表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
25/46

24話:スカウト

 「~っ、離してください!!」



 気持ち悪い。何なの、このおじさん。

 その時、ごつんと何かを殴ったような音が聞こえた。

 途端にこの変なおじさんは倒れ、その後ろにはセナが居た。



 「萌花!! 大丈夫!?」



 そう言って、私の肩を抱き寄せてくれる。

 


 「あんたは何やってるんですか。 警察よびますよ」



 驚くほど冷やかな声にびくっとなった。

 するとそのおじさんはよろっと立ち上がった。

 


 「な、何か誤解があるようですが……わ、私はこういうものでありまして」



 震えた声でそのおじさんは名刺らしきものを差し出した。

 私はそれを恐る恐る手に取った。



 ……芸能プロダクション 代表取締役

   三藤 恵一



 「そこの女の子ををスカウトしたいんです」



 スカウト……? 

 って、ええーーーーーーーーーーーーーー!!

 セナも驚いたように目を見開いている。



 「えっと、芸能事務所のだ、代表取締役だったんですか!?」



 私はそのおじ……代表さんを見た。

 頭のてっぺんは少し禿げていて、歯は黄ばんでいて……。

 


 どう見ても、不審者にしか見えなかった。

 あっでもスーツ着てるか……。

 しかし、その代表さんはどう見てもイメージとは違いすぎた。



 「まぁ、考えといてください」



 代表さんは少しお辞儀して、禿げた頭をさすりながら遠くにある大きい車に乗っていった。

 本当にお偉いさんなんだ……。

 


 ふとセナを見ると、どこか真剣な顔だった。

 私と目が合うと、にっこり微笑み返してくれる。

 きゅん。ギャップ萌え?

 


 いやいや忘れてないんだからね! 今日の事。

 しかし強引に手を握られると、私も忘れてしまいそうになる。

 結局その手を振り払えなかった。




----------

-----




 「今日はごめん」



 リビングでいきなり謝られた。

 本当に申し訳なさそうな顔をしている。

 うぅ……なんかイジめてるみたい。



 「う、ううん。私もごめん。大嫌いなんか言って……。でも、何であんなこと言ったの?」



 そう尋ねると、セナは顔を真っ赤にした。

 怒ってるというよりも照れてる?



 「いや、何でもないよ。本当に忘れて」



 そう言うと、今度は気難しい顔をして言った。



 「それにしても、スカウトって……萌花はどうしたいの?」

 「あれ、本当なのかな? 私みたいな人が……スカウトなんて」



 本当にそう。ありえないことだもん。

 そう言う私にセナはにっこりと微笑みかけた。



 「大丈夫。今の萌花はミスコンも優勝間違いなしの可愛さだよ。……まぁ、あんまり優勝させたくないんだけど」



 「えっ?」


 


 ぼそっとセナが言った最後の言葉はあまり聞き取れなかった。

 


 「いや、こっちの話」



 セナはごほんとわざとらしく咳をした。

 

 


 

 

 


 

 

 



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ