〜人生山あり谷ありエンタメあり!〜
この物語は自分が"やってみたい!"と思ったことを詰め込んだ話となっております!
色々拙い部分があるかもですが、是非この物語、彼らの人生を楽しんで貰えれば!
ふう、やはり"景色"というのはイイものだ。自経営の会社が休みの時にこういう絶景を見るのは色んな人の相談に乗って色んな面を見る俺にとっては本当に良い目の保養だ。心が休まる。
ただ、どうしても納得がいかない事は、色んな絶景を見てきても、どうしても日常にある"絶景を"を求めてしまうのは自分の性分なのだろう…
ただ自然の絶景を見てるだけでは"素晴らしい"というだけで終わってしまう、その事が俺に欠けた満足感を味あわせていた。
「なにか、この景色で動画とか取れたらいいよな…美人とか呼んだりして、その人をモデルとかにしてMV…だっけ?そういう短編動画みたいなこと出来たらいいよなあ」
いつもこんな感じで考えてはいるものの、すぐに現実に引き戻されて断念していた。
それがこの俺日方 透の休みの過ごし方であった。
まあ、俺は多分この違和感を胸にしまいながらのうのうと人生を歩んでいくんだろうな。だって俺いつも"思いつく"だけだしな…そんなんでやってもあまりいいものは作れないだろう。
そもそも、動画制作なんてやったことないがな!!
そんなくだらないことを家で自分語りしながらもだらだらとマンガを手に取り、過ごしていた頃。
ピンポーン
チャイムがなった、誰か来たのだろうか?今まだ朝の9時だと思うのだが…
玄関に向かう、そして扉を開けると─
「あ!来たよ!透く〜ん!」
バっ!!
勢いよく扉を閉めようとしたが寸前で阻まれる
「ちょーっと透く~ん?ナンデドアを閉めようとしてるんですかね~?」
「え、だっていきなり女の子が家訪ねてきたら一回閉じるでしょ?」
「いや閉じないでしょ!?そこは普通に対応しようよ!?ていうか幼馴染でしょうが!なんで他人事のようなのよ!」
「あ、凪咲だったのか、すまんすまんわざとだったわ」
「忘れてたでしょってわざと…?今わざとって言ったでしょ透!」
このいかにもムードメーカーですよって感じの子は観旅 凪咲俺の幼馴染であり、まあ、天才である。
やろうと思えば何でもできるっていうのは本人から聞いた言葉だが、実際何でもできていたので本当の事なのだろう、容姿も完璧で無茶苦茶美人である。会う度にこいつは反則だなと思うものだ。
性格は活発的で行動的、思いついたらすぐ実行に移してみるというやつだが、人一倍責任感も強く、一度決めたことはやる真面目というか頑固なのかよくわからないやつだ。
「んで、何しにこんな時間から俺の家に来たんだよ?」
「わざとっていうのはスルーする気だな・・ま、いいけどさ、何しに来たって、そりゃ、ただの暇つぶしですけど?」
無茶苦茶いい笑顔で堂々と暇つぶしってこいつ、さては暇なたびに俺の家に来るんじゃなかろうか…いや、やめよう、今更考えても意味はない。
「──はあーー、全く。俺の幸せな時間がこうも早く終わるとは、人生ってフクザツだな」
「何言ってるのよ、あ、もしかして。何か満足いかない事でもあった?」
「お前は心が読めんのか?」
「そんなわけないじゃん、ただの女の勘!なんちゃって」
わざとらしくてへっとしてても違和感ないのはこいつの容姿だからだろうな、だが、無性にイラっとするのも間違いないだろう。
「ほんと、早く帰ってくれないかなみたいな顔になってるよ?大丈夫~?」
「誰のおかげでそうなったんでしょうね?」
「しーらない!」
凪咲のやつ、、ぬけぬけと…はあ、、、、まったくこいつの相手してると体力持たねえ。
「まあ、そんな面白そうで面白くない身内話は置いといて、どうなの?」
面白くない話で悪かったな、と内心で愚痴りながらも凪咲が来るまでに思っていたことを伝える。
「へえ、そういうことねえ」
と言ったきり何かしら考え込んでいる様子になる凪咲、少し間が出来た頃、凪咲の口元に笑みが見えた。
絶対なんか思いついたな…
「ねえ、透、私たちで旅行しない?」
「──は?」
いきなり何を言うかと思ったら、、、旅行にいく?話がぶっ飛びすぎて脳の処理が追い付かないんだが…
「お、おい凪咲、お前、旅行ってどういうことだよ?というかまずどうやってその結論になった!?」
そう、これが重要だ。なんで絶景をただ見ているだけじゃ満足できない、それで何かMVのような動画を作ってみたい、でもそれは現実的じゃないし、難しいだろうから、俺は退屈なままのうのうと人生を歩んでいくんだろうなっていう悩みから旅行にいこうっていう考えになるんだ!?
「ん?それはね、海外の色んな絶景を巡って、その絶景を舞台にした動画を作ってSNSに投稿してみたら面白そうだなって思ったんだよ!考えるよりも行動!!これが私クオリティ!」
──その言葉を聞いた時、呆れるよりも先に出た感情は、、、"面白い"だった。
心の底から興味がわいた…「やってみたい」と思う、この体中が熱く、高鳴る感じは止められない熱量になって俺を震わせた。
だが、無視できない問題も頭に入ってくる、誰がその動画を作るのだろう、動画の編集は簡単に出来るかもしれない、だが、それは初心者の範囲でだ、俺が想像しているのはプロのような知識と熟練した技術が求められるものもあると思う、それを思うと俺の理想が高すぎるとも思った、初心者でも頑張って作ればきっといいものができるといった意見もあるだろう、でもそれでは俺が納得できない事だった、これで妥協しては俺は多分、心にもやが残った感じで、決して"心からの満足感"は得られないのだろう。
わがまま、自分勝手と言われてもこれを曲げるつもりはなかった、なぜなら。自分が思いついた通りで作れたとしたら、その作品は絶対"面白い"…
「なあ、凪咲」
「ん?どした?」
「俺はさ、かなりのわがままだぞ、ないものねだりの、超わがままなガキのような奴だが、それでもさ」
──!!
彼女は少し驚いたような表情になりながらも続きを促すように、そして待つように視線を向ける。
「俺がやりたいからやるって言ったら"どうする”」
俺はこの一言に尽きる、それでも俺はわがままで自分勝手の気分屋、だから凪咲には確認しておきたい。
俺のこのクソ面倒な気持ちと一緒にやってくれるかどうかを!
「──なら私の答えは、きまってる」
そういって、凪咲の雰囲気が変わる。
「もちろん、何でもやってやるよ、そして私を退屈にさせないでよね、ないものねだり君?」
そういって俺の胸をつかみ顔を引き寄せ、色んな感情がないまぜになったような笑顔で彼女はそう言った。
ただ、確かにその瞳には彼女の輝きが見えていた。
それは俺の瞳に焼き付けられ忘れることがないほど、綺麗な表情だった。
きっと、この時の俺も同じ顔をしているんだろう、この心の高ぶりが収まらないほどなのだから。
一方、凪咲は.....
──やばい、やばいやばいやばいいいいいいい!!!!
なにあれ、なにあの透の表情!暇だからって気まぐれに家に遊びに来て、少し悩んでるような表情だったし力になれそうだったら手をかそうと思って、思い付きで言ったあとのあの表情…なんか、、もう反則過ぎない!?
私も余りのカッコよさについつい透の服掴んでカッコつけちゃったけど…それでもあれは反則だよおおおおおおおお!!!
..........っていけない、余りに透の表情が良すぎてドキドキしてときめいてしまった。
全く透もムッチャイケメンなのに、そういう自覚が全然ないのも困りものだよね、ファッション雑誌とかのモデルとか来ててもおかしくないのに、なんで──(思い出す透の性格)──あ…
ま、まあ!透だってこんな一面もあるのね!正直珍しいな、、今まで色々思い付きで誘ったりとかしてみたけど、即断られるか、気まぐれで来てくれるとかだったのに、今回は無茶苦茶乗り気だし、、これはチャンスかも、透と一緒に…フフフ
でも、もう一つ、観えたものもあった。
彼の瞳の奥に眠る、もうひとつの彼女と、彼の"仮面"を、、、
私も彼についていくと決めたのだから、覚悟を決めないといけない。
私だからわかる、彼はこれから、想像もつかないような人になっていくんだろう。それこそ、別人の如き変化を遂げるのだろう。
私は、責任感なら普通の人よりはあると思う、だからこそ、自分が言いだして、誘ったことに対する責任もとらなければいけないだろう。
だけど今は、、今だけは。私は彼に恋する一人の女の子として、観覧者として、彼の物語を見るだけでいい。
私は彼の歩む先を一番近い、特等席で見ることが一番好きだから。
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ここから始まる、一人の天才の、、、"観覧者"としての裏の物語。
ここから始まる、二人の奇才、、、"詐称者"としての表の物語。
今、エンタメの様な2人の人生の幕が開けたのである。