10話:後1週間!!
最近、セナが家に来なくなった。
レアがサポートしてくれるんだけど……なんか怒らせた? みたいで……。
「ちょっと痩せた?」
レアがそう言いながら、体重計を持ってきた。
足元に置いてくれた体重計に乗る。
「5㎏痩せてるわ!!」
「本当だ……」
55㎏を指す針を見て、思わず飛び上がりそうなほど嬉しかった。
そういえば最近ジーンズきつくなくなったかな。
「うん。萌花、きれいになってきたよ!! 最近、顔回りもすっきりしてきたし……」
レアは私に”ちゃん”をつけないようになってきた。
他人行儀さも消えたし……大分親しくなってきたかな?
「でも、目標は15㎏減だよね?」
「そうよ!! 今よりがんばらなきゃ!!」
今より……ってどのぐらい?
今でもきついのに……。
「萌花、レア、何してるの?」
なめらかな美しい声が響く。彼だ。
「ちょっ……今はいらないで!!」
レアがすぐさまセナを止めようとした。
体重を計るため、私はほぼ半裸だ。
しかし、レアが止めるより先にセナは部屋に入ってきた。
「きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「ふーん。マイナス5㎏か……。後、10㎏だね」
下着姿のままの私ににっこりと微笑みかけた。
「あ、あんた……! な、何……み、て!?」
「もうちょっと痩せないとね。そんな体型じゃ僕を誘惑できないよ?」
言葉を失ってしまい、わなわなと震えてしまっていた。
「はい。そこまで。いくらセナでもやりすぎ」
レアが奥の部屋にセナを押しやってくれた。
あのままだったらセナに殴りかかってるところだ。
「大丈夫! セナはあれでも照れてるから」
レアはセナのようににっこりと笑って言った。
私は服を着ながら、尋ねる。
「どうして分かるの? それに照れてるわけないでしょ!?」
「いや、セナの様子はセナの仕草で全部わかっちゃうの。
怒ってるときは首の後ろの辺りはさする。
喜んでるときはこめかみを指で押す。
照れてるときは親指の爪を少し噛むの」
服を着た後にドアの隙間からセナを見てみた。
少し親指の爪を噛んでいる。
ありえない……。セナが照れているなんて。
レアはねっと囁き、ウインクした。
「お待たせ。セナ」
レアがそう言うと、セナは爪を噛むのを止めてにっこりと微笑む。
「いきなり入ってごめんね。確かに、萌花はちょっと綺麗になったかもね」
少し赤くなる。
あれ。なんで赤くなってんの? 私。
「そういえば……後、1週間ね。夏休みも」
「レアは2学期から学校来るんだっけ?」
「えっそうなの!?」
私が驚きの声を上げると、二人も驚いたように私をみる。
「話してなかったかしら……?」
「しかもレアは今までフランスに居たから勉強は1年早く進んでるんだ。だから、僕らと同じ学年だよ」
そうなんだ。2学期が楽しみだなぁ……。
それから、セナは少しお茶をして帰った。
私はダイエット中なので、水だったが。
夏休みもあと少し!
ミスコンまでもあと1ヶ月!!
これからの事に意気込みをして、残り少ない夏休みを過ごすのだった。




