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インテグレイション オブ ワールド  作者: アサム
○▼※△%章
171/190

171、ズルい女⑥▪️め ▪️ ▪️▪️

私たちは芽衣ちゃんを探す事と、元の地球に帰る方法を見つけることを当面の目標とした。

そのためにベルンの街を後にしたが、街を出てすぐに、コートを着た人と出会った。

そして、コートの人の進めを受けて、月刀を見つけるためにアルの村を目指す事になった。


勇くんと2人の旅は正直言って、、、

めちゃくちゃ楽しかった。


いつ魔獣に襲われるかわからない。

油断が命取りになる。

食べ物が確保してできるかもわからない。

確保できずに1日何も食べる事ができない日もあった。

寝る時も地面がゴツゴツして寝にくい。


それでも楽しかった。

夜は交代で見張をした。

勇くんの寝顔を見ながらの見張り番は幸せを感じた。


当然早く元の地球に帰りたいという気持ちはあるけれど、一方このAEでこんな生活をしていくのも悪くないという気持ちも芽生えて来ている事も確かだった。


村に着くと、リクさんとマキさんに出会う事ができた。

2人は私たちに戦う力とAEで生きていく術を教えてくれた。

同じ転移者としていろいろ面倒を見てくれたのだ。

いつかもう一度会って、恩返しをしたいと思う。


そして、月刀を手に入れて、リムちゃんも仲間になった。

しかし、楽しいことばかりではなかった。



青鰐との戦闘でまた()()()になってしまった。



「どうですか!」

と青鰐を切り裂いた勇くんが言った。

その直後、青鰐が放っていた鱗が勇くんに突き刺さり勇くんは倒れた。


「えっ?」

何が起きたのかわからない。



「どうですか!」

と青鰐を切り裂いた勇くんが言った。

その直後、青鰐が放っていた鱗が勇くんに突き刺さり勇くんは倒れた。


戻っている?



「どうですか!」

と青鰐を切り裂いた勇くんが言った。


「勇くん。全力でこっちに向かって走って!早く!!」

ようやく戻っている事を理解して、勇くんに声をかけることができた。


勇くんは全力で私の方に向かって走った。


ザクザクザクザク!


と走り出してすぐ、元々勇くんのいた場所に鱗が突き刺さる。


ザクザクザクザク!


鱗は走っている勇くんを狙っていて、勇くんが走った後の地面を鱗が突き刺していった。


「うわぁぁぁぁ」

勇くんは走って逃げるが、逃げきれずに鱗に身体中を貫かれた。


「勇くーん!」

と悲鳴を上げると、、、


「うわぁぁぁぁ」

戻った。

良かった。

戻れなかったらどうしようと不安があった。


真っ直ぐ走っていると、鱗に追いつかれる。

「勇くん!右に避けて!」


勇くんは右に飛んで避けた。

その直後、地面に鱗が刺さっていく。


「勇くん!私のところに向かって走って!」

勇くんは私にに向かって走る。


鱗は次々に勇くんが元いた場所に突き刺さっていく。

このままではいずれ追いつかれてしまう。


私は糸で壁を作って勇くんを守ろうとする。

しかし、鱗は糸の壁を突き抜けて、勇くんに突き刺さった。


戻ってしまった。


今度は魔法で鱗を燃やしてしまおうと思った。

しかし、私程度の魔法で無理だった。


また戻ってしまった。


今度は糸で勇くんを引っ張った。

私のところまで、勇くんを連れてくることで、鱗をかわせると思ったのだ。

しかし、鱗はこちらに向かってきて、2人とも鱗の餌食になった。

私の体を何枚もの鱗が突き抜けていく。


いたいいたいいたいいたいいたい。


私の額を鱗が貫く寸前に、勇くんが糸が切れた人形のように倒れた。


また戻ってしまった。


何度やっても私の力では、この状況を乗り越えることはできなかった。

それならリムちゃんにお願いしてみたら?


そう思い

「私の力じゃ防げない。リムちゃんガードをお願い」

と言った。


「しかたがないのよ。やってあげるのよ」

とリムちゃんは言うと、


「月魔法ムーンウォール」

と魔法を唱え、勇くんの背後に黄色の壁を作った。

ムーンウォールは見事に鱗を防ぐ事に成功して、何とか戻りのループから脱出できた。


「姫乃先輩助かりました!」

と勇くんが言う。


「ハァハァハァ。やっと乗り越えることができたわ」

本当に何度も戻る事になってしまった。

それでも、、、乗り越える事ができた。



青鰐は急にピクリとも動かなくなった。


「何か仕掛けてくるかもしれない。注意を怠るな」

とリクさんが叫ぶ。


すると、


ゴゴゴゴゴゴゴ


大地が音を立てて震えた。

立っている事が困難なほどの揺れ。

何とか体勢を維持しながら、青鰐を警戒していると、


ゴゴゴゴゴゴゴ


青鰐は地面の中にゆっくりと沈んでいく。


「逃がすか!」

とリクさんがは沈んでいく青鰐に攻撃を仕掛けようとするが、大地の揺れにより思うように追撃できず、その内に青鰐は完全に地中に潜ってしまった。

青鰐がいた場所にはどこまで続いているのかわからない大きな穴が残っていた。


辺りはシーンと静まり返っている。


「にっ逃げたのかな?」

と勇くんが言ったその瞬間に、


バチン!


と地面から鰐の頭が出てきて、勇くんを飲み込んだ。

先程までのとてつもない大きさの鰐ではなく、大人の人間くらいの大きさの鰐だ。

鰐の口から勇くんの血が流れた。


「いやーー」

と私は叫んだ。



「にっ逃げたのかな?」

また戻ってしまった。

この後に鰐が来る。


「危ない!」

と私は勇くんに飛びついて、倒れ込んだ。


その直後、


バチン!


と地面から鰐の頭が出てきて、元々勇くんがいた空間に噛みついた。

ホッとした瞬間に、


バチン!


鰐が勇くんに噛み付いた。

鰐の口から繋がりを無くした、勇くんの手がポロッと落ちた。

私は声が出なかった。


「危ない!」

と私は勇くんに飛びついて、倒れ込んだ。

戻れたみたいだ。


「勇くん逃げるよ!」

勇くんの手を引っ張って、すぐに移動を開始した。


バチン!


すぐさまに元々私たちがいた場所に鰐の頭が出てきて噛みついた。


必死に逃げる私たち、ふと握る勇くんの手が軽くなった。

後ろを見ると握っている勇くんの腕が途中で切れていて、体は鰐に飲み込まれていた。


「いっいやぁーーー」



「勇くん!ジャンプ」

今度は勇くんにジャンプをしてもらう。


バチン!


「勇くん。今は避けることに専念して」


「わかりました」



バチン!

バチン!

バチン!


と次々に鰐が攻撃をしてくる。

何度繰り返したのだろうか。


何度もやられて、ひとつのパターンに気づいた。

地中からは一度牙を出してからでないと攻撃ができないようなのだ。


わかってしまえば回避する事はそれほど難しくは無い。

みんなにそれを伝えると、危なげなく攻撃をかわすことができるようになってきた。


しかし、結局は青鰐を討伐する事は叶わなかった。

多数の個体に増えた青鰐を一箇所に集めて、リクさんが必殺技を放ち、殲滅できたかに思えた。


勝利を確信して、気を抜いたその瞬間に目の前にいた勇くんを飲み込みながら、鰐の口が閉じた。


これだけやってもまた戻ってしまった。


何とか鰐の攻撃をかわすが、もうこれ以上、私たちに鰐と戦う力は残っていない。

私たちは撤退を余儀なくされたのだった。

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