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魔法を習得………あれ?おかしいなぁ:7

すいません、投稿するやつ間違えてました。

「え?私?いや普通にクラスメイトの矢作(やはぎ)梨生奈(りおな)だけど?」


私がこの子何物なんだろう、と思った次の瞬間目の前の女の子はあっさりと正体を現した。

ところで梨生奈って誰だっけ………

そんなことを思いつつ、とりあえず話を合わせてなんとかこの場を乗り切ろうと適当なことを言ってみる。


「あー、そだねー………久しぶり?」

「………(疑いの目)」

「あ、いやちゃんと覚えてるからね!?多分きっともしかしたら!」


だけど梨生奈ちゃんをいい感じに騙そうとしても、その嘘はあっさりと見破られてしまう。

チクショウ、この子はさとり妖怪だとでもいうのか。

こうなったら精霊王に魔法を使わせて適当に誤魔化すしかないね………精霊王、とりあえず昔のことを思い出せる魔法とかよろしく頼むんだよ。


『無理でーす。他人の魂に干渉するタイプの魔法って意外と大変なんですよ?え?宿主サマって意外と私の苦労を分かっていらっしゃらない?』


消えるのと比べりゃ大変なことくらいなんてことないよね。

いやまぁ本当に難しいなら大丈夫なんだけど。

お前ほどの名前負けは他に居ないって言って回るだけだから安心してよ。


『だけとか言いつつ意外と酷いな………分かった、んじゃしばらく待っててよ。今から記憶を少しずつ戻るようにしてあげるるよ………【ブロウシング・ソウルパスト】!』


………よし、精霊王を上手く載せて魔法を使わせることに成功したよ。

これでこの梨生奈ちゃんと私がどんな関係だったかが分かる筈さ………これも策略の内、なんつって。

私に策略なんてものが出来るわけがないから策略の内なんて言葉に意味はないのだけれども。

そんなことを考えつつ、梨生奈ちゃんの顔をじーっと見つめて普通に記憶が蘇ったりしないかなーなんて期待してみる。

ダメだった。まったく蘇らない。チクショウめ。


「かずのん、あえて言わせてもらいたいことがあるんだけど」


そんなとき、梨生奈ちゃんは私のお腹のあたりを見てそんなことを言ってきた。

うぇい?一体何かあるとでも………

そう思って自分のお腹の付近に視線を向けてみる。

そこには白い毛玉があった。

それは獣と言うにはあまりにも愛らしく、しかし愛玩動物と言うにはあまりに気高い。

その名はゴンザレス。見た目のかわいらしさと相反する(かもしれない)名前を持ち、先ほど私の猛攻から逃れ続けたうさぎである。

どうやら私は無意識にこのゴンザレスをとっ捕まえてモフりまくっていたみたいだ。

いや、自分で意識していてもモフモフするんだけどね?

うさぎ可愛いです。


「なんで気付いたらゴンザレスを捕まえてモフモフしてるのか謎しかないよ!?」


梨生奈ちゃん的にはちょっと謎みたいだけど、まぁこれもあれも大抵は勝城のせいだと思って納得すれば良いんだよ。

説明したら余計に混乱を招きそうだからあえて説明しない方が良いと私の第六感も言ってるし、とりあえずそんなもんかと考えて納得してくれるのを待つとしよう。

なぁに、時間を潰す手段は今私の手元でおとなしくしているんだ、何一つ待つことに問題は無いのさ。

………さぁゴンザレス、私にきみの全てをモフモフさせておくれよ!(意味不明)


「いや、説明とかないの?私を混乱させるだけ混乱させて放置とか、もしかして転生してサドに目覚めちゃったりしたの!?」

「いやそれはありえないかな。私はいつだってノーマルだよ?ちょっと隠し事はいくつかあるけどね」

「酷い!酷いよかずのん!私とかずのんは前世で将来を誓い合った仲だったのに!隠し事なんてひどいよ!」


梨生奈ちゃんはなんだかもうテンパってるけど、まぁこれでも多分もしかしたら自分で納得してくれるかもしれないので、その可能性にかけてみる。

というか正直なところ、単純に説明がめんどくさいとか、なんだか頭がボーっとしてきて考えるのがめんどくさいとか、あといつもテンパってばかりいたからか自分以外の人がテンパっているのを見るのがちょっと楽しいとかの理由が大半なんだけどね。

そんなことを考えていると、不意に精霊王が脳内で話しかけてきた。


『はいはーい、頭がボーっとしてるとかちょっと気ぃ抜きすぎじゃね?あえて言うならそれは単純に魔法の副作用だから、記憶の混在でうっかり幼児退行とかしたくなかったらちゃんと気を強く持とうねー』


………どうやら頭がボーっとしているのは精霊王が使ったブレッシング・パスタとかいう魔法のせいみたいだ。

しかも副作用で幼児退行する可能性もあるとか、なんで使ったんだよバカぁ!


『無理矢理使わせた人に言われてもちょっと説得力がないなぁ、てかブレッシングパスタってなんだよどんなパスタだよ』


それは言わないでおいてね?あえて無視してみたんだから。

いいじゃない過去の過ちから目を逸らしても。

賢い人は過去の過ちを受け入れるけど、私はバカだからあえて目を逸らすんだよ!

………あとブレッシングパスタは………多分ドレッシングパスタの親戚じゃないかな?見たことも聞いたこともないし食べたいなんて一度も思ったことないけど。


『それ完全に今考えたよね………てか、過去の過ちから目を逸らすってんなら宿主サマの前世は九割が過ちによって構成されてるね』


なんだよ精霊王、不意打ちでdisるんじゃないよ。殴るぞ。

それにいくら私でもそこまで過ちだらけじゃないからね、大体そこまで過ちだらけだったら普通に首吊っててもおかしくないって、私のメンタルの強さ的にさ。


『別に事実を言ったまでですがぁ?実際のところ宿主サマの記憶の九割は自ら望んで封印をかけられたっぽい痕跡があったからね』


………いや待て、|自ら望んで封印をかけられた《・・・・・・・・・・・・・》だって?てことはもしかして死ぬ日から逆算して大体3、4年前のだったりしないよね?ね?

まずいまずいまずい、多分それは私の誰にも知られちゃならない黒歴史!勝城が『催眠術の実験台にしてやんよ』とかタイミングよく言ってくれたから願ったりかなったりだと思って思いだせないようにしてもらったやつだ!


「っ、それだけはダメだぁっ!」

「かずのん!?」


私はあふれだす焦燥と、ここであの記憶を思い出して悶え始め、梨生奈ちゃんが『あぁ………(察し)』みたいことを言うなんて状況があってはならないという危機感から思わず叫んでしまった。

ヤバい、ヤバいよ。これじゃ私は突然叫び出す可哀想な子だ!なんてこった事態をどうにかしようとして反射的にしてしまったことが裏目に出るなんて。

どうするんだよ私、もう叫んでしまった事実は消えないし、この流れだと確実に思い出したくもない黒歴史も思い出しちゃうよ。

えぇい、背に腹は代えられない。精霊王!お願いだから今すぐに魔法を止めるんだハリー!ナウ!即座に!

じゃないと私の精神が再起不能なまでに落ち込んじゃう!


『無理だ!もう魂に干渉するプロセスまで入っちゃってるから本人以外には止めようがない!』


じゃあ私が止める方法を教えてよ!私になら停止させることが出来るんでしょ!


『自分で魔法を使ったこともない宿主サマに出来るわけがないじゃないか!』


精霊王の言っていることは至極もっともだが、今は緊急事態なんだ。あの黒歴史だけは死んでも思い出すわけにはいかない。

何を思い出せなくなっているのかすら分からないけれど、とにかく思い出しちゃいけないことだけは分かるよ。

だから何に代えても思い出すわけにはいかないんだ!

というかもし思い出したら死ぬかもしれないから早く!


『それほど思い出しちゃいけない記憶ってなんなの?………ま、私としても宿主サマに死なれたら困るからね。仕方ないけど教えてあげるよ』

「よっしゃあ!」

「いや本当にどうしたのさかずのん!」


よし、精霊王からやり方を聞き出すことに成功した。

なんか梨生奈ちゃんからどうかしちゃった人を見る目で見られているけれど、まぁ気にしない。

だって今大事なのは、あくまで魔法を止めることであり梨生奈ちゃんにどう思われてるかなんてことは二の次なんだからね。いや、二の次ってのがどういう意味かは忘れたけど。

まぁ別にいいか。


『いいかい、一度しか言わないからちゃんと覚えてよ?まぁこっそり詠唱するだけで良いから宿主サマの足りない頭でも大丈夫だと思うけど………【終えよ歪理(ことわり)、魔を戒め、あるべき姿を戻せ】だ。いいね?』

「【終えよ歪理(ことわり)、魔を戒め、あるべき姿を取り戻せ】?」


そして、私は一旦頭を空っぽにしてから精霊王が言った呪文を復唱した。

よし、これで魔法的にぴかっとなってパーッとして記憶が戻ることは無くなるはず………あっ、えっ、ちょっ!?なんだか頭がぐわんぐわんして………

しかし、記憶が戻らなくなることを期待した私は、予想外なことに呪文を唱えた直後激しい頭痛に襲われた。

頭を抱え、うずくまる。

でもそれで痛みが消えたりするわけではないが、まぁ気分的にはまだマシだし、それに立っているよりもうずくまっていた方が気を失った時に頭を打ちにくいから安全………なはずだ。


それに意識がちょっと朦朧としてきたし、この選択はきっと間違っていないだろう。

梨生奈ちゃんは私の突然の奇行にかなり驚いているようではあるけれどね。

出来れば説明して1から事情を話したいところではあるけれど………


「か、かずのん!?」


うん、いきなり色々変なこと起こしちゃって………ごめんね、梨生奈ちゃん。

………でも説明とかはちょっと今無理そうです。

私の意識が、完全な黒に埋め尽くされた。

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