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インテグレイション オブ ワールド  作者: アサム
第五章 双子の巫女
148/190

148、再会

光の柱が立ち上り、その光から緑竜が現れた。

私は黄柱の近くから、緑竜を確認していた。


「おー。おー。でかいねー」


「あんなのでかいだけだろ」

とビナスは言った。

じゃあお前が倒してこいよ!と心の中で思ったが言わないでおいた。


「あれ。ヤバいっすね!」

と真壁が言う。

ヤバいっすってどうやばいって意味なの?

よくわからない発言すんな!と心の中で思ったが、面倒なので言わないでおいた。


黄柱に至っては未だに変化がない。

私たちは暇なのだ。

静観していると、緑竜が何かと戦い出したようだ。


「あのレーザーは当たると死ぬねー」


「れえざぁって奴は知らねぇが。なかなかの威力だな」

とビナスが言う。


「ひぃぃ。あんなのとは戦いたくねえっす」

と真壁が言う。


おそらく戦っているのはサトルっちかな。

サトルっちは攻撃力は高いけど、攻撃範囲は広くない。

あんな馬鹿でかいやつはやり難いだろうなー。

ある程度の大きさは想定したが、あれは想像以上にでかい。


サトルっちとはあんまり関わったことがないけど、お子ちゃまで無邪気な感じが可愛い。

暇だし助けに行ってくるかな。


「ビナス。暇だからサトルっちの加勢にいってくるよー」


「あぁ。俺はめんどいからいかねぇぞ」

と言いながらビナスは寝転がっている。


「いいよ。期待していないから」

と返しておいた。


「ひぃぃ。俺も行きたくないっす」

と真壁が言う。


「いいよ。邪魔だから」

真壁が行っても一瞬で死にそうだ。

真壁を庇いながら戦えるほど、甘い相手ではなさそうだ。

まぁ庇う気は無いけどね。


「じゃあ行ってくるよー」

と言って私は飛び出した。


魔法で空中を進む。

一気に竜までの距離を詰めて、地面に着地した。


「よしっと」

と言いながら私は無事に着地する。

周りを見渡すと、可愛い女の子が2人。


「あれ?サトルっちじゃないの?」

私は戦っていたのがサトルっちじゃ無い事に一瞬戸惑ったが、元から深く考えるタイプでは無い。

どのみち緑竜を倒す事には変わりがないのだ。


「ねぇねぇ。あなた達も緑竜と戦っているのー?よかったら一緒に戦わない?」

と聞いてみた。


「あなたは?」

と真面目そうな女の子が聞いてきた。

当然だ。いきなり飛んできて、一緒に戦おうって言われても私ならお断りだ。


「私は芽衣って言うの。訳あってこの緑竜を倒さないといけないんだ」


「緑竜、、、それって三大厄災の??」

ともうひとりの女の子が聞いてきた。


「よく知ってるねー。その三大厄災の風災 緑竜だよー」


「くーーっ。赤虎の後は緑竜かぁ。僕たちはつくづく運がないね」

と言った。

ん?赤虎??赤虎って勇っちが倒したんじゃなかったっけ?

もしかして、勇っちのお仲間??


「あのーー。お名前は?」

と聞いてみると、


「僕はウィン。どこかで会った事あるかな?」

「私は四宮 杏奈よ」

ウィンーーー!よりによってWか。

しかも、顔見られてるー?

いつ?どこで?

まっ誤魔化せばいいかな。


四宮って子も転移者っぽい名前だな。

あれか!桜ちんと戦った転移者がいるって言っていた。

そのグループかな。


「そっそっかぁ。ウィンちと杏奈っちかー。たぶん2人とも初対面だよー」

私は極力冷静なフリをしながら答えた。

でも考え用によってはラッキーだ。

緑竜は思っていた以上に手強そうだ。

Wの力が借りれるのはありがたい。


「じゃあ共闘よろしくねー」

と私は相手の回答を聞かずに話を進めた。


早速、私は空中に浮かぶと、

「アイスランス」

と魔法を唱えた。

私の周辺に100本以上の氷の槍が現れて、緑竜目掛けて飛んでいく。


「おぉー!」

とWが驚きの声を上げた。


氷の槍は次々と緑竜に突き刺さる。

的は大きいので、適当に放っても当たる。


「グォォォォォ」

と緑竜は雄叫びを上げるが、あまり効いた感じじゃない。


「あんだけでかいと、こんなんじゃ効かないよねー」


「仕方がない。かなり魔力を消費するけどやるかな」

私は地面に着地すると、Wに言った。

「悪いけど、ちょっち魔力を溜めたいんだ。その間、時間を稼いでくれるかな?」


「OK。任せてよ」

「わかったわ」


と2人が答えると、

「跳躍」

「グラビティ」

とそれぞれ発声して、緑竜に向かって飛んでいった。


「おっ。Wは当然として、杏奈っちもなかなかやるねー」

と言った後に、私は魔力を溜めた。


Wと杏奈っちは緑竜に付かず離れず、一定の距離を保って牽制していた。

緑竜の注意は2人に向かい、私には見向きもしない。

2人が合間をおかずに、攻撃を仕掛けてくるので、緑竜も大技が出せないでいた。


うまいな。

戦い慣れている。

組織の中でもこれくらい動けるのは幹部くらいだ。

2人のおかげでそれほど時間をかけずに必要な魔力は溜まった。


私は空中に浮かんで、W達のところに行く。

「時間稼ぎありがとー。大技出すから、後ろに下がってー」

と言うと、速やかに2人は後方に引いた。


緑竜は残った私を凝視する。

そんなに見つめられても照れるな。


「じゃあいっくよー」

私は魔法を唱える。


「アケローン!」


すると空間に複数の線が入った。

その線は緑竜の体を通っている。

私は魔法で空間に切れ目を入れたのだ。


「あの魔法やばいよ。あんな魔法が使えるなんて何者?」

と言っているWの声が聞こえる。


この魔法はここからが本番だ。

私は溜め込んだ魔力を解放しながら唱えた。


「断!」


すると切れ目の入った空間がずれて、同じように緑竜の体もずれた。

ずれた空間はすぐに元に戻るが、一度ずれた緑竜のからだは繋がらない。

緑竜の体は十数個に分かれて、血液を撒き散らしながら地面に落ちていった。

緑竜は、何が起きたのかわかっていないだろう。

死んだことすらわかっていないのかもしれない。


私はスタッと地面に降りた。

肉塊となった緑竜がドシン、ドシンと次々に地面に落ちてきた。


「すごい、、、」

と杏奈っちが言った。


「芽衣さん。何者?あんなすごい魔法を使えるなんて」

とウィンが言った。


「へへへー。すごいでしょー」

と言ってとりあえずごまかす私。


問い詰められる前にさっさと撤収するかなと思っていると、緑竜の肉塊が緑色の光に包まれた。


「あれ?」

倒せてない?

あれで?


緑竜の肉塊は動き始めてくっつき始めた。

あっという間に、元通りの形になりさっきまでと同じように宙に浮かんだ。


「まじかー」


緑竜は息を吸い込む。


「光線がくるよ!」

杏奈っちが言う。

あの光線か。当たったらやばいな。

と思った時に体が勝手に宙に浮いた。


緑竜が光線を放った。


「グラビティ」


3人とも勢いよく上空に飛ぶ。


光線が地面を溶かす。


「杏奈っちサンキュー」


緑竜は翼を羽ばたかせて、上空に逃れた私たちに向かって突っ込んでくる。

杏奈っちの能力が止まり、落下することで緑竜をかわした。

しかし、緑竜も急降下してきて巨大な足で踏み潰そうとしてくる。


私は後ろにジャンプして交わした。

緑竜は私のいなくなっなった空間を巨大な足で押し潰した。

ドシン!!

大地が激しく揺れる。


「おっとっと」

私は大地の揺れにバランスを崩した。


「芽衣さん!あぶない!」

杏奈っちの声が聞こえた。

すぐに体勢を立て直したが、気づいた時には緑竜の右手が目の前に迫ってきていた。

手には独特の鋭い爪があり、これで斬り裂かれたら致命傷だ。


「やばっ!」

そう思いある程度のダメージを覚悟した。


その時、迫ってきた竜の腕が何者かに斬り飛ばされた。


「芽衣!大丈夫か?」

それは、再会を何度も夢見た勇っちだった。

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