転移
…ここは、…どこだ?
目の霞を掻き消し周囲を確認する、
周囲は草が生えており、遠くには森が見える
ここは…草原だろうか?
何故俺は…草原に…、
駄目だ、考えがよく纏まらない、
今の現状がよくわからない、
確か俺は家に居て、ゴロゴロしていたはず、
………?、俺の家はどこだ?
大まかな情報しかわからない、
俺の名前もよく思い出す事が出来ない…。
とにかく俺が誰か分かる物が落ちていないかと、周囲を見回す。
すると少し汚れたダンボールが置いてある事に気づいた
開けてみると中からは、妙な本と小さな袋が
入っていた。
とにかく何か情報が知りたい俺はその本のページをめくる
材質は普通のノートなどに近かった、
…………なんだ…白紙かよ…
何も情報の乗っていない本を見て落胆する、
《クエスト達成》
俺はその突然出てきた機械音にも近い音を聞き
軽いパニックを起こした、
誰だ、と振り向くが誰もいない、
そもそも音声に気を取られていたが、クエスト達成とはどういう意味だ?、
そう呆気に取られていると少し本に熱を感じた、
見てみると字が浮き上がってくる、
それに驚き本を落としてしまった
マズいッ!、そう思い慌てて本を手に取る
俺が手に取る時にはもう字は一通り
書き終わったようだ、
そこにはこう書かれている、
《クエスト 本を手に取る を達成
報酬 自ステータス観覧、マジックポーチ》
ここに書いてある事の半分も理解出来ないが
少なくともこのクエストの達成法が
このよくわからん本を手に取る事と言うことは分かった、
恐らくこの小さい袋がマジックポーチなのだろう、
そして自ステータス観覧と言うのが報酬で
あったが…、
とにかくページをさらにめくる、
するとこの世界の情報が載っている。
都市や町、村や帝国など、様々な国がある。
それもこの世界はかなり広い、
古代のパンギアのようだ、
これでも4個の大陸の一つなのだと言うから
すべてを歩くと考えると気が遠くなる。
その上この世界には魔物が居る。
一晩で帝都を壊し尽くす魔物から
人畜無害な魔物まで、
様々な魔物が居るそうだ、
そう考えると今俺が居る場所も既に危険かもしれない、
とりあえず、最も近い街である、ヴィアル王国と言う場所に行ってみよう、