黄巾の乱と劉備玄徳
秦の始皇帝が築いた秦国が滅び、漢の国を築いた皇帝もまた、時の流れに乗って時代と共に腐敗し、宦官の思うままに支配されていた。
曹操孟徳は腐敗した国がいずれ滅びることを予期していた。
その予感が的中したのは、数年後に起こった黄巾の乱である。黄巾賊を率いた張角は、漢の国に反乱を起こして民をまとめ、横暴に国の足場を揺らし、自分を神だと叫ばんと戦乱の世を作り出した。
その頃、公孫瓚やたくさんの友と共に師から学問や武芸を学んだ劉備玄徳がいた。
彼、劉備玄徳は黄巾の乱を起こした張角がかつて、師・慮植の下で学んだ友の一人と知ると、劉備は張角の下に向かって行った。
「どうして、こんなことをするのですか、張角さん?」
「今、朝廷の漢王室は腐敗している。皇帝を意のままに操り、民から金を奪い私利私欲のためだけに貪っておる」
そして、張角は劉備に手を組まないかと誘うが、劉備は張角の申し出を断り、地下室に監禁される。それを救ったのが、朝廷の腐敗に気付いていた曹操孟徳であった。
「ありがとうございます。私は劉備玄徳と申します」
「気にすることはない。名を名乗ってくれたのに、こちらも名乗らないのは失礼に値するな。私は曹操孟徳という」
この時、2人は出会った瞬間、お互いに只者ではない気配を感じた。
玄徳は曹操と別れた後、酒屋に向かう。仲間を集めるなら、一番強い者がいる場所でもある。
「また酒かい、張飛さん」
酒屋の女主が、張飛と呼ばれる男に呆れたように酒を出している。