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猫二匹と始める異世界下水生活  作者: 友若宇兵
第二章
31/75

6話

今回話の都合で切った部分が短いので二話アップします

*オリー*



「先に失礼します。ここの支払いは済ませておきますので」


 そう言ってマールは立ち上がると振り返ることもなく行ってしまった。途中から明らかに様子が変だった。なんだろ、第一王女様って人に随分と拘ってたみたいだけど。


「俺なんかまずいこと言っちまったかね」


「そんなことはないと思うニャ。なんだか様子もおかしかったニャ」


「普段からあの態度ってわけじゃあねえのな。よかった。いきなりお偉いさんに嫌われちまったのかと思ったぜ」


 ヒューはふひー、と大きく息を吐いてから、残ったお茶を飲み干した。


「第一王女ってどんな人だったんだニャ?」


「俺も遠くから見たことがある程度でよくは知らねえんだけど。随分美人だったらしいよ」


 王家の一族はみんな見事な銀髪でねぇ、とのこと。


「そういや王女様は魔導師の学院だかに留学してて、冬季休暇で戻ってきてたんだっけなぁ」


 うちの国は冬が長くて、新年の祭りは盛大にやるんでねぇと、しみじみともう戻らないものを懐かしむように言う。僕も元の世界のことをこんな風に話せるときが来るんだろうか。


「あーっと、変な空気になっちまったな。あんたの話しも色々聞きたいところだけど、お姫様も帰っちまったし任務に戻るわ」


「僕も出ようかニャ」


 そこに丁度、女中さんがお茶のお代わりを持ってきてくれた。マールが出ていくときに注文していったらしい。


「ありゃ、勿体無いからあんただけでも飲んでいきなよ。安いもんじゃないしな」


 じゃあな、と手を振ってヒューは一階に降りていった。残されたのは僕と猫二匹。しゃーない、お茶もお茶菓子もまだ残ってるしもう少しゆっくりしていこうか。


「なんだかわからないけど色々あるニャ」


「オリー、貴方は聞いていないかもしれませんが、お嬢様は双月の園という魔導師養成学校に通っていました。先程の話ですと北方王国の第一王女と顔見知りの可能性がありますね」


「あー、そうなのかニャ! 全く気が付かなかったニャ」


「おめーはもうちょい注意深くしろよ? 俺たちだけじゃカバーできねえからな」


「ごめんニャ」


「ね、猫が喋ってる! 使い魔か!」


 急に横から声をかけられる。周りを気にせず猫たちと話してたのよね。ちょっとうかつだったかな。

 

 短めの黒髪に短髪で眼鏡をしてる。この世界も眼鏡あるんだね。あーでも、レンズが湾曲してなくて、平たいな。そういう技術は無いんだろうか。身長は僕とそんなに変わらないくらいかな? 着てる服も上等そうで、袖なしの真っ白い衣装に黄色の太陽の紋章が入ってる。これは町中でも何度か見かけたな。


「どなたですかニャ?」


「いやあ、突然話しかけて申し訳ない。自分はジャイオ・パッセ、太陽神殿の侍祭をしています」

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