12話:ガールフレンド?
パーティ会場は高級そうなホテルの中にあった。
中も高級そう……特に料理が……。
「料理は我慢……だよ?」
私の心の中を見たように、セナが言った。
うぅ……おいしそう……。
そんなセナに一人の外国人男性が話しかけてきた。
背が高くて……すごくハンサムだ。
「Hello. Sena. It is a long time.(こんにちは。セナ。久しぶりだね)」
セナは男性に迷うことなく英語で返す。
「Hello. Tom. How is a tune?(やぁ、トム。調子はどう?)」
「It is good.thank you. Who is this beautiful woman? Is she a girl friend?(良いよ。隣にいる美しい女性は誰だい? ガールフレンド?)」
男性に英語で何か尋ねられたようだ。
セナは私の方をちらっと見て
「 That's right. she is called mocha. She is lovely?(そうだよ。モカって言うんだ。彼女、可愛いだろ?)」
と言った。
そして、私の頬にいきなりキスをしてきたので、びっくりして固まってしまった。
「な、何すんのよ!?」
そんな私を見て、セナはくすくすと笑った。
男性も少し笑って流調な日本語で言った。
「初めまして。モカ。セナの……ガールフレンド?」
がーるふれんど?
セナ……この人に何を話したの?
「ガールフレンドじゃないと思います。
えっと、友達とか……そういうのでありまして……」
そう言うと、男性はぶっと吹き出した。
「To be sure, it is lovely. May I get her?(確かに可愛いね。もらっていい?)」
男性がそう言うと、セナは首のあたりを少しさすり始めた。
……怒ってる。
「There is no good reason! she belongs to me.(良いわけないだろ! 彼女は僕のものだ)」
少し声を荒げたセナを見て、男性は少し笑った。
「It is OK. Don't get angry. Sena is fearful.(大丈夫だよ。とらない。セナは怖いな)」
男性がそう言うと、セナは安心したようににっこりと笑った。
「それじゃ、行こうか。萌花」
そう言われて、差し出された手を少し迷ってから取った。
そんな私を見て、男性はまた少し笑った。
「見せつけてくれるね。俺はトムだ。覚えといてくれよ?萌花」
トムは私にニヤッと笑ってみせた。
そんなトムに引きつった笑顔で返してその場を離れた。
「あの人、誰?」
セナにそう尋ねると、セナは少しムッとした感じで答えた。
「友人だよ。何? 興味持ったの?」
「まぁ……ハンサムだったから」
「ふーん」
そう言って、首のあたりをさすり始めた。
何で……怒ってんの?
またしばらくしてからセナは口を開いた。
「もう帰ろう。萌花」
「何で? レアは?」
「いいから」
そう言って、私の腕を引っ張る。
ほんと、何怒ってんの?
セナの様子に頭の中は疑問符でいっぱいになるのだった。




