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その13話 または、クリスマスツリーがアイテムになる理由(わけ) 

遅くなってしまいました。


年内に、もう一話ほど書けるかな?書けなかったらご勘弁!


もう少しで、年越しの祭りか……今年は1年が早く過ぎ去ったような気がするなぁ……


私は、王に依頼されたクリスマスツリーを伐採するために、雪の降り積もった山奥へ来ている。

この山は、木の魔物「トレント」が大量に出ることで有名な山だが、宮廷騎士団には魔王以外に敵などいない。


今も、山の頂上にあると言われている聖なる樅の木の苗木を取りに行くところだ。


ん?

王からの依頼は、ツリーの伐採だろうって?

苗木じゃ、小さすぎるってか?


はっはっは!

普通の樅の木なら、そうだろうな。

しかし、聖なる樅の木は違うのだよ、新入りの騎士君。


こいつは、山のてっぺんに1本だけ生えている時には小さいのだが、人里へ持ってきて、大勢で世話をして、沢山の飾り付けをしてやると、だな……


あっという間に成長するのだよ。


え?

そんなのは魔物のトレントと変わらないじゃないかって?


見た目はそうかもな。

しかしな、聖なる樅の木と言うだけあって、その後も便利なアイテムになってくれるのだよ、こいつは。


おっと!

無駄話をしてたら、トレントの大群が待ち構えておったな。

新入り、気を抜くなよ。

たまーに、レベルの高いトレントがいるからな。

そいつに当たったら、一撃で終わりだぞ。

ここは、洞窟じゃない。

魔物や魔王が親切にも麓へ運んでくれるわけじゃないからな。


おーらおら!

そこを開けろ、邪魔臭いトレント共!

あくまで邪魔するなら、葉っぱ一枚残らず引きちぎってやるぞ!


うわぁ……うちの小隊長、今回、やけに張り切ってるね〜。

もう、当たるを幸い、トレントを集団でなぎ倒してるわ。


え?

新入り君、うちの小隊長が、なぜに張り切ってるかって?

それはね、聖なる樅の木のおすそ分けが貰えるからさ。


ツリーの公開が終わると株分けされて、小さい樅の木の株が貰えるんだよ。

これがねー、アイテムとして役立つんだ。

下手な剣よりも強くなるんだぜ。

小隊長としては、張り切らざるを得ないよな〜。


僕は、新米の騎士団員。

入ったばかりで、今もそうだが、未だに戦闘方法とスタイルに慣れない。

この人たち、位が上になればなるほど、剣や槍に頼らない戦闘方法になるようで、今も僕の所属する小隊の隊長は、拳1つで自分よりもはるかに大きな木の魔物トレントの集団に突っ込んでいく。


木には火が有利だと、僕も分かってはいる。

でも、あそこまで非常識な戦い方は見たことがない。


着ているコートや履物、皮鎧ではないスーツのような黒衣。

編み上げブーツにも火の効果があるものをまとっているらしく、全身では炎の塊のような、もう人ではない魔神じゃないかと思うような小隊長。

炎に挑んでいくトレントも勇敢(?)だとは思うが、いかんせん、相手が悪すぎる。


小隊長の往くところ、黒焦げのトレントやら、レア魔物だろう木の人形(サンタ衣装版)やら、スーパーレアなヌイグルミのクマ人形(こいつもクリスマス衣装)の炭化したものが後に残される。

後で聞いたら、炭じゃなくて、炭が入ったお菓子なんだそうだ。

真っ黒なお菓子は、あまり食欲がわかないけれど、食べてみたら結構いける!


ということで、小隊長の後を追いながらも、僕達は真っ黒なお菓子やら、金銀銅のベルやらを回収していった。


ついに、目的の「聖なる樅の木」の苗木が見つかった。

本当に、山のてっぺんに1本だけ、ぽつんと生えてた。


小隊長は、驚くほど丁寧に苗木を抜き、回りの土と共に根っこを幾重にも保護するために藁と古い絨毯を巻きつけて、今度もトレントの密集する斜面を下っていく……

僕達は、小隊長を追いかけながらも、魔物たちの落としたアイテム収拾を忘れること無く、王城まで帰った。


王様は喜んでくれたけれど、後で配られた樅の木の株分けは、本当に小さいものだった。

先輩に聞いたら、これは自分で成長させなきゃいけないものらしい。


それも、少し強化や進化させれば良いものじゃなくて、それから先があるよ、とのこと。

うわぁ……少し前に話題になった、錆びた細剣みたいなものですか?

と聞いたら、ほぼそんなもんだよ、と軽く言われた。


はぁ……先は長そうだな、こいつが僕の手放せないアイテムになるのは……

僕は、ようやく錆落としが終わった鉄のレイピアに目を落とした。


こいつだけでも、ようやく錆落としが終わったところだというのに、また2段進化するのかい。

小隊長や先輩のようなレベル高い人たちならいいんだろうけど、僕には荷が重いよな〜……


次から、無属性だけじゃなく、木属性との戦いも考えないとな〜。

僕は、明日からの2属性特化に向けた戦いを思い、ため息をついた……


騎士に年末年始などないのだった。


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