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インテグレイション オブ ワールド  作者: アサム
○▼※△%章
167/190

167、ズルい女② ▪️▪️▪️ ▪️▪️

私はズルい女だ。

私は時間を戻す事ができる。

ほんの少しだけれど、時間を戻す事ができるのだ。

時間を戻せたら最強じゃないかと思う人もいるかも知れないけれど、それほど便利な能力ではない。

発動の仕方がわからないのだ。


この能力に気付いたのは、このAEに転移してすぐだった。

能力の事は誰にも伝えていない。だって証明できないもの。それに、、、


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


青白い光に飲み込まれて、気がつくと知らない森の中にいた。

さっきまでは学校の食堂にいたはずなのに。。。


周りには一緒に光に飲み込まれた人たちが倒れている。

その中には勇くんもいた。


「勇くん」

「勇くん」

と私は勇くんに声をかけた。


はっと目を覚ました勇くんに

「勇くん。大丈夫?」

と声をかけた。


「ひ・め・の先輩?ここは?」

勇くんは動揺している。

仕方がない事だ。

私だって動揺している。


「私にもわからないわ。青白い光に包まれて気づいたらここにいたの。」


一緒に光に飲まれた人達も徐々に気がついてきたようだ。

私の友達の花巻さん、勇くんと同じクラスの芽衣さん、そして真壁くん。


「真壁せん。。。」

真壁くんに気づいた勇くんが声を漏らした。


「おいっ1年!おまえ俺に何をした!」

「ここはどこだ?早く元の場所にもどせ!」

と起きて早々に勇くんに絡んでいる。


「そんなこといわれても。。。僕にも何が何だか。。。」

真壁くんは勇くんのせいだと思い込んでいるようだ。


カサッと草が揺れた気がした。

「何か音が、、」

気づいた勇くんが何かを言おうとしたが、言い終わる前に何かが勇くんに飛びかかった。


「オオカミ?」

私はこの瞬間何が起きたのかわからない。

突然出てきたオオカミに勇くんの首が噛みちぎられた。

勇くんの首から血液が噴き出す。

勇くんは目の焦点が合わず、口をパクパクしている。


「いや。いや。いやーーーーー!」




ハッと気がついた。

「ひ・め・の先輩?ここは?」

さっきオオカミに襲われた。

勇くんが、無事で普通に話をしていた。


「勇くん!」

私は状況はわからないものの、嬉しさに声を上げた。

さっきのは夢だったのだろうか。


「真壁せん。。。」

真壁くんに気づいた勇くんが声を漏らした。


これって。。。


「おいっ1年!おまえ俺に何をした!」

「ここはどこだ?早く元の場所にもどせ!」


「そんなこといわれても。。。僕にも何が何だか。。。」


夢と同じ。。。


カサッと草が揺れた気がした。

「何か音が、、」

気づいた勇くんが何かを言おうとしたが、言い終わる前に何かが勇くんに飛びかかった。


「えっ?」

何がどうなっていの?


再び突然出てきたオオカミに勇くんの首が噛みちぎられた。

勇くんの首から血液が噴き出す。

勇くんは目の焦点が合わず、口をパクパクしている。


「いや。いや。いやーーーーー!」



ハッと気がついた。

「ひ・め・の先輩?ここは?」

ゾッとした。

繰り返している?

どういうこと?


「真壁せん。。。」

真壁くんに気づいた勇くんが声を漏らした。


「おいっ1年!おまえ俺に何をした!」

「ここはどこだ?早く元の場所にもどせ!」


「そんなこといわれても。。。僕にも何が何だか。。。」


この後に、オオカミが、、、

「勇くん!逃げて!」

と声を上げて言った。


「えっ?」

と勇くんは私の言葉の意味がわからず、私を見て動きを止める。

その時、横から出てきたオオカミが勇くんの首に噛みちぎった。

再び勇くんの首からは血液が吹き出して、命が尽きようとしている。


私は声も出せなくなっていた。


涙だけが止めどなく流れている。



ハッと気がついた。

「ひ・め・の先輩?ここは?」

また繰り返した。


「もう何なの?やめて!!」

と私は泣き叫んだ。


「えっ?」

と事情のわからない勇くんは戸惑っていたが、私を心配して近づいてきた。

そして、真壁くんは私の様子を伺い、勇くんに因縁をつけることはしなかった。


その時、オオカミが飛び出して、()()()()の首に噛みついた。

「あれっ?」

私は再び困惑する。

真壁くんの首から血液が噴き出す。

真壁くんは白目を向いて、今にも息絶えてしまいそうだ。


「真壁先輩!」

と真壁くんを助けようと勇くんが近づく。


オオカミは真壁くんへの攻撃を止めて、勇くんに飛びついた。

オオカミは今度は勇くんの首に噛みついた。


「やめてーーー!」

と私は叫んで目を閉じた。



ハッと気がついた。

「ひ・め・の先輩?ここは?」

また繰り返した。


私が目を閉じて叫んだ時に繰り返した。

それがトリガーなのだろうか。

それにこれから起きる出来事に変化が生じた。


もしかしたら、未来を変える事ができる。。。


「姫乃先輩?どうしました?」

考えに夢中になっていた私を勇くんが気遣ってくれる。


「うん。大丈夫だよ」


「真壁せん。。。」

真壁くんに気づいた勇くんが声を漏らした。


「おいっ1年!おまえ俺に何をした!」

「ここはどこだ?早く元の場所にもどせ!」


「そんなこといわれても。。。僕にも何が何だか。。。」


ここだ。ここでオオカミが飛び出してくる。

私は勇くんを突き倒した。

勇くんを突き倒した事で、オオカミの攻撃線状に私が入ってしまう。

オオカミは私の首に噛み付く。


「きゃあぁぁぁぁ」

いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい

私は首を噛まれて、意識が朦朧としてくる。

横たわる私の隣では、私を助けようとした勇くんがオオカミに噛みつかれていた。



ハッと気がついた。

「ひ・め・の先輩?ここは?」

またこの場面に戻った。

首を触る。噛まれていない。でもあの痛みは嘘じゃない。今でも首筋にオオカミの牙がめり込んでいる錯覚に陥る。


「真壁せん。。。」

真壁くんに気づいた勇くんが声を漏らした。


「おいっ1年!おまえ俺に何をした!」

「ここはどこだ?早く元の場所にもどせ!」


「そんなこといわれても。。。僕にも何が何だか。。。」


「何かいるわ。気をつけて!」

と勇くんに声をかけた。

勇くんは私を見て驚いている。

やはり声をかけただけでは状況は変わらない。


「ひめのせんぱ・・・」


「勇くん!よけて!」

と私は叫ぶと同時に勇くんに飛びつき、押し倒した。

私も一緒に倒れる事で、オオカミの攻撃線状から2人とも外れたため、オオカミの攻撃は空を切った。


「えっ?」

勇くんは状況についてきていない。


「グルルルルルゥ」

オオカミは低い声でうめきながら次の攻撃の準備をしている。

何とか初撃を回避する事ができた。

でもこのまま逃げ切れるのだろうか。


「みんな逃げて!!」


皆が呆然と立ち尽くしていたので、私は声をかけた。

みんなハッと我に返り一斉に走り出した。

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