裏仕舞屋噺

火事と喧嘩は江戸の華──だがその陰には、誰にも語られぬ“仕舞い”がある。

法では裁けぬ悪、人の手では届かぬ業。名もなき者たちが、それを闇に葬ってゆく。

裏仕舞屋──
表向きは古道具屋、料理屋、記録方。だがその実、“仕舞い賃”と引き換えに命の帳尻を合わせる影の稼業。

彼らは正義ではない。
救いの手でもなければ、世直しでもない。
それでも、誰かの恨みが、誰かを動かす夜がある。

人知れず、音もなく、恨みごと仕舞ってしまう──
これは、誰にも知られず終わる者たちの、静かな血の噺。