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近未来科学Galilei・Refrigerator  作者: 淡水
苦悩のリスタート
17/22

ネット掲示板

久居IC以来、俺は情報を手に入れていなかった。久しぶりにネットでもするかとPCをたまたま開いていた。こっちに来てからというもの落ち着いて腰を置いていなかった様にも思える。


菫ちゃんという画像を専門とした掲示板を見ること俺は好きだった。匿名でよく書き込みもしていたし。IPが表示されるため、俺はよく顔を出していたのもあって割りと知られている。


題名:田舎での大事故。

レス:90件。

ニュース版という要は世間で起きたニュースを話し合う様な掲示板がある。珍しくもう少しでレスは大台に乗りそうだ。

俺も便乗してコメントしようとページを開く。最初に映ったのは画像で新聞の切り抜き。この画像は関係なかったりもするし関係してたりもする。

画像を別ウィンドで呼ぶ。


三重県津市 伊勢自動車道で大事故。


新聞の日にちはおおよそ17年ほど前。そして、新聞のトップの写真には高速道路から転落したかの様にひっくり返った一台の車。


―おいおい・・・。


『すげぇな・・・これ。』

『あぁ。でも、こんなのニュースでやってた?俺今年で40なんだけど。』

『やってなくね?』


スレ主はメールアドレスをつけていた。なんらヒントがもらえそうだ。直ぐにメールを送ってみた。


【初めまして。突然のメール失礼ですが、この新聞の記事について何かご存知ですか?】

大まかな事は伏せておいて、情報提供を求めるメールを送信する。


暫くすると、ブーブーと携帯のバイブ音。


【知っていますよ。私はNACAの職員でしたんで。名前は?】


―NACA!?

何となく繋がっている様にも感じることが出来た。結局はNACAに繋がっている!


【私はこの事故で両親を亡くした谷岡忠明と言う者です。】


直ぐに返信は来た。


【あなたが今日、あの掲示板を見ることは分かっていたので良かったです。私はNACAで研究をしてましたが、アメリカの本部で少し興味深いものを見つけまして。】


最初の一文は気になったが、その後の話が衝撃的だった。


まず、俺の両親はNACAに殺された。宇宙での事故、被曝の隠蔽のため。だが、母は俺を産んだ。それがNACAにもバレたのだ。


あのオーロラの日。


俺が両親の死の真実を知らないために200人体制で俺を見張るという。上層部も勿論許可を出していた。



200人という数字には驚かされた。だが、ようやく本題に近づいてきた。オーロラに関しては何も分からなかった。

「ケイコ。帰る支度をしろ。」

「えぇ!?」


「どうしたってんだよ!」

ケイコも文子も俺の急な発言に相当驚いている。


「おおむねの真実はつかめた。ここに留まる必要ももう無い。」

「なら、あたしも連れてけ。」


そこで文子はそう言う。


「はぁ!?」

「あんたをここで1週間泊めてあげたんだから。お金欲しいくらいよ。」

「ここは俺の家だぞ!」


「まぁまぁ。文子ちゃんも行こ?どうせ、今は部室は谷岡しかいないんだから。」

半ば強引だが、急遽文子も名古屋へと行くこととなった。


□■

伊勢中川駅。

あの後、文子はすぐに許可をもらって出発した。


To:科学同好会メーリングリスト【部室に集まってくれ!】

直ぐに返信。From:運営【鏡睦美さんはメールアドレスが変わった様です】

―分かってるの。


直ぐに全員集まることが出来たらしい。


俺たちも伊勢中川駅から出発する名古屋行き特急に乗り込んだ。


□■

大須商店街。

「へぇ。栄にはよく行くけど、大須は初めて。」

「電気街だな。いわゆる。」

「ふぅーん。」


そんな会話が複合ビルに着くまで繰り広げられた。


□■

科学同好会 部室。

着いたのは夕方ごろ。夕焼けの茜色が部屋に差し込んでいる。そこにあるのは一つの暗い影。

サヨさんだった。


「他の部員は?」

「暫く出てってもらってる。後ろの子達も暫く外に出してあげて。」

「?ケイコ。大須を案内してやれ。」

「・・・分かった。」


ケイコと文子は姿を消した。


「で、何ですか?」

サヨさんは静かに俺に紙を手渡す。


―住民票―

親権:大田サヨ


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