友達を作りたい。
俺は学校に着きすぐに集合場所へ。そこにはすでに十数人の新入生と思われる生徒がいた。
担任に呼ばれ指定された場所に整列した。どうやら数人が俺を見てヒソヒソ何か話をしているようだ。ちょっと気味が悪い。
「ごめんなぁ、田舎者で都会っ子見たら皆注目するからなぁ~。」
困惑してたところに隣に座っている男子に声をかけられた。
「そうなのか?俺ここに来たばっかだから全然わからないんだ。」
いきなり声をかけられしどろもどろながら返答をした。
「道理で入試で見なかったわけだぁ。俺は大岩憲太。よろしくなぁ。」
穏やかな口調で自己紹介をされた。
その後会話をしていると周囲から段々会話に介入してきて知らない間に5,6人で喋っていた。
その会話の内容から分かったことはこの高校はとても人数が少ないらしくほとんどが顔見知りらしい。俺たちの学年は27人だそう。いや俺を含めたら28人か。そのうち20人程度が同じ中学だそうで肩身がとても狭い。残りの5人程度も同じ中学のケースがほとんどらしい。
そうこうしているうちに入学式が始まった。校長先生の長い話を覚悟していたがあっさりかつユーモア溢れるスピーチだった。中学の校長が見習ってほしいものである。
その後ホームルームがあり自己紹介をすることになった。名前と出身中学と一言を添えて言う簡素なものだった。出身中学について何と言おうと思ったが大岩をはじめ数人には知られていることだし東京都もつけて言うことにした。
「橋栗栄斗。東京にある多摩西中学出身です。ここに越してきて間もないので仲良くしてください。」
クラス中がざわめいた。やはり言わないほうが良かったか。
その後質問攻めに会ってしまった。自己紹介でもう一人他県の中学から来た子がいるみたいなのでその子とも仲良くしたい。
ホームルームが終わり午後は部活動見学の時間。
基本的に帰宅部は許されずコンビニもないのでアルバイトという概念がほぼ無いので見学することにした。
どこを見に行くか迷ったが大岩の誘いで野球部に見学をした。
その後数日間いろんな部活を見て回ったがしっくりこず大岩の誘いもあり野球部に入ることにした。