修業での失敗
「ハッ!!・・・・・やばいぃぃ!?」
まずい、馬鹿やった。まず現状を言うと、今僕は森の中をダッシュしている。
ちなみにそのすぐ後ろには同じように紫っぽいもやを覆った熊みたいな獣が走っている。
なぜこうなったかは・・・僕が馬鹿だったから。
僕は初めは当初の目的である魔術の訓練を自分の部屋でしていた。しかし、魔力と魔術回路を認識するまでになると部屋は狭く、また危険だった。かといって、慣れないうちは人目のつく公園などは避けたかった。そこで目を付けたのが【禁忌の森】だった。
そこは通称『禁界』と呼ばれる場所で、通常より魔力が溜まりやすくなっている。魔力は体に耐性がないと毒である。そのため、森の動物達は強くそして残忍になってしまい、【魔獣】【魔物】と呼ばれる存在になってしまった。
ただありがたいところは森の奥に行けば行くほど魔獣は強くなる。なんでも、地脈的に森の中心部が最も魔力を溜め込みやすいのだとか。ついでにいうと、入る度に森の中の様子が変わる。どこのダンジョンゲームだと言われてしまうかもしれないが、実際にそうなのだから仕方がない。
そう言ったわけで、森の入り口付近には大人一人いれば何とか倒せてしまうようなものしかいない。人目もつかない上に、実戦訓練も出来る。僕にとって絶好の訓練場所である。僕はそこで魔術訓練を始めた。
ところがある時、僕は本当に馬鹿なことをした。
禁界に通い続けているうちに僕は簡単な魔術なら使えるようになり、入り口付近の魔獣は簡単に倒せるようになってしまった。そうなってくると森の奥に興味が出てきた。どんな草花が自生しているのだろうか、どんな魔獣がいるのだろうか、僕はどのくらい強くなったのだろうか。
そんな甘い考えと自分の力に対する過信を持って、どんどん森のおくへ入っていった。
そして熊みたいなばかでかい魔獣を発見した。向こうは食事に夢中のようだ。
「よし、術式展開っ。」
前に突き出した右手から魔法陣が展開される。
「ぐるううう・・・ぐるああぁぁ!?」
どうやらお気づきになったようだ。
「くらえ! サンダーーー!!」
ばしゅん
「へ?・・・なんで?」
完璧にうまくいっていた。うまく不意をついて《雷》を使った。初級だが中々の威力を持ち、今までの魔獣はこれで一瞬にしてかたがついた。(サンダーと言ったのはイメージしやすかったからだ。)
しかしこいつは違った。確実に食らっていたにもかかわらず平然としている。
「くっ、術式展開! ファイア!!」
ぱしゅっ
「なっ、何で効かないんだ!?・・・そうか!!あのもやだ!」
先ほどの術も今使った術も体に当たる瞬間、もやに当たって霧散していた。
(か、敵いっこない)
僕はすくんでいる足に魔力を送り、いそいで逃げた。
(いやだ!いやだ!死にたくない!こんなところで)
今は足と目に魔力を込め何とか逃げているが時間の問題だ。
「誰かっ。誰か助けて。」
そんなこと呟いていると急に視界が開け、背後の気配が消えた。
わけがわからなかった。どうしていいかわからずに立ち尽くしていると急に声が聞こえた。
「はぁ~、ったく。私の領域で暴れないでほしいね。」
・・・書き方めちゃくちゃになってる