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インテグレイション オブ ワールド  作者: アサム
○▼※△%章
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177、ズルい女12▪️め の る▪️

ブルの街に着いて、久しぶりにゆっくりとした時間を過ごしていた。

ウィンちゃんと杏奈と一緒に街にお出かけ。

女子会みたいで楽しかったな。


でも、そんな楽しい時間は長くは続かなかった。

街の城壁を破って虎が入ってきたのだ。


虎はウィンちゃんに任せて、私と杏奈は勇くんたちを呼びに行く。

そういえば、杏奈と名前で呼ぶようになったのはこの時だったな。



私は杏奈と一緒に街の中を走る。


街の人たちが避難でごった返していて、思うように進めなかった。


「四宮さん!上を行きましょう」

と私は杏奈に言った。

私は糸を使って屋根に登り、家と家の間をこれまた糸を使って渡り進んだ。

昔にテレビの再放送で見た蜘蛛と合体してしまったヒーローの技を参考にしてみたが、思いの外うまくいった。


杏奈はグラビティで何とかするだろうとも思っていたが、予想通り重力を操作して飛んで移動していた。

めちゃくちゃ便利なスキルだなと思う。


しかし、虎がもう1体街に入ってきた事で、状況が変わる。

このまま放置すれば街に大きな被害が出る。

1人で戦うには私たちでは心許ない。

2人で協力して虎を倒すしか選択肢は無かった。


「火球」や「電撃」の魔法では虎には全く効果が無かった。

糸で突き刺さすのも虎の皮膚が硬くて無理。


それでも、何とか突破口を見つけようと果敢に攻めた。

虎は大きい割に素早く、こちらも無傷というわけにはいかなかった。

でも、痛みには慣れている、、、つもりだ。。。

ここで引くわけにはいかない。


とはいえ、私の魔法では力不足。

虎を倒せる可能性があるとすれば、杏奈の魔法だと思い杏奈を見ると、杏奈が呆然としていた。

杏奈に虎の攻撃が迫っているのに。。。



「四宮さん!避けて!」

私は叫んだ。

しかし、杏奈は動き出す気配がなかった。


「四宮さん!」

私は必死になって叫ぶ。


「杏奈!!しっかりして!」

無我夢中で叫んだ。

いつの間にか、名前で呼んでいた。


ようやく杏奈は動き出して、ギリギリ虎の攻撃をかわした。


私は杏奈のもとに駆け寄り、力強く両肩を掴んで言った。

「杏奈!私たちでもできることをやりきろう!」

「杏奈しかできないことが必ずあるから!」

私にはできないけど、杏奈ならできる事がある。必ずある。

そう思って、訴えかけた。

少しは響いてくれたのかな。


そこからの杏奈は物凄かった。

自分のできる事を分析して、少しずつ微修正をかける。


杏奈は魔力やスキルを操作する能力が非常に高い。

同じ魔法でも込める魔力量で結果が大きく変わってくるし、大きさ、命中率なども細かい操作ができると、無駄が少なく高い効果を出す事ができる。


杏奈は魔力の形、動き方、スキルと合わせるなどを追加する事によって、魔法の威力を倍増させた。


「Gアイスドリル!」

完成されたGアイスドリルは

虎の前足を吹き飛ばし、腹に風穴を開けた。

恐ろしいほどの威力だった。


こうして、私たち(私はほとんど何もやっていないが。。。)は、何とか虎の進行を阻止する事ができた。


しかし、虎との戦いはここからが本番だった。


街を襲ってきた虎たちの正体は三大魔獣の赤虎だった。


赤虎はさっき戦った虎ほど大きい訳ではない。

普通の虎の2倍程度の大きさだ。

しかし、特殊な力がある訳でもない私が見ても、さっきまでの虎とは比べようもないくらい強い事がわかった。



「お前たちか。我輩の分身を倒したのは。4体共に倒される事など初めてだな」


「喋るのか!?こいつ」

と翁くんは驚いていた。


「我輩は赤虎。お前たちの間では三大魔獣に数えられている」


「我輩の炎に焼かれ死ぬがいい」

と言うと、赤虎が炎を纏いだした。


「氷針」

ウィンちゃんが魔法を放つが、氷の針は赤虎に届くことはなく、炎に触れた途端に蒸発した。


「あの炎やばいよ。気をつけて」

とウィンちゃんが言う。


赤虎は前足に力を入れた。

と思った瞬間に目の前から消えた。


「イサミン!上!」

とウィンちゃんがいち早く気づいて、勇くんに声をかけるが、勇くんは反応できていない。


赤虎は勇くん目掛けて右手を振るう。


「そんなよけられ、、、」

と勇くんが言い終わらないうちに赤虎の爪が勇くんを引き裂いた。

勇くんの体が、赤虎の炎で燃え上がる。

引き裂かれた傷口から噴き出す血液は、燃え上がる炎で一瞬のうちに蒸発していった。


「勇くぅぅぅん」

私は思わず声を上げた。



「あの炎やばいよ。気をつけて」

とウィンちゃんが言う。

戻っている?

私はまだ思考を切り替える事ができていない。


赤虎は前足に力を入れた。

と思った瞬間に目の前から消えた。


「イサミン!上!」

とウィンちゃんがいち早く気づいて、勇くんに声をかけるが、勇くんは反応できていない。


赤虎は勇くん目掛けて右手を振るう。


「そんなよけられ、、、」

と勇くんが言い終わらないうちに赤虎の爪が勇くんを引き裂いた。

勇くんの体が、赤虎の炎で燃え上がる。

引き裂かれた傷口から噴き出す血液は、燃え上がる炎で一瞬のうちに蒸発していった。


私は突然の事に呆然と見送った。



「あの炎やばいよ。気をつけて」

とウィンちゃんが言う。

良かった。戻ったみたい。

私は勇くんに向かって、糸を放った。


赤虎は前足に力を入れた。

と思った瞬間に目の前から消えた。


「イサミン!上!」

とウィンちゃんがいち早く気づいて、勇くんに声をかけるが、勇くんは反応できていない。


赤虎は勇くん目掛けて右手を振るう。


「そんなよけられ、、、」

私は糸を勇くんの体に巻きつかせて引っ張った。

勇くんがこちらに飛んでくる。

赤虎はターゲットを失い、すでに誰もいない場所に着地した。


「勇くん!気をつけて。あの炎は触れるだけでも命取りになるよ」

ごめんね勇くん。一回で助けられなくてごめんね。

もっと私しっかりするから。

もうあんな姿は見たくないよ。


私たちは一斉に赤虎に攻撃を仕掛ける。

しかし、赤虎の纏っている炎は攻守共に非常に厄介だった。

攻めては触れるだけで相手を燃やし尽くす。

守っては本体に当たる前に攻撃を消滅させる。

その上、スピードも速い。


近づくだけで燃えてしまうほどの炎。

攻撃を掠めただけでも、死が待っている。

この炎を何とかしないと、まともに戦うこともできない。


何とかできる可能性があるのは、、、

ウィンちゃんしかいない。


「ウィンちゃん。みんなの防御任せれるかな?」


「えっ。。。」

私の無茶振りに、一瞬ウィンちゃんが驚いた表情を見せる。


「魔法創造士だもんね」


「まっ、、、任せてよ姫姉。ぼっ僕は魔法創造士だからね」

とウィンちゃんは顔を引き攣らせながら言った。

難しいのはわかっていた。

でもウィンちゃんしかお願いできない。


「でも少し待っててね。今から準備するから。。。」


「うん。よろしくね。それまでは持ち堪えるから」

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