起床 ー79312回目の学校生活-6
「くぅ~
やっと昼飯か・・・」
「大袈裟だなー羽芝は、南野の真面目さを見習えば?」
肩が凝るような4限目を終え、今にも音を鳴らしそうな腹をさすった
今日の弁当なに入れたっけ
「てかさ、お前寝てただろ」
見てたのか・・・
思わず呟いてしまいそうになったが慌てて飲み込んだ
そう
なんども聞いた授業をまた聞くだなんて
これほどの苦行はありもしない
だから寝たそれだけのこと
前で羽芝が騒いでいるのを聞きながら弁当を広げた
それに気づいたのか羽芝は騒ぐのを止めた
くだらないことを話ながら昼食を食べていた
こちらから喋らなくても、羽芝が一方的に喋ってくれるので楽だ
昼休みはあっという間に過ぎっていった
さあ寝よう
そんなこんなで初日はこのまま何事もなく終わるかのように見えたが
帰り道その考えはことごとく打ち破られた
「じゃあ、俺帰るわ。掃除頑張れよ」
「おう、また明日」
運悪く教室の掃除を任されてしまった俺は、
同じく掃除を任された女子と共に掃除を開始した
放課後の教室に女子と二人
特に会話はなかったが別に気まずい雰囲気ではなかった
転校初日に掃除をやらされるなんて、と思っていたが
一人じゃなくてよかった
「よし、掃除も終わったし帰るか」
「うん。お疲れ様」
そのまま教室を出ようとした俺を彼女は引き留めた
「あの、さ・・・こんなこと聞くのヘンだけど
私達ってホントに初対面なの、かな?」