前まで行った時に神は言った。


「芽衣よ。好いているもののために神を裏切ることはないだろうな」

私はドキリとした。見透かされている。


「裏切りなど考えたこともありません」

と私は答えた。


「ならば良い。行け」


「失礼いたします」

と言って神の間をでた。

全身から汗が湧き出ていた。


私は黄柱に行く準備をする。

まずはビナスのところに向かう。

嫌だけど。


「ビナス。神から新しい任務だよ。黄柱を抑えに行くよ」


「おっお前と組むのか。やはり運命だな」

とビナスは言う。

うっざ。なんでこんな奴と組まなきゃならないんだろう。。。


続いて真壁のところに行く。

真壁は部屋でイビキをかきながら寝ている。

こいつ私が失敗の報告をしている時に。。。お前の責任も一部はあるのに。。。私はイライラしてきた。


「真壁!起きろ」

と言って蹴っ飛ばした。


「ぐわぁぁぁ」

と言いながらベットから転げ落ちる真壁。

ざまみろ。


「誰だ!俺様をけったのは!」

と言って真壁が起き上がる。

目の前にいるのは私とビナス。


真壁は

「なんだ芽衣様とビナス様でしたか。何が御用ですか?」

とゴマをする真壁。


「任務だよ。準備して」

と私は言った。




私とビナスと真壁の3人は黄柱のあるところに向かって歩いている。

私はフードを被り顔が割れないようにしている。

真壁にもそうさせているが、ビナスはそういうことはしない主義だそうだ。

さらにビナスは金色の鎧を身につけているので目立つ。


「そういえば、ピテルと海は何しているの?」

ビナスに聞いた


「あぁ。あいつらは青柱に行っている」

ビナスは答える。


「そっか。いよいよ活発になってきたね」


「だなっ。楽しくなりそうだぜ」


「・・・」




目的地に向かう途中、検問があった。

この先の橋を通るのが近道なので私たちはどうしても通りたい。

私たちは検問に向かう。

私は穏便に通りたい。

でもそうはならない。

何故ならこいつがいるから。


「お前たち何者だ?ん?金色の髪に金色の鎧?」

衛兵は言った。


「おい誰か黒の組織の手配書持ってこい。それと応援を呼べ」

はい。バレたー。当然だよねー。だってコレだもん。と思いながら私はビナスを見る。


「ん?」

とか言いながら何も気にしていないビナス。

私はまたイライラしてきた。


そうこうしている間に手配書と増援がくる。

「やはりお前、黒の組織のビナスだな」

衛兵が言うと


「そうだが。何か?」

とビナスは答える。だよねー。そう答えるよねー。

と私は諦めの境地に入る。


「ここを通すわけにはいかない。大人しく捕まれ」

と衛兵は言う。

増援が来たので、衛兵はざっと80人くらいか。

ビナスはニヤけながら指の骨を鳴らしている。

私はそんなビナスを制止して言った。


「ここは私にやらせて。最近まともに戦っていないからストレス溜まっているの」

あんたといるからストレス溜まっているのと言う言葉を飲み込みながら私は言った。


「あぁ?」

とビナスは私を見るが、私はビナスを睨みつける。


ビナスは肩をすくめて

「わーったよ」

と言ってから近くの木下に座った。

真壁はビナスの横でビクビクしながら立っている。


私は1人前に出た。

衛兵は80人。

私は衛兵の方に走り出し、衝突する少し前でジャンプした。

衛兵の頭上を超えて、集団の真ん中くらいのところで魔法を唱えた。


「アイスランス」

50本ほどの氷の槍が出現し衛兵に襲いかかる。


「ぐぁ」

「ぐぇ」

「ぎゃあああ」

至る所で衛兵の苦痛の声が聞こえる。


私は衛兵の集団の中心部に降り立った。

まだ、半数以上の衛兵は無傷だ。

衛兵が私を取り囲む。

衛兵が一斉に襲い掛かろうとした時に私は魔法を使った。


「コキュートス」

霧が噴き出し一瞬世界が白くなったように感じる。

霧が晴れて来て視界がクリアになってくる。

衛兵はひとり残らず氷漬けになって死んでいた。


私はビナスのところに戻る。

「終わったよ」

とビナスに言うと


「さすが俺の芽衣だな。いつ見てもコキュートスはすげぇ」

とビナスは言う。


「はぁ」

と私は深いため息をついた。


「いくよ」

と2人に言うと橋に向かって歩き出した。


「勇っち。。。会いたいな」

今年の更新はこれで最後の予定です。

お付き合いいただきありがとうございました。

良いお年をお迎えください。

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