表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/43

起床-79312回目の学校生活-7

 は?

 逆ナンには見えないけど

(こんなおとなしい娘がそんなことするわけない)

 きっと真面目に話しているんだろうし


「なんだか『はじめまして』みたいなカンジじゃないんだ

 私なにか忘れてるのかもしれない・・・

 でも今日初めてあったよね?」

 ゆっくりだけど確かに彼女は俺に問うた


 どういうことだ


「ははっ、他人のそら似じゃない?

 俺あんま特徴のある顔じゃないし」

 愛想笑いをした彼女は何か思ったのかもしれない

 弱々しく笑い返した


「・・・俺鍵返してくるから先帰っといてくれていいよ」

「そっか、ヘンなこと聞いてごめんね?

 じゃあお先に」


 彼女は足早に帰っていった

 まるで俺から逃げるように・・・

 そして俺も教室から職員室へと足を進めた




 俺以外の人々は記憶を失う

 それは『絶対』であり例外なんていた試しがない

 ナゼ彼女は忘れていない?


 まだ完全に記憶しているとは限らないが

 彼女はこの世界<79312回目>に既視感を憶えている

 例外なのか?


 それともこの世界のシステムは既に壊 れ 始 め て い る ?


 彼女は確か学級委員の『園崎 由佳』

 あまり印象に残らない少女

 彼女と他の人の違いはなんだ?


 79312回目にしておきた不測の事態

 少しの動揺と少しの期待が胸をよぎる

 これは転機かもしれない


 考えなければいけないことと

 確かめなければいけないことが増えた

 早く帰ろう


 俺は鍵を帰し足早に学校を去った




「あら、おかえりなさい」

 マンションの階段を駆け上がり自室の前に来る

 そこにはおばさんがいた

 隣に住んでいるそのおばさんは俺の部屋の少し横で

「おかえり」と言ったのである


 別に彼女は変人というわけではない

 彼女はただ『繰り返している』だけなのだから


 そして俺はその背に向けてナイフ<得物>を振りかぶり


 勢いよく振り下ろした


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ