17話:やきもち?
うおおーっという男子の下品な叫び声が上がる。
そんな奴らにもレアはにっこりと微笑みかけた。
レア……家と全然違うくない?
「じゃあ……橘さんの隣に」
えっ? 私の隣? やった!
レアは席に着くと、にっこり微笑みかけてくれる。
私もレアに微笑み返した。
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お昼はレアと友美と一緒に食堂へ向かった。
廊下を歩いていると、偶然ほかのクラスの男子の話が聞こえてきた。
「おかしーんだよ。セナがな……」
セナ? まさかね……。
しかし、レアは早くもその男子に声を掛けていた。
「兄がどうかしたの?」
「あっレア、さん?」
男子の頬が赤く染まる。
さすが、レア……。
「えっと、セナがいきなり俺んち来たんだ。泊めてとか言うから家出かなー? って。でも、様子がほんとにおかしくてさ。何度呼んでも聞いてなかったり、ずっとうわの空だったり。よっぽど嫌な事でもあったのかなー?」
……そうなんだ。
なんか心配かも……、って何思ってんの私!!
「そうなの……。兄が迷惑かけてごめんなさい」
「いえいえ!! 大丈夫っすよ!!」
そう焦る男子生徒ににっこりとレアは微笑みかけた。
男子生徒の顔がぼっと真っ赤になる。
レア……その笑顔はダメだよ。追っかけができるよ。
「萌花! あなたセナになにか言ったんでしょう?」
「……」
レアの問いに黙ったまま頷く。
「萌花! 何て言ったの?」
友美がじりじりと問い詰めてくる。
うぅ……なんでこんなややこしくなるの。
「天童君と一緒に住むの嫌って……思いっきり拒絶しちゃった」
「……萌花、一緒に住むって?」
友美がきょとんとした顔で尋ねた。
あっ……友美は何も知らないんだっけ。
「えっとくわしいことは食堂に着いてから話す」
食堂は意外と混んでいて、空いている席を探すのに少し苦労した。
席に着くと、すかさず友美が聞いてくる。
「んで、一緒に住むって!?」
興味津々って感じの友美に今までの事を全て話した。
「ふんふん。それであんたは断ったと……。馬鹿ね、あんた」
「そうよね、萌花がこんなに馬鹿だとは思わなかったわ」
二人が口をそろえて言うものだから、私は少しムッとした。
「な……なんなのよ!! 人の事、馬鹿馬鹿って」
「だーかーら、あんたは自分の気持ちに気付いてないの?」
友美がイラついたように言う。
すかさずレアが追い打ちをかける。
「本当に鈍感ね。あなたはセナの初恋の子に嫉妬してるの!!」
……なにそれ。
しっと? それってやきもちみたいな?
それじゃ、まるで……。
「萌花はセナの事が好きなんじゃないの?」
す、き?
んな訳ないじゃん!!
「素直が一番だよ! あんたは素直じゃなさすぎるの」
友美はずっとイラついてるみたいだ。
「違う! それにセナは初恋の子が好きなんでしょ!?」
「だから、何でそれをあんたが気にするの? やきもちじゃないの?」
二人が問い詰めてくる。
私はそれから逃げるように怒鳴った。
「私は別にあいつの事なんか好きじゃない!!」
そう言うと、食堂を急いで飛び出した。
もう今日は学校さぼろ……。
そう思い、校門へ向かった。
学校を抜け出してとぼとぼと路地を歩く。
すると、後ろから足音が聞こえてくる。
止まってみると、その足音も止まった。
怖くなって走り出した。
その足音も大きくなってくる。
怖い! ストーカー!?
「どうしたの? 萌花?」
その変質者? から逃げ回っていると、前にセナが立っているのが見えた。
「天童君!! 助けて!!」
泣きながら勢いでセナに抱きついてしまった。
「誰かに……誰かにつけられてて!!」
「大丈夫。もう逃げたみたい」
セナの優しい声が頭上から聞こえてくる。
あっ……でも私、抱きついたまま。
急いで離れようとした……が、そのままぎゅっと抱きしめられた。




