補足説明
この物語には船舶に関するいくつかの専門用語が出てきます。
そういう用語を知らない人にもこの物語を楽しんでほしいので、以下、知っておくと読みやすいかもという補足をしておきます。
針路について
作中、「針路~~度」という表現がたびたび出てきます。
これは0度を北、90度を東、180度を南、270度を西として、時計回りに360度で方向を示しています。
マニアックな言い方で「針路1-8-0」という表現もありますが、180度と一緒です。
距離と、船の速度について
本稿は通常時は海里、戦闘時はメートルを使っていて、船の速度はノットで表しています。
メートルはいいとして、1海里は1852mで、まぁだいたい1,8を掛けた数字が、~~kmと思ってくれればよいです。100海里は180kmってことです。
1ノットは時速1,852km/h。海里と一緒であり、つまり1時間で1海里進む速度を1ノットと言います。
なので、こちらも1,8をかければ概ねの時速はわかるぞ、といった感じです。
『弓槻』の速度指示について、
作中、『弓槻』は微速、半速、巡航速、全速の指示を出されています。
それぞれ、6,13,18,26ノットだと思ってください。実際の船とは違うのですが、そういうとこを楽しんでもらう意図がないので単純になってます。
半速:全速の半分、微速:さらに半分…わかりやすい(笑)。
なお、巡航速というのはその速度で走ると一番燃料を消費しない速度です。
船の左右
船の側面を舷側といい、真上から見て右が右舷、左が左舷です。
右に曲がることを面舵といい、左に曲がることを取舵といいます。
戦艦、巡洋戦艦、巡洋艦、駆逐艦(二章以降)
作中、上記四種の戦闘艦艇が登場します。
用途や成り立ちが違い、名前に差があるのですが、その知識自体はこの物語には関係ないので、ものすごい乱暴な区分けをすると、でかさの違いだと思ってください。
戦艦>巡洋戦艦>巡洋艦>駆逐艦
こんな感じで。
もうちょっとだけ細かく知りたい人は以下説明
元々戦闘や偵察、とにかく国を守るための任務に就くために作られたのが巡洋艦です。「洋(海)を巡ることのできる艦」ということです。
そしたらだんだん戦いがエスカレートして、重くて強い奴が求められるようになりました。そこで、偵察みたいなことしないで戦うことに特化した重装甲、大口径砲を備えたのが戦艦です。
一方で魚雷という、しっぽにプロペラのついたマグロみたいな、強力な破壊力がある兵器が開発され、それだけを積んだ小型艦艇(水雷艇)っていうのが出てきました。まぁスズメバチみたいなものです。ちっちゃいのに強力。
ハチの大群を人間がすべて撃ち落すのが難しいように、大型の戦艦によってたかってこられるのがうっとうしかったので、もっと小さくて追い払いやすい艦艇が必要になり、そのために作られたのが駆逐艦です。
そしたら驚いたことに水雷艇というヤツは海をもぐり始めまして潜水艦になったために、本来の駆逐艦は対潜水艦用の装備も充実しています。
巡洋戦艦に関しては作中でも説明がありますが、戦艦並みの大口径砲を装備してますが、あまり重装甲にせずに速度を保った仕様です。史実では戦艦同士での戦いでは使えない兵器だということが判明したのですが、その後、戦艦同士の戦いなんてなくなりまして、高速で空母という艦種を守ることができるため、戦艦よりも重宝されました。
さらに詳しい説明を知りたければ調べてください。この物語には必要のない知識です。
艦隊の陣形
戦闘艦は複数集まると連携をよくしたり、重要艦を守り易くするため、一定の陣形を組んで行動します。
本稿では、以下の陣形が使用されています。
単縦陣
指揮艦(旗艦といいます)を先頭に、まっすぐ立てに並ぶ陣形を言います。ちなみに二列でも先頭艦がそれぞれに指揮をするのであれば単縦陣と言います (=←旗艦)
↓こんな感じ
『 =------- 』
輪形陣
指揮艦や重要艦を守るために中心にすえて、その周囲を取り囲むように配置する陣形です。
↓こんな感じ
『 - - -
- - - -
ー - = - -
- - - -
ー - - 』
弓形陣
本稿では名前が出てきませんが、使用はされています。近代戦には用いられない原始的な陣形で、矢尻を思わせる形をしています。
↓こんな感じ
『 -
ー
=
-
- 』
また必要そうなものが見つかれば足していきます。