獲物
田舎道を散策していた俺の目に、集団下校途中らしい数人の男女の小学生が映った。
俺は可愛いければどちらもイケる。
小学生たちは結構可愛い顔立ちの子ばかりだ。
子供たちが山向こうの集落に続く山道にお喋りしながら入って行く。
今日の獲物はあいつらにしよう。
俺は子供たちに気がつかれないように距離を取って跡をつける。
山道の両脇が鬱蒼とした木々に囲まれたところに差し掛かったところで、俺はナイフを片手に距離を詰め一番後ろを歩いていた子供の肩を掴み脅す。
「静かにしろ! このガキを殺されたく無ければ着いて来い」
都合良く鬱蒼とした木々の間にあった獣道に子供たちを追い込む。
獣道を数百メートル程歩いたらちょっと広くなっている場所に出た。
ここで良いか。
「止まれ!」
固まって俺の前を歩いていた子供たちに声をかけ歩くのを止めさせる。
「こっちを向け! え?」
振り向いて俺の方を見た子供たちの可愛いかった、か、顔が、獣のような表情になっていて口が耳元まで裂け涎を滴らせていた。
肩を掴み直ぐ前を歩かせていた子供が振り向き、片手を無造作に振って俺が握っていたナイフを弾き飛ばしてから掴み掛かって来る。
獲物は俺の方だったんだという思いが、全身の肉を喰われている俺の頭を掠めたとき俺の意識は途絶えた。