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起床-79312回目の目標-2

 

 僕はこの繰り返しの中でなにも学ばなかった訳ではない

 

 考え抜いた結果、

 もしかしたら正しい死に方?をしないと

 死ねないのかもしれないという結論に至った

 

 なので根性が物を言うような作業だが、

 思いついた方法を片っ端から試していくことにした

 時間はたっぷりあるんだ、焦る必要は

 ない

 

 人は善くも悪くも感情に振り回されている

 ならばその感情を利用し、

 逆に僕を殺すようにしむける

 これならば簡単に死ねるだろう

 

 どの感情を利用するかはもう決めた

 

 『愛情』

 

 新しい目標を手に入れた僕はすっきりした気分になった

 はやる気持ちを抑えながら制服に着替え

 

 学校に向かうべく家の扉を開けた

 

 

 僕は一度死ぬと

 それまでのことがリセットされ

 高校2年生で転校するところからやり直すことになる

 理由なんて知らない

 

「壱ノ葉高等学校」

 

 見上げるほどの立派な校門は自宅から約15分の位置にある

 一人暮らしで朝やることが多い僕にとって

 学校が家に近いのはうれしい

 (寝坊しても安心だ)

 

 高一の時は実家から通っていたのだが

 この学校は家から遠いところにあるの

 今は一人暮らしをしている

 昔から台所に立っていたので自炊には困らない

 

 

 ここ百年あまりはクラスメイト全員の性格を

 把握するために動いていた<生きていた>ので

 今僕を知っている奴は一人もいないが

 

 こちらはすでにクラスメイトの好きな人まで熟知している

 相手にどんなことをしたら

 どんな感情を引き出すことが出来るのか理解している

 

 だから転校してすぐ息苦しい思いをする必要もない

 

 もっともその知識を活かすことができるのかは怪しいのだが

 まあ、そこは『経験』で乗り越えればいいや

 

 

 僕には目的がある

 いつまでもここで突っ立ってはいられない

 

 止めていた足を再び動かして、

 僕は門をくぐった

 


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