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わんこ戦記 ~ ボクをバカ犬と呼ばないで  作者: Roxie
エンドポイント編、あるいはリリッキーとポッチーノの章
18/30

意外な出会いがありました。

「まあ、座れって。暇潰しに奢ってやるよ」

「うん。ありがとう」

 リリッキーに言われるままに、ポッチーノはその隣の椅子へちょこんと腰かけた。

 同時に、店員が一階から厚切りのベーコンを持ってくる。どう見ても、さっきポッチーノが頼んだ物より美味しそうだ。この店では、客より店長の方が良いものを食べられるらしい。

「それにしても、驚いたなぁ。シャイロック商会って、色んなことやってるんだね」

 と、ポッチーノが言うと、リリッキーはかぶりを振って

「違う違う。ここはアタシの店だ、シャイロック商会とは関係ないっての」

「ん? どう違うの?」

「じゃあ、おまえの家にある机や毛布はハウス・ポスタルの物なの?」

「ううん。あれはボクのだよ」

「それと同じよ。この店はシャイロック商会の物じゃない。アタシが自分の金で買った、アタシの店だ」

 リリッキーは自慢げに語る。これにポッチーノはますます驚いてしまった。

 店で何かを買うというのは日常茶飯事だが、店そのものを買うなんて聞いたことがない。

 そんなポッチーノを傍目に、リリッキーは蛙が封入された酒瓶から麦の蒸留酒をグラスに注いで、それを一気に仰いだ。

「ここは昔、チンピラの溜まり場でさ。アタシが買い上げ、賭場に改装してやったんだ。ま、ちょっとした副業ってところって感じかな」

「君、けっこうスケールが大きいんだね」

「まあね。アタシはご主人様と離反する気はないが、あっちがクビだって言えばそれまでだ。でもこういう副業があれば、いざってときに食いっぱぐれなくて済む。ま、運営コストを考えても持ってて損はない手札かな」

「ふーん」

 ポッチーノの頭では、到底ついていけない話だった。

 そんな中でも下の階では、

「5・5の10でアップだ!」

 と、ギャンブルが着々と行われている。ミケローはまだ続けており、わずかながら勝ったようだ。

「ポチ、あのカス猫に連れてこられたんしょ? 昨日、あんなことがあったから、今晩か明日かにはおまえらがここへ来るような気がしてたよ」

 リリッキーは全てお見通しと言わんばかりの口調で述べた。

「そっか。だからリリッキー、ミケのこと、どこかで見たことあるって昨日言ってたんだね。こういう繋がりがあったのか」

「そういうこと。でもポチ、悪いことは言わないから、もう少しつるむ相手は選べよ。言ったじゃん、あいつはクズだって。ポチもあれ見れば分かるっしょ」

 とリリッキーは賭場のテーブルを見下す。

「人生の成功ってのは与えられるものじゃない、牙をむいて勝ち取るものだ。あいつらはそこを分かってない。アタシがサイコロの気まぐれで与えてやる金を、自分の実力で勝ち取ったものだと勘違いしてやがる。結局はアタシの手の上で踊らされてるカモだって分かってないんだから、お笑いだよ」

「ねえ、リリッキー。本当にそう思ってるなら、賭け事なんてやめさせてよ。君がこの店のボスなら、そのくらいできるでしょ?」

 ポッチーノは、賭けに財産を費やしていく人たちを見ながら言った。しかしリリッキーはニッと笑って

「アタシはただ、そういう場を提供してやってるだけだって。金貸しもそうだけど、普通は両者合意の上でのビジネスだ。それでバカがどれだけ困ろうと、アタシの知ったことじゃないっての」

「でも昨日、ボクとミケが困ってたとき、助けてくれたよね」

「ん? ……ああ、昨日のことね。いや、あれは流石に焦ったわ」

 とリリッキー、酒の勢いで大笑い。

 今思えば、かなり乱暴な貸し方だった。何せ債務者との契約書どころか同意すら得ず、金だけ相手へ渡してしまったのだから。

 あれは私的にやった融資だったが、もしシャイロック商会の事業としてやっていたら、内規抵触につき減給ものだっただろう。

 その辺も踏まえて、リリッキーはすぐピンと来た。ポチの奴、昨日の貸し付けが強引だったことに不満を持っているのだろう、と。まあ、それは一理ある。

「確かにね。昨日のはアタシらしくないアンフェアなやり方だったよ。だから一応、『無担保・無期限』って言ったけど、最悪返してくれなくても──」

「え? いや、それはお賃金をもらったらちゃんと返すよ。借り物だもの」

 ポッチーノの方が、なんだかきょとんとしている。

「じゃあ何が言いたいんだよ、ポチ」

「ボクはただリリッキーに、ボクたちにしてくれたような手助けを他の人たちにもしてあげてほしいなって」

「ナイスジョーク。──アタシは他人の不幸を食い物にして、ここまでのしあがったんだ。無償の手助けなんてあり得ないっての。あのクズ猫だって、勝手に助かっただけ」

 ケラケラ笑うリリッキー。ポッチーノは、少し残念そうな口調で切り出した。

「ねえ、リリッキー。ボク、君のことは嫌いになりたくないけど、君のそういうところだけは、好きになれないよ」

「うん。それで良いんだよ、おまえは」

 機嫌を損ねるかと思いきや、リリッキーはむしろ嬉しそうに、

「アタシの周りって、気の休まらない商売敵と甲斐性のないイエスマンばかりでさ。で、人生のどん底を知らない楽園じみた連中が、綺麗ごとを吐きながらアタシを蔑んだ目で見ていくんだよ」

 と、ポッチーノを親し気な目で見た。

「どれでもないのはポチ、おまえだけ。敵でもイエスマンでもない、人生のどん底を知らないわけでもない。そういう奴に会ったのは初めてだからさ、気に入ってるんだ。だからおまえは、そのままでいいよ」

 そう言ってにっこり笑うリリッキー。

 その様子だけは残忍な金貸しとは無縁の、年頃の少女のようだったが、次の瞬間。

「だからこそ、アタシはアタシのやり方でやらせてもらう」

 と席を立ちあがる。もう、顔は獲物を狩る直前の大蛇のような恐ろしい顔つきだった。

 彼女は既に、階下を見据えていた。ちょうど今、賭場の端に座っていた男が力なく立ち上がったのだ。

 新しい敗者の発生を見逃さなかったリリッキーは、

「悪い、ポチ。ビジネスの時間だ」

 と言い残して、呆気にとられたポッチーノを言う置いて階段を駆け下り、その博打に敗れた男の肩を叩く。

「旦那、見てたよ。惜しかったじゃん」

「なんだよ、おまえ。冷やかしなら他所を当たってくれ」

「キシシシッ、自己紹介が遅れたね。実はアタシ、ここの店のボスでさ。あんたくらいの常連さんに何度も損させるのは、店のためにも良くないと思ってさ」

 とリリッキーは懐から銀貨の入った袋を取り出す。

「きっちり100枚、入ってる。これ、あんたに貸すよ。常連さんだけへの特別サービスでさ、これで逆転勝利した奴もけっこういるんだ」

「それ、俺に貸してくれるのか? そいつはありがてえ」

 男の目の色が変わる。まだ博打の熱が冷めきっていないのだ。

「勿論。まあ、借用書へのサインくらいはしてもらうけどさ。今日のうちに返してくれるなら、利子は特別サービスするよ。なに、勝てば何の問題もない。あんたならできるって」

「分かってる。まどろっこしいのは良いから、早くしてくれよ。ツキが逃げちまう」

「んじゃ、ここにサインだけもらうよ。あ、勝てば問題ない枝葉末節が色々書いてあるんだけど、どこか気になるところある?」

 とリリッキーが言いながら契約書と鉛筆を近場の机に置く。男はもう彼女の言葉なんか聞こえていないようで、飛びつくようにサインした。

「これで良いんだろ?」

「ええ。じゃ、これがその金だ。こいつでガッポリ勝ったら、これからもうちの店のこと、頼むよ」

「どうも。これで、これまでの負け、全部取り返してやる」

 男は意気揚々と賭場のテーブルへ戻った。

 一方でリリッキーは、男が背を向けた途端にニンマリ笑い、その契約書を持って店の奥へと消えてしまう。

 これこそが、シャイロック商会・本店窓口店長のリリッキーが自腹で酒場を構えてまで博打を開いている最大の理由だった。

 博打に負けた客にシャイロック商会として融資を持ちかけ、ギャンブル熱でまともな思考ができないうちに契約を結んでしまう。

 そして債務者となった客が再び負ければ、いよいよ正体を現して返済を強要するのだ。焦げつけば勿論、手首の切断である。

 リリッキーとしても、シャイロックの金を合法的に自分の懐へ入れられるので、実に美味しい話だ。シャイロックにとっても、手元に債権が残るので問題はない。

 しかし

「リリッキー……。また、そんなことして……」

 とポッチーノはつぶやいた。

 やはり優しいポッチーノとしては、友達には他人を不幸へ誘う商売はしてほしくないのだが。

 何とかして止めさせる方法はないものだろうか、とぼんやり思いながら1階に降りて

「ねえ、ミケ。もう良いでしょ? そろそろ帰ろうよ」

「兄貴! 今、たった今、ようやく運が向いてきたとこなんです! どうか邪魔しないでくだせい!」

 ミケローはすっかりサイコロの目に夢中で、椅子にしがみついてでも離れないだろう。

 ここはまるで地獄みたいだ、とポッチーノは力なく近くの椅子に座った。無力感ばかりが残る。

 すると、

「元気ないな、ワンちゃん。あんたも散財しちゃったクチかい?」

 隣に座っていた少年が、ジョッキ1杯の麦酒をポッチーノの前へ置いてくれた。

「ま、それ飲んで忘れちゃえよ。俺の奢りだ」

「え? あ、ありがとう。でもゴメンね、ボク、お酒はダメなんだ」

 ポッチーノは好意を無にして申しわけないという気持ちで、少年におずおずとした口調で答える。

 それにしてもこの小柄な少年、どこかで見た顔だ。すぐに思い出せれば良いのだが、そんなことをポッチーノの頭へ期待してはいけない。

「ハハハッ、それは悪かったね。──あ、そこのおっさん。これで足りる中で一番美味い肉を持ってきてよ」

 とその少年は、さっきポッチーノへ焦げ肉を持ってきた店員に金貨1枚を渡し

「で、あんたはこれで美味いもの食ってね」

 もう1枚金貨を握らせる。

 ほどなくして出てきたソーセージは、なかなか美味しそうだった。

 このときポッチーノは初めて、このような店におけるチップの大切さを学んだのであった。

「ありがとう。でも、本当に良いの?」

「ああ。俺は博打に挑む前に、隣の客に酒を奢ることにしてるんだ。その方が、ダイスの天使が俺に微笑んでくれる気がして」

 と、その少年は気さくに笑う。

 こんな良心的な人も博打をする気なのか、と思うとポッチーノの心がしゅんと痛んだ。

 それにしても、やっぱりこの少年とはどこかで会った気がする。ポッチーノはソーセージを食べながら、

「ねえ、ボクたち、前にもどこかで会ったことあったっけ」

「んー? 俺はあんたのことなんか知らないよ? もしかしたら、俺が忘れてるだけかもしれないけどさ。どこで会ったか覚えてる?」

「うーん。ボク、物覚えが苦手だからなぁ。会ったことがあるような気がするだけなんだ」

「ハハハッ、あんた素面でそんな調子なの? 面白いね。俺、今日はたまたまこっちに来ただけで普段はロックゾーラにいるんだけど、あんたもその辺出身?」

 少年は笑いながらポッチーノに尋ねた。

 ロックゾーラという地名をポッチーノは聞いたことがなかったが、そのとき。

「何ぃ? 要塞港ロックゾーラだってぇ?」

 と呂律の回らない口調で、ポッチーノのもう片方の隣に座っていた初老の酔っ払いが絡んできた。

「小僧。俺は昔、ロックゾーラで一番の豪傑だって言われていたんだぜぇ?」

「へえ! 何かの記念だ、あんたにこの酒を奢ってやるよ」

 少年はポッチーノにあげるはずだった麦酒を、その酔っ払いへ渡した。

「ねえ、ロックゾーラってどこにあるの?」

 ポッチーノが尋ねると、機嫌を良くした酔っ払い、急に舌の回転が良くなって

「そんなことも知らねえのか? この国の隣、大ネオリカ帝国にある港町だよ」

 と、興奮で頬を赤くさせながらベラベラ喋りだす。

「おまえたち若い奴らは知らねえと思うが、ロックゾーラには昔、人食い鬼人ゴライアスってのがいたんだぜ? 満月の夜に海からやってきて、若い女を一晩に十人も食って朝に海へ帰っていくんだ」

「それ、本当の話!?」

 ポッチーノが驚く。鬼人という存在のことは、ポッチーノでも聞いたことがある。

 亜人には色々な種類がおり、それぞれの性質も社会的立場も全く違う。獣人は奴隷として、蛇人は邪悪な駆除対象として見られていたが、その点で鬼人というものは数こそ少ないものの「歩く災害」と恐れられていた。

 ひとたび現れれば何日にもわたって嵐のように暴れまわり、腹がすけば人間を次々と食っていく。そんな凶悪な存在という伝承はいくつもある。

 何せ、蛇人という物を知らなかったポッチーノですら、鬼人のことは知っていたくらいだ。

 そのゴライアスとかいう鬼人に攫われる自分の姿を思い浮かべてポッチーノは震え上がったが、

「ハハハッ、あんたも古いねえ!」

 少年は酔っ払いの話を笑い飛ばした。

「人食い鬼人ゴライアスなんて、今じゃあ御伽噺レベルの代物だ。今は“コンパニア=ルポ”の時代だよ」

「何だその、コン何とかってのは」

 急に酔っ払いが怪訝な顔をする。

「コンパニア=ルポ。この数年で一気に力を伸ばしてきたビッグウェーブな総合商社だ。あのシップマン海運だって、もう数年で呑みこまれちまうだろうさ」

「んなことあるか。シップマン海運ってのは、昔、俺が船乗りをしていたところなんだぜ。あそこが潰れるなんて、未来永劫ありえねえよ!」

 今度は酔っ払いが少年を笑い飛ばす番だった。

 少年は何も言わずにニコニコしていたが、シップマン海運という言葉がポッチーノの頭に引っかかった。

 この少年の顔、シップマン海運。何か結び付きそうだが……

「あ、酒がなくなっちまった。おい、小僧。もう1杯くれよ」

「博打は欲張りから負けていくもんだぜ? 今の幸運を感謝しろよ、おっちゃん」

「ちぇっ、湿気ってやがるぜ」

 酔っ払い、これ以上酒がもらえないと知ると、席を立って店を出て行ってしまった。

 が、ポッチーノの頭が冴えたのはまさにそれと同時だった。

「思い出した! ねえ、君の名前ってひょっとして、ガンマ・シップマン?」

 そう。キャピタル・ヘリストンのンディーヤの家にあった肖像画。そこに描かれていた5人の少年少女の1人、ガンマ・シップマンにこの少年はそっくりだった。

「お? よく知ってるね。でも惜しいな、結婚したときに改姓したんだ。今はガンマ・バブルヘッドって名前でね。よろしく頼むよ、ワンちゃん」

「へえ。お嫁さん、いるんだ」

 ポッチーノは真っ先にそこへ感心してしまった。──Cも見習えば良いのに。

「ボク、Cの友達なんだ。君のこと、ンディーヤの家の肖像画で見たんだった」

「ははーん、なるほど。それじゃあ“実物の俺”があんたのことを知らないはずだ」

 と少年が笑う。

「じゃあ、Cが言ってた“犬っころ”というのはあんたのことか。なるほどねぇ」

「ねえ、ボクの友達になってもらっていい? 今度はちゃんと、名前覚えておくよ」

「良いよ。今度、ロックゾーラに来ることがあったら、あんたのこと、嫁さんと一緒に歓迎してやるよ」

「やった! ありがとう」

 と礼を言ったそのとき、ポッチーノの頭に良いアイディアが閃いた。

 今朝、買った手帳を『トモダチ忘備録』にするのだ。これなら、行き先で会えた素敵な人たちのことをすぐ思い出せる。

 あの肖像画の中で唯一会っていない少女、リオネット・ロズ・グランドルフにも会えたとき、その名前がピンと出てこないと困るし。

「さて、俺はそろそろ、ひと勝負してくるよ。じゃあな、ワンちゃん」

 とガンマが席を立とうとしたとき

「待って」

 ポッチーノが呼び止めた。

「そんなお金があるなら、お嫁さんにお土産でも買っていってあげたら? 賭けごとなんかに使っちゃうの、勿体ないよ」

「んー? ……ハハハッ、まいったなぁ。何も言い返せないや。俺ってばやっぱり、ロックゾーラ一の愛妻家なんだよなぁ」

 とガンマは気持ち良いくらい大笑い。

「本当はここに来るたび、運試しとしてここの博打を楽しみにしているんだけど。ま、今日はあんたの忠言を採用してみるよ」

 そう言ってガンマは、博打台に背を向ける。

「もう行くの?」

「まあね。あんた、本当に面白い奴だね。またそのうち、どこかで会おうぜ、ポッチーノ・ワンコロフ」

「え? ボクのこと知ってるの?」

 まだ名前を名乗っていなかったのにピタリと言い当てられて、ポッチーノは反射的に尋ねた。

 しかしガンマは何も言わず、満足そうに微笑みながら酒場を後にしてしまう。

 ──もしかして、Cがボクのことをガンマに教えたのかなぁ。

 なんて思いながら、ポッチーノが呆然としていると、

「兄貴……」

 ミケローが、すっかり燃え尽きたような顔でやってきた。それでポッチーノの頭は、急にガンマのことから目の前のことへシフトする。

「すんません。結局、ダメでした。1枚残らず、巻き上げられちまって」

「それで良かったんだよ、ミケ」

 ポッチーノは言ってやった。

 またやり直せるなら、こんなところで負けたくらい、何ということはない。

「明日から、真面目に働こう。ミケはそのケガが治ってからで良いからさ」

「しかし、どうせならここで一気に──」

「良いから。確実なことが1番だって」

「へ、へい。兄貴がそこまでおっしゃるなら……」

 ミケローはまだ腑に落ちない様子だったが、それでもポッチーノは満足だった。

 明日からハウス・ポスタルの配達員として各地を巡る旅が始まる! とっても素晴らしいことだ! 汗の結晶、お賃金!

「ミケ。ボク、明日から行かなきゃいけないところがあるんだ」

「兄貴! アッシは、どこへだろうと兄貴についていきますぜ!」

「ありがとう」

 と、2人の獣人は酒場を出て、夜の街へ飛び出した。

 乾燥した夜の風はとても澄んでいて、酒場の淀み濁った空気との違いにポッチーノは感動した。

 ──早く明日が来れば良いのにな!

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