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その8話 または、如何にして騎士団員の中で進化ゲームが流行したのか?

おかしな国の、おかしな騎士団の物語。


今回は、この国でも流行し始めた、進化ゲームのお話……


え〜い!トドメだ〜っ!

ふぅ……ようやくソロで中位の魔物や魔王を倒せるようになった。


貢献も、見る人は見てくれているようで、いつの間にか褒章の勲章まで貰えるようになっていた。

俺も、なかなか成長したのかな?


と、その時は思っていたのさ……

次の日、魔物討伐ノルマをこなしていると、妙な感触に襲われる。


「こ、こいつら、攻撃が通らなくなってるぞ!気をつけろ、同じレベルでも、何故か手強い!」


と、別グループでノルマこなしてたらしい小隊長が叫ぶ。

やっぱりな。

昨日とは、えらい違いだろう。

本来、魔物や魔王ってのは、その特性上、苦手属性と得意毒性があるのだ。


鑑識の魔法を使えるものが騎士団には多い(基本魔法だ、このくらい)ので、基本的に討伐する魔王の弱点属性を持つ武器や装備を使うのだが……


それが通用したのは、昨日まで。

今日は、なぜだか弱点装備が通用しない。


まあ、苦労はしたが、なんとかかんとか叩きに叩いて、俺達も、他に戦ってたグループも魔物や魔王を倒したよ。


ん?今まで落とさなかった、変な素材……錆びてはいるが、これは細身の剣か?

素材の属性を見ると、こいつ1本だけじゃ何も作れないようで……あと2本必要だと?


まあ、今まで作ってきた武器や装備には、同じものが50個とか120個とか、何考えてやがる?!とか突っ込みたくなるような物もあったので3本くらいなら何も言うことはない。

その時は、そう思ってた、俺も……


数カ月後。


「ちっくしょ〜!どこまで素材と強化を続けりゃラストまで進化できるんだよ?この細剣!」


そう、未だに、あの時に作成した細身の剣が、最終進化しないのだ。


ただし、この剣、意外に使えることがわかった……のも、ある程度の強化とサビ落とし、そして第一段階の進化をさせた後だったがね。

こいつ、今までの武器や装備とは違い、多段進化をすることが判明した。


でもって、進化すればするほど強くなる、そんな武器だってことも判明した。


その時には、みーんな喜んだ。

数カ月後には、呪いだと言いつつ、それでも手放せないカースアイテム(呪いの装備)に、いいかげんうんざりしつつも、魔物や魔王の弱点と判明した細身剣を手放せない者が大勢。


魔物や魔王を、ノルマの数倍討伐して落とすアイテムで、細身剣を強化し、クラスアップし、また素材を集めて進化させ……


「おい、お前、どこまで細身剣を進化させた?」


「俺、鉄のレイピアの中間くらい。素材以外は条件揃ったんだが、素材が出ね〜んだよ〜」


「わたし、もう少しで鉄のレイピアを次の進化させる条件が整う。どの属性付きにしようか考え中」


「オー!凄いな。どれだけの魔物と魔王、狩ったんだ?」


「そんなには。毎日毎日、ノルマの10倍位だよ」


ものすごい話が、隣のテーブルから聞こえてくる。


中隊長や騎士団長などは、


「目先の進化に惑わされるな!自分の気に入った武器や装備を使い続けて、じっくり育てるのも重要なんだぞ!」


と、ことあるごとに訓示で言うのだが、新しい騎士たちの耳には入らない。


今日も、決まった種類の魔物や魔王が、りくえすとシステムとかで、ぞろぞろと対戦チームの元へ現れていく。


俺達、半端者チームは、その光景を見ながらも、あえて別の魔物や魔王と戦う。


ふん、羨ましくなんか、ないんだからな!


心のなかでは、奴らと一緒に進化アイテムを手に入れたい!

だがしかし、ベテランの意地が俺達を別の戦いに差し向ける。

今日も俺達は、不要なアイテムと分かっていながらも、違う魔物や魔王と戦うのだった……


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