プロローグ
高校生活は最悪の門出になった。
俺は都会で生まれ育ち中学生まで過ごした。
中学は文化部だったがそこそこ楽しかったし地区大会を突破して県大会まで行ったし程々に楽しい中学生活を送って卒業できた。
高校も地域でそこそこの学校に合格し高校生活も頑張るぞ。と思った矢先の3月中旬。
両親の海外赴任が決定してしまった。
まだひよっ子の俺に一人暮らしは不可能だと判断され、猛反対も空しく、田舎の祖父母の家に居候することになってしまった。
突然の引っ越しに俺は戸惑いを隠しきれなかった。中学校の先生も戸惑いを隠しきれない様子で話を聞かれた。入学予定だった高校に頭を下げに行き入学辞退。なんとか田舎の祖父母の家から通える高校に入学できることにはなったものの歩いていける範囲でなけりゃ電車も通っていない。バスも昼間しか通っていないので従って自転車通学になる。
4月になって祖父母の家に引っ越した。祖父母は優しく俺を迎えてくれた。部屋は父や父の兄弟が昔使っていた部屋をわざわざクリーニングしてもらっていた。いきなりの出来事だったのに感謝をするしかない。さらには自転車もすごくいい自転車を買ってくれた。
入学式の前日。俺は祖父母とバスで高校へ行った。バスが1日2往復しか走っていないことに驚いたしバスに乗っていた20分弱の時間で車は1台もすれ違わなかった。
いきなりの入学ながら高校側は快く入学説明を行ってくださった。
そして入学式。朝8時に家を出てまだ慣れない自転車に乗ること1時間弱。高校へと着いた。
高校生活が始まる。