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ラグナロク・ワールド  作者: 刹那輪花
1/2

【Ⅰ】とある少女が異世界に連れてこられたようです

どうも、小説作り初心者、絵もまだまだな刹那輪花です。ラグナロク・ワールドでは、今のところ残酷な描写は含まれておりませんが、そのうち出てくるかと思います。とにかく笑いありのファンタジー系?なので楽しく見てくれたら幸いです。


【第一話】幻の世界


リリリリリリ――

やかましく目覚ましが鳴り響き、それを止めて時間を見る。

「・・・午前八時・・・」

ベッドから起き、ピンク色の長い髪が垂れ、あくびをしながら目をこする少女。セイラ、12歳、引きこもりで不登校。赤色、水色の不思議な目をもつ。とことこと隣の部屋に行き、パーカー付きの服を脱いで小学校で着るはずだった黄色のカーディガンとしろいワイシャツと茶色のミニスカートを着て、赤色の目

の方に水色のカラーコンタクトを入れて、その容器をポケットに入れる。リビングに向かおうと思うが、鏡の前で立ち止まる。一歩さがり全身をみる。特に変わったところはないが、しばらく立ち止まる。

「おや、アンタの顔、何にもついてないで?」

急に声がし、鏡には黒い感じの猫耳がついている着物をきた人が映っていた。

「そこまで驚くか?まあ異世界人はまあそういうもんやな」

まるでなんでも知っているように言っている人。セイラはただ、その場に座り込むだけしか出来なかった。そしてしっぽを得意げに揺らしながらその人は言う。

「アンタ、名前は?私はイノセント・アグリニー、まあイノって呼んで」

「セイラですけど・・・」

自己紹介が終わり、何故か笑顔になったイノセント――もといイノはまた続けて言う。

「もうそろそろ時間も迫ってきてるで、手短にさしてもらうわ。セイラ――アンタは、

この世界で楽しいと思ったことはある?」

え――何言ってるんだ、この人は。セイラは固まってしまう。この世界、つまり現実で楽しかったことはあるか――と、目の前にいる人は言う。もちろん、セイラが答えるなら――

何一つ、楽しかったことはない、と。またイノが話す。

「何も答えないということはないってことでええな?」

そしてセイラは、何も答えられなかった。

「なら、もし人ならざる者が普通に暮らせる世界があったとすれば―――セイラは、行きたいと思うか?」

「・・・できることなら、ね・・・」

やっと喋れたが、その声は少し震えていた。そしてまたイノは笑う。今度は、不敵な笑みで、セイラにこう言った。

「なら、アンタを連れていってあげよう。私みたいな者、普通の人間だって住む

――クリスタル王国へ。」

その言葉が言い終わったその刹那。視界が真っ暗になった。目の前にいたイノさえ見えなく

なる暗闇の中、また喋る声が聞こえた。

「行ってらっしゃい、異世界という名の、理想郷へ」


■■■

目を覚ます。あまりの眩しさに目を細める。あたりを見回せば木が立ち並んでいる森に、セイラはいた。セイラの近くを見れば何故かセイラのスマホにソーラーパネル付きの充電器

とそれらと服何着かを入れれそうな肩さげカバンがあった。

「えっと・・・まずここってどこ?」

おもむろにスマホを開く、だが左上に表示されている文字は「圏外」。地図を開いても「特定不能」と書かれているだけだった。思わずため息が出るほどだった。

「本当の、異世界に・・・来ちゃったんだ・・・」

思わず叫びたくなるのを我慢――する代わりにまた、セイラは気絶してしまった。


セイラが気絶してしばらく、何故かつんつんとほっぺをつつかれている。

何かを確認すべく、つつかれている方を見ると――赤っぽい、人の顔位の大きさがある鳥がいた。思わず飛び起き、その鳥から少しでも遠ざかる。

「あ、起きた?ごめん、フィーナが言うこと聞かなくってね・・・」

何故か若い女性の声がして、急いで声のした方を見る。その女性はフードを目深にかぶっていたこっちに来て初めて会った人だったので、何とか話をしようとする。

「えっとー、私、セイラって言います、貴女は?」

「私?私はソニアよ。で、さっきからセイラを突っついているのが私の相棒のフィーナよ。」

おいで、と声をかけたらフィーナがソニアの方に飛んで行った。

「フィーナって人懐っこいんですね」

「私がまだ小さい時から一緒にいるのよ。ほかの人には撫でられるのは嫌らしいけどね、この子」

ピー、ピーと羽を広げながらソニアに向かって鳴く。それをわかったから、とソニアがなだめる。

そしてソニアが急に立ち、くるっと回り、セイラのほうを見る。

「ねえセイラ、貴方ここから向かうところは決めてる?」

セイラも立ちながら答える。

「全然、というか私土地勘なさすぎなんで・・・」

ソニアはニコっと笑う。そしてフードを取った。

「じゃあ決まり、一緒に行こう?」

フードを取り、初めてちゃんと見た顔は、綺麗な金色の髪に、セイラの片目と同じ紅い目をしていた。そしてセイラも、精一杯の笑顔を作って、右目のカラーコンタクトをとってから言う。

「私なんかでもいいんなら。」

ソニアは一瞬びっくりしていたけど、すぐ笑顔に戻った。

「よかった。それじゃ、行こうか。目的地は、取りあえず私の知り合いの家に行きましょうか」


■■■


出発するときに時間をみたら午前十時だった。で、セイラが起きた時間は午前八時。つまり、

セイラはおよそ二時間も気絶していたことになった。そして起きたときにあった女性、ソニアと歩き始めてからだいたい二時間がまた立った。到着した場所は――何故か外壁が白く、森の中にある大きな屋敷だった。その大きな屋敷の門らしきところにソニア達は立っていた。

「ね、ねぇソニアさん、まさかここに入るの?」

「ええ、そうよ?」

「サラッと恐ろしいこと言っていない?」

セイラが若干青ざめていくのを他所にソニアは門へ向かう。案の定、鎧をきて槍を持った門番らしき人に止められる。

「おい止まれ。ここがヴァーミリオン邸と知っているだろう、許可なく通すことはできない。」

門番らしき人に声をかけられ、その場にピタッとソニアは止まるが、フードを取って話し出す。

「ソニア・クラウンディーネよ。ルナ・ヴァーミリオン嬢に会いたいのだけれど、ご在宅で?」

何故か丁寧語になって話すソニアに、血相を変えて門番らしき人が言う。

「こ、これはご無礼を、ソニア様。ルナ様は勿論おります。」

状況整理ができず、ポツンと立っていたセイラはやっと口を開く。

「え、ソニア・・・様?」

ソニアも、門番らしき人までもセイラを見る。そしてソニアは何かを思い出したかのように言う。

「あ、ごめんさないセイラ、私のこと、言っていなかったね。私ね、この国、クリスタル王国の王族――つまり、この国の姫、でもあるのよ」

「・・・え?」

口をポカンと開け、目の前に立つソニアを見る。

「取り敢えず、中へ。」

門番らしき人が割入って門を開ける。で、セイラはソニアの付き添いのような人、と思ってくれたらしく、中に通してくれた。床には紅い絨毯、壁はまるでパルテノン神殿のような柱が等間隔でおかれており、その柱と柱に真っ白な壁と大き目な窓があった。そして目の前を歩いて案内してくれていたメイドが大きめの扉の前に止まる。

「こちらが図書館、最近ルナお嬢様がよく来られる場所です」

一回ペコリ、とお辞儀して戻っていった。そしてソニアが一回深呼吸をしてから扉を思いっきり開けて言う。

「ルナぁーー!ここにいるんでしょーー!」

館中に響きそうな声を出すソニア。それに答えるかのように黒髪黒目の女性が出てきてあきれながら言う。

「そんなに大きな声出さなくてもいいのに、館のメイドたちが騒いでいたから来た事ぐらいわかるわよ?はぁ、これがこの国のお姫様なんて思えないわね・・・」

「思えないなら結構よ。あと、図書館で調べ物もしていいかしら?」

ソニアと話していた女性、ルナと言われる人は元々細い感じの目をさらに細めていう。

「いいけど、リーナがいるかもよ?」

「ああ、居候中の使い魔のこと?」

苦笑い交じりでソニアも言い返す。

「居候ってひどいよ〜?リーナ、魔力回復が優先したいもん」

「――!?」

ふわふわ〜と小さい小人見たいな寝るときの用な帽子と黒系の髪と目、というより紫のショートへヤの人だった。ピー、ピー!と威嚇するようにフィーナが鳴く。

「ねぇ、そこの使い魔、なんて言っているの?」

リーナが聞くと、はぁ、とため息をついてソニアはいう。

「『主を見つけないのに何のんきにやってるんだ』て言ってるよ?」

「うー、鳥のくせに生意気だぞー!」

フィーナを指さしながら文句をいうリーナ。イラついたのかまたピー、ピー!と言う。

「『なにおう!戦ってみるか!』だって・・・フィーナ、戦うのはやらさせないからね?」

ピー・・・としょんぼりした声でフィーナはソニアに返す。

「え、えーと、ソニア・・・さん?フィーナの言っていること、わかるの?」

「もちろんフィーナの言っていることもわかるし、他の動物の言っていることもわかるけど、そいえばまだセイラには話していなかったね」

衝撃のあまり、セイラは口をあけっぱなしのままその場に突っ立ているしかなかった。

「とりあえず、図書館に入ったら?紅茶も持ってこさせるわね」

割り込むかのようにルナが言い、ソニアが入っていく。そのあとに続いてセイラも入っていく。その図書館は、二階分の高さがあって、学校の体育館ぐらいの広さに棚がずらりと並んでいる。

「言うなら図書館じゃなくて私とお姉さまの書斎、といったとこかしら」

ルナに案内されながら棚の間を歩いて行っている。

「わ、私の部屋よりも大きい・・・そいえばルナさん、ソニアさんもいま何歳なんですか?」

「私は18。お姉さまは22ね」

「私も同じく18歳。フィーナとはもう11年ぐらい一緒よ」

そのことを聞き、また口が開きながらセイラは言う。

「私・・・12・・・」

「私たちより年下だったんだね、セイラ。」

笑い交じりでソニアは言う。

「で、なんで王都を飛び出して森の中のこの館に来たのかしらね、このお姫様は」

うぐ、と返す言葉もないようだった。

「そんな話は置いといて、本を読むならここでやるといいわ。」

指をさしながらルナが言う。そこには大きい長方形の机に椅子があわせて十脚もあった。

「で、リーナ、ソニア達の邪魔をしないようにね?」

「わ、わかてるよ〜」

ずっとついてきたらしく、後ろからふわふわ〜っと飛んでいたリーナが言う。もうそういうことになれつつあったセイラは本を見てみることにした。近くにあった本をとってから気づく。セイラはソニアに尋ねる。

「ねぇソニアさん、これ何て読むの?」

「それ?【(いにしえ)聖戦(せいせん)】だけど、読めないの?」

「恥ずかしながら、異世界人なもんで・・・」

「「え、異世界人?」」

ルナとソニアの言うことが見事に重なり、リーナが本を浮かせながら言う。

「へぇ〜、字、読めないんだ〜」

カチン、と来たらしく、セイラもすぐ言い返す

「日本語は勿論、英語にスペイン語ぐらいは読めます!」

見たところ、この世界の公用語はギリシャ文字ぽい字だった。

「じゃあリーナも手伝うよ〜?文字教えるの」

リーナは今度は本に加え、羽ペンとインクも浮かせていた。

「ねえなんで本とか浮かんでいるの!?」

「魔法だよ〜、常識さえも知らないの〜?」

「え、常識なの!?」

「異世界では飛んだり魔法を使ったりするのが常識じゃないとこもあるんだから」


■■■


そこから数時間、ずっとこもりっぱなしでセイラはリーナに読み方を、ソニアは情報集めをしていた。

「覚え早いのね、セイラ」

何冊もたまった本をまとめて持つルナに言われる。

「覚えるのだけは早いんですよ、でも計算とかは無理です・・・」

「ねえルナ〜、セイラは魔法(まほう)適性値(てきせいち)、ゼロ見たい〜。でも魔力はいっぱいだよ〜」

急に割り込むリーナ。それに難しい顔をしたソニアが返す。

「魔法適性値がゼロなのに、魔力はたくさんあるの?」

「そ〜なの〜、だから使い魔にとってはうれしいことなの〜」

目を輝かせていうリーナ。セイラの周りには必死に文字の練習をしていた紙が散らばっている。

「あはは・・・もう魔法とか意味わかんない・・・」

そのまま机に突っ伏してしまったセイラ。そして急にリーナが言い出す。

「よーし、リーナ決めた!」

「へ?何が?」

セイラが机に顔をつけたまま言う。

「セイラ、リーナの主になってよ!」

びしっと指をさして言う。その場にいたみんな、全員がへ?と言う。

「セイラ、断ってもいいんだよ?」

「それがいいと思うわ」

「え〜!?みんなひどいよ〜」

セイラはいきなりすぎて、また口を開けている。

「ええ〜と、どういうこと?私は別にいいんだけど・・・」

「ほんと!?やった〜!じゃあ手を出して?」

くるん、と一回転すると小1ぐらいの背の人間の姿になった。それにもビックリしていたセイラだが、すぐに立ってリーナの方を見る。

「これでいいの?」

セイラは手を出し、手を合わせる。すると何故かセイラの右肩が光る。

「いたっ!?」

あまりの痛さにしゃがみこんでしまう。みんながセイラの肩をみる。と、血が出ていた。

「大丈夫!?ちょっと見せて」

長い袖をめくると、歯車の模様が描かれており、そこから血が出ていた。

「これからよろしく!セイラ」

リーナがにこ、と笑う。セイラもなんとか笑顔を作った。


■■■


「ねえセイラ、少しは休憩したら?さっきかなりの量の血が流れてたのに」

「もう少しこの世界について、知っておきたいんですよ〜」

何故か気が抜けたような感じだったセイラ。血だらけになった服は着替えて、本来なら寝るときに来ているパーカー付きのワンピースを着ている。右肩には包帯が巻かれていた。

「じゃあ一つ質問」

「異世界人の私でもいいんならどうぞ」

ソニアは少し苦笑いになったがすぐに真剣な顔に戻った。

「ねえ、セイラはあの神話に書かれているドラゴンの起こし方、分かった?」

「うーん、仮説なら立てれたけど、聞く?」

「ええ、私がわざわざ旅にまで出た理由、大半がそれを占めているもの。」

「分かった、でも実際そうかわかんないけど」

神話とは、セイラが読んでいた本、【古の聖戦】だ。

――遥か昔、異なる種族たちは内戦状態だった。獣人(ビースト)も、()精霊(ルフ)も、人間も、

神も、天使人(アニバーサル)も。だが、ただ一人、誰にも負けず、不戦勝の者がいた。そのものは、

七色に輝く背中に尻尾を持つドラゴン。だからみな、このドラゴンをこう呼んだ。

――エレメントドラゴンと。次第に内戦状態だった五つの種族はこのエレメントドラゴンを封印しようと考えた。森精霊が所持していたルーンを使い、ドラゴンを封印してしまった。そしてそのルーンは五つに別れて、それぞれの種族のもとで大切に保管されるようになった。そしていつしか、戦争もなくなった。

――これはあの本に書かれたことをセイラがスマホに書き写すときにまとめた内容だ。

その書き写した奴を見ながらセイラは言う。

「五つに別れたルーンを全部集めて、封印術式を解く、だと思うけどな。で、なんで天使人(アニバーサル)って呼ばれるようになったの?」

「なんでも、その時初めて天使人(アニバーサル)を見たとき、まさしく星や夜空のような輝きだったから、ときいているわ。」

「恐るべし、この世界・・・」

一瞬、この世界はこの世界で危険だ、と思ったセイラ。唐突にリーナも話し出す。

「他にも(セイ)精霊(レーン)吸血鬼(ヴァンパイア)だっているんですよ〜?」

「え、巨人とかはいないの?」

「そんな種族はいないよ〜」

そうリーナに言われると、そか〜っと返事をすると本をまた読み始める。

「そいえば、まだ私の事あまり詳しく教えれてなかったわよね?」

「確かに、まだこの国のお姫様で動物と話せることぐらいしか」

「そ、即答ね、まあいいわ。実は今、数が少ないドラゴンたちとある集団に駆られているの。」

「え、ドラゴン、普通のもいたんですか?」

ソニアはため息をつくしかなく、また話を続ける。

「で、目的もほとんどわからない奴らに、ドラゴンを狩られ続けられるのも嫌なの。だから事前に奴らの目的を阻止するためにも、旅にでたのよ。勿論気づかれるわけにもいかなかったから、真夜中に出てきたけどね・・・」

ソニアはカバンから取り出していた黄色の結晶のようなかけらを持っていた。そのかけらには複雑な模様が途中で途切れながらも書かれていた。

「それが神話に出てくるルーンですか?」

「ええ、たった一つじゃ何の役にも立たないでしょうけど」

ため息交じりで答えるソニアだったが、そのルーンがそろえば、封印が解かれて、あのドラゴンが出てくるのだ。もしそれが目的なら、誰でも阻止しようとするであろう。セイラは何か思い出したように聞く。

「そいえば、フィーナとリーナって使い魔なんだよね?使い魔って、何?」

「うーんと、簡単に言えば力を貸してくれる存在なのだけれど、使い魔と言っても、三種類に分けられるの。一つはリーナのような使い魔。二つ目はフィーナのような変身して本領を発揮する使い魔。三つ目は動物の姿をしていて、人の言葉を喋り、魔法を使う使い魔なの。」

「それで、リーナみたいな使い魔は具体的にどんな風なの?」

「リーナみたいな使い魔はね、人の姿にもなれて、魔法が使えるの」

「で、使い魔はみんな元々持っている魔力が少ないから、主を見つけて、主の魔力を借りながら手伝うってわけよ。」

ほへ〜、というセイラ。セイラの頭の上にリーナが乗る。

「ねえソニアとセイラ?もう夜の六時なのだけれど、夜ご飯はいる?」

急に声をかけられ、セイラがビックリしながら振り返るとリーナが落ちたが、ルナが立っていた。

「もうそんな時間だったのね。じゃあ食べて明日に備えましょうか?」

「そーですね、風呂にも入ってサッパリしたいし」

「もうご飯の準備は出来ているのよ。じゃあ食べましょっか」

ルナが言うと、みんなが立ち、ルナに案内されながら図書館を出ていった。


■■■


ご飯も食べて、風呂も入った後にメイドに案内されたのはヴァーミリオン邸の客室だった。ベットが二つ大きいものが用意されていて、小さめの机に椅子が二脚とクローゼットが置いてあった。

「さすが大きな屋敷だねー・・・」

パシャ、とスマホで写真も撮るセイラ。ソニアがベッドに座りながら聞く。

「それってセイラがいた世界の技術なの?」

「そうだよ、他にも沢山あるんだけど、私が持ってこれたのはこれだけなんだ」

それだけでもすごいね・・・というソニア。そしてソニアが持ってきていた紙を、セイラが開く。

「そいえば、次ってどこ行くんですか?獣人(ビースト)の街、アリア・ステラとか、()精霊(ルフ)の街、フォレスト・アナザーとかが近いと思うんだけど」

天使人(アニバーサル)の街、ミステリア・スカイも近いわよ?」

きっぱりと言われ、驚きながらソニアの方をセイラが向く。

「何そのネーミング!?」

「えーと、地上の街なのに、不思議なものが街中にあったから、と聞いているわ」

「なんか、適当過ぎない?名前の付け方」

「私もよくわかんないわ・・・」

苦笑いになるぐらいの事らしく、セイラはまた持っていた紙、この世界の地図を見る。

「ねえセイラ、私たちが行く場所、ウェリアテラにしない?」

「う、ウェリアテラ?人間の街の?」

「そう、まあ王都・ラグナロクシティは全種族(ぜんしゅぞく)共通(きょうつう)の場所だしね。」

「この世界、本当によくわかんないなぁー・・・。でも、次行くところはそうしようか。

ウェリアテラに。」



【第二話】 獣人(ビースト)の少女


「もう、出発するの?」

「うん、この屋敷の主、イリアスさんには会いたくないしね」

その方がいいかも、と苦笑いになるルナ。横から新しいフードと服に身を包むセイラが聞く。

「えーと、イリアス・ヴァーミリオンってこと?」

「うん。私のお姉さまよ。今は王城に呼び出しされて一泊して帰ってくるって聞いてるから」

「王都に呼び出しされた、ていうことは絶対私の事ね・・・」

ソニアがため息交じりでいう。そしてピー、ピーとフィーナが鳴く。ソニアはフィーナを撫でる。

「早く出発しないと、ウェリアテラに到着するのが遅れるわよ?」

「そうか、ヴァーミリオン邸から徒歩で約一時間かな。じゃあ行ってくるよ、ルナ」

「行ってらっしゃい、ソニア、セイラ。」

ふよ〜っと急に入り込んでくる使い魔二人。

「ピー!ピー!」

「リーナも忘れないでよ!」

二人同時でルナも苦笑いになる。

「ごめん、でも気おつけてよ?」

「うん、わかってるよ」

フードを被るソニア。そしてセイラたちはヴァーミリオン邸を出発した。最後まで見送ってくれていたルナが見えなくなってきて、おもむろにセイラが言う。

「ねえソニアさん、獣人(ビースト)の特徴って、限界(げんかい)突破(とっぱ)に、変身でいいの?」

「ええ、そうね。それに加えて五感もすごいのよ?」

朝ご飯にもらったパンを食べながらソニアは言う。そして、約一時間がたった。

「久しぶりに来たけど、相変わらずの活気ね」

のんびり言うソニア。何故か少しフラフラしているセイラも言う。

「ここがウェリアテラですか、思ってたより大きかった・・・」

苦笑いになりながらもソニアは答える

「だって、この街が人間最初の街なんだからね?今や各町にギルドがあってギルド同士でも交流はあるって聞いたことはあるわよ」

そうなんだ、とセイラが言うと走り出す。

「ねぇねぇ、早くいかない?私、こういうところに来たの初めて!」

そしてリーナはセイラの頭に乗る。

「リーナも初めて!」

にへっと無邪気に笑うリーナ。

「もう、迷子にならないようにね?」

セイラは走りながら商店街に入っていき、そのあとに続いてソニアも入っていく。色んな店が立ち並び、おいしそうな匂いも香っている場所だった。

「ソニアさん、これって何?」

セイラが手にしたのは不思議な形をした手首にはめるアクセサリだった。

「それ?確か、有名な小物品店の人気商品のジェムアクセね。一応魔法の補助をしてくれる物よ」

「おお、なんかすごい」

マジマジと眺めていたセイラ。そして急に立って、横を向く

「ふぇ!?びっくりした・・・」

そこにいたのはフードをかぶった水色の髪のセイラよりも幼く見える少女だった。

「・・・熱、あるのです?」

首をかしげながらいう少女に、かわいいー!なんて言っていたセイラが言う。

「私は見てのとうり、元気だ・・よ・・・」

ふらっと急に倒れるセイラ。それをかろうじて受け止めるソニア。

「ちょ、セイラ!?大丈夫なの?」

ふぇ〜って言いながら目がぐるぐる回っているセイラの顔を見ながら少女が言う。

「えっと、私の家に来る?」

「じゃぁ、そうさしてもらおうかしら」


■■■


水色の髪の少女についていくが、向かった先は森の中にある小さめの小屋だった。中に入ってその子がフードをとると、獣人(ビースト)の特徴である耳としっぽがあらわれた。

「貴女・・・獣人(ビースト)だったのね・・・」

その子はこくり、とうなずく。

「名前、ラクシュミっていうの。ソニア様、なのです?」

首をかしげながら聞くラクシュミ。

「ええ、そうよ。あと、様はつけなくていいよ?」

「わかったのです!ソニアさん」

何故かうれしかったらしく、ぴょんと少し跳ぶ。

「じゃあ私の事もシュミって呼んでほしいのです!」

「いいよ。それで、セイラはどうしよう?」

置いた荷物の上にいまだに目が回ったままのセイラが寝ていた。

「えっと、取りあえず布団?」

「そうだね、じゃあ手伝ってくれる?」

こくり、とシュミはうなずき、ソニアがセイラを連れていって、シュミが桶に水を入れてタオルも一緒に持ってきてくれた。

「まあこうなるのも当然よね・・・血も沢山出てたのに、夜遅くまで調べものもしていたものねぇ・・・」

ソニアが苦笑い交じりで言う中、フィーナがセイラのほっぺを突っつき、その横で寝るリーナがいた。

「どーゆーことなのです?」

首をかしげながら聞くシュミ。

「えーとね、本を読みまくっていたあげく、使い魔と契約したからね、血も流しすぎたし、長い距離を歩いたから、こうなっても不思議じゃないのよねぇ〜・・・」

頬杖をつき、出された水を飲みながら言うソニア。

「じゃあ、なんで使い魔とけーやくしたのです?」

「なんというか、セイラの場合はその場のノリね」

のり?と聞き返すシュミだったが、そのあと、ぐ〜っとお腹が鳴る音がする。

「う、まだ食べていなかったのです・・・」

手を口に当てながらクスクスと笑うソニア。

「じゃあ簡単なスープでも作りましょっか」

こくん、とうなずくシュミ。椅子に座っていたソニアも立つ。

「次に向かう場所はアリア・ステラ、獣人(ビースト)の街かな」


【続く】




―あとがき―

みなさんどうも!刹那です。動画投稿とかやりながらも今回のラグナロク・ワールド第一巻?ができました!略し方はまあラグナロクとかでいいと思います(笑)

このシリーズの設定的には、古代ギリシアや西洋文化とかの混合で、神様もいろんな人たちも登場させる予定です!龍族とか、ちゃんと(セイ)精霊(レーン)もかけたらいいなって思います

では、そろそろ終わりにしましょうか、ラグナロク・ワールドを見て頂き、有難うございました!また次巻でお会いしましょう!


本編内に書きました。次回のラグナロク・ワールドでお会いしましょう!

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