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プロローグ

駄文だけど、まあ読んでってーな

「……くそっ! みんなやられちまった!」


 目の前のドラゴンに剣を構える優斗の周りにはこれまで共に戦ってきた3人の仲間たちが倒れている。

 涙を流すもすぐにぬぐい、仲間の思いを胸にドラゴンを睨みつける。


「白……葵……桜さん……香織さん……」


 優斗はドラゴンからの攻撃を避けながら二度と返事が返ってくることの無い仲間の名前を一人ひとり呼ぶ。……倒れているのは3人だというのに、4人の名前を。

 そして口から吐き出された炎に身を少し焦がしたが、耐え切った優斗。

 技を放ったことにより、動けずに隙を見せているドラゴンへと突っ込んでいく。


「みんなの分まで頑張ってやるぜー!」


☆☆☆


「……あーあ」


 そう声を漏らした白の視線の先にあるテレビ画面にはGAME OVERの文字が。


「いやいやいや! 俺、頑張ったじゃん! 超頑張ったじゃん!」


 それに反応してゲームのリモコンを片手に持ち、ソファーから立ち上がって喚く優斗。


「煩いぞ優斗」

「葵まで!? いやいや! 俺頑張ったって! ……ですよね、桜さん! 香織さん!」


 すでにゲームのリモコンはテーブルの上に置き、お菓子を摘みながらジュースを飲んでいた葵に一刀両断された優斗は同じくお菓子を摘んでジュースを飲んでいた桜と香織に同意を求める。


「葵の言うとおり優斗、煩い」

「ちょっと煩いかな~?」

「そ、そんな……神は死んだ……」


 桜だけでなく、香織にまで煩いと言われた優斗は床に両手両膝をついて項垂うなだれる。


「……優斗、元気出せ」

「白……やっぱりお前は俺の味方……」

「まあ、あと1割もなかったんだから頑張って欲しかったが」

「くそぅ! お前らなんて!」

「っあ! おい、優斗! それは今、私が食べていたのだぞ!」


 項垂れている優斗の肩に手を置き、はじめに慰めの言葉をかける白。

 そして顔を上げ、嬉しさから目の端に涙を溜めている優斗の顔を見た白は止めを刺す。

 止めを刺された優斗は葵の手からお菓子を奪い取り、早いペースで口の中へと入れていく。


「……あぁ……私のお菓子が」


 葵が優斗からお菓子の袋を取り返したときにはすでに遅く、中には何も残っていなかった。


「元を辿れば俺のせいだし、葵。これやるよ」

「ありがとう。白」


 お菓子を食べられて落ち込む葵に白は自分の食べていたお菓子の袋を渡す。

 葵は嬉しそうにしながら白からお菓子の袋を受け取る。そして受け取ったときに感じた袋の重さに首をかしげながらも中を見る。


「……なあ、白」

「ん? どうした?」


 葵は目の端に涙を浮かべ、”空の”お菓子袋をテーブルに叩きつける。


「どうした? じゃない! からではないか!」

「まあ、そうだな」

「そうだな、でもない! どうして何も入っていないのだ!」

「俺はこれをあげると言った」

「ああ、だからお菓子をくれるのではないのか?」

「これ、をあげると言ったんだ」


 白は空のお菓子袋を手に持ち、これ、の部分を強調して言う。

 つまりは、のお菓子袋である。

 それの意味を理解した葵は顔を真っ赤にする。


「ほらほら、二人して葵ちゃんをいじめないの」

「葵、これをあげるから許してやってくれ」

「うぅ……桜さん。香織さん」


 香織に頭を撫でられ、桜からお菓子を受け取り落ち着きを見せる葵。

 落ち着きを取り戻してはいるが、優斗と白のことを睨んでいる。

 その睨まれている二人といえば。


「いやー、やっぱり葵はいじりがいがあるな」

「まあ、そこのところは否定しない」


 まったく反省する素振りを見せない。


「それにしても、白ちゃんと優斗君。いつの間に打ち合わせしたの?」


 撫でるのをやめて再びお菓子を食べ始めた香織がふと思い浮かんだ疑問を二人にぶつける。


「打ち合わせなんてしてないですよ?」

「そうなの? 白ちゃん」

「してないよ」


 少し目を開いて驚く香織。


「一番最初の残り一割ない。って部分は本気だったけどね」

「もうその話はいいだろ! ……まあ、俺と白は葵をいじるときとか打ち合わせをしないでもこういったことが出来ますね」

「そんなもん、私をいじるときは出来なくてもいいわ!」

「いてっ!」


 葵が優斗に向けて投げた空のペットボトルが顔に直撃する。


「痛かったぞ、葵!」

「お前が悪いんだ! いつもいつも二人して私をからかって!」

「うふふ。二人とも、仲がいいねぇ」

「「仲良くなんて無い! 腐れ縁なだけだ!」」

「ほら、今も」

「「真似するな!」」

「うふふ」


 優斗と葵が言い争い(?)、それを香織が笑って見ている中、白は桜に詰め寄られていた。


「ねえ、白ちゃん」

「……どうしたの、桜姉さん」

「私も、優斗みたいに打ち合わせなしでも動けるような夫婦になりたい!」

「……まず、夫婦じゃないからな」

「そんなのは些細なことだよ!」

「全然些細なことではないけど……」


 もっと白ちゃんと仲良くなるー! と言って白に抱きつく桜。

 いつものことで特に抵抗などせずにボーっとしている白。




 方や二人は言い争い(?)、それを笑って見ている友人たち。

 方やスキンシップを取っている姉弟。

 そんな5人のいつもの光景がここ、くく家で行われていた。

いつになるかわかんないけど、また次回〜

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