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滅びの庭から  作者: 馬場幸永
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003 夕食にて

とっとと物語の本筋に進もうと思っているのですが、遅筆で申し訳ありません。

先週、体調が悪いな~と思って、病院に行ったらコロナの陽性に。

昨年、一昨年と世間をコロナが騒がせていた時には罹らず、なんで今頃、といった感じです。


まだ体調は戻っていないので、様子を見ながらですが、連載を再開させたいと思います。

お付き合いいただけますと幸いです。

夕食の支度といても、そこは男の料理、簡単なものである。

とりあえず今ある食材、ということで目の前にあるのは解体したばかりの猪肉。

ただ、これをそのまま使ってもおいしくない。

肉はやはり、2~3日は熟成させないと。

なので肉はぶつ切りにして小さくすると、抗菌作用のある野草の葉で包み、今日は内臓をメインに料理することにする。


内臓の足は速い。

親父の要件はわからないが、1~2日で終わるものではないだろう。

となると用件を終わらせて帰ってきてから、では腐って食べられなくなってしまう。


ただ、内臓類=ホルモンは処理が面倒だ。

腸などは裏まで汚れをとり、さらにこびりついた脂肪を丁寧にとっていく。

沸騰したお湯で下茹でして、やっと食べられる状態になる。

それ以外、ハツ(心臓)、レバー(肝臓)、マメ(腎臓)、ガツ(胃)などはぶつ切りにして鍋に放り込む。

タンやトンソクなども下茹でだけしておいて、これは別に食べるかな。


ある程度、煮立ってきたら兄貴に鍋を見ててもらうよう声をかけ、小屋の裏にまわり、野菜類を手に戻ると、ちょうど煮立ってよいころ合いだ。

キャベツをざく切りにし、ニラ、ショウガを加え、あとは味噌を加えていく。


「何を鍋に入れてるんだ?」

横で見ていた兄貴が興味深げに尋ねる。

「あぁ、これか。味噌っていうんだ。

大豆を発酵させた調味料だな」。

「不思議なものを使うんだな~。ドワーフの伝統料理かなにかか?」

「いや、爺さんのではないみたいだな。数年前、旅のエルフが小屋に立ち寄った際にわけてもらった。使って減った分は、それを種にしてまた増やして、ちょっとずつ使ってる。

これを入れると、鍋の味がよくなるんだ」

「そういや、旅のエルフは見なくなったな~。

俺が子供のころは、年に一度くらいは村にやってきたのに。

ここ何年もみていない」


この大森林地帯は、人にとっては辺境であり、魔物が跋扈する魔境である。

たが森と共に生きるエルフたちにとっては、心休まる庭のようなものなのだろう。

確かに以前は、森の恵みを背負い、時々村にやってきては、物々交換していった。

味噌、というか麴株をわけてくれたのも、そんなエルフだった。

その時はまだ、爺さんは小屋で刀や鎧を打っていた。

そんな爺さんも、小屋は自由に使っていいぞ、と書置きして鉱脈を探しに出たっきり。

もう2年も帰ってきていない。


おかげで、この小屋を拠点に借り暮らしならぬ狩り暮らしを満喫できているわけだが……。


まあ、親父の用事とやらが終わったら、爺さんを探しにエルフの集落を探しに行ってみるのもいいかな。

そんなことを考えていると、鍋が煮えてきた。


「とりあえず食うか」

「そうだな」


男ふたりの食事なんで、言葉は少ない。

が今日の鍋は、我ながらうまくいった。

兄貴はかきこむように匙をせわしなく動かし、2人では多く作りすぎたと思った鍋も、あっという間に底が見えてきた。

締めとして、押し麦を投入し、麦がゆにしたが、それすらあっという間になくなると、明日の出立にそなえて簡単に荷物を整理し、早めに寝ることにした。






物語を早く動かせ、と思う方もおられるかもしれませんが。

世界観的にちょっと触れておきたい部分もあったので。

食事回を挟んでみました。


次話ことちゃんと出発したいです(笑)

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