孤児院とIC
津市内の孤児院。
「あら、忠明くん!」
第一声は勿論孤児院の院長だった。院長は俺がいた時に勤務になって10年以上勤務しているようだ。
俺が孤児院にいたのは中学卒業までとつい最近。親権を誰が持っているか知らないらしく、俺を引き取れる人間が居なかった。
逆に親戚に気を使わずに済んだのは良かった。
「あの、俺の両親って何で・・・。」
「あぁ。そのこと。」
理由も無く帰省すると思っていなかったらしくある程度いろいろな想像の元で回答を作っていた様子。
「宇宙で事故にあって・・。」
「それじゃ無いみたいなんです。」
俺は孤児院に一緒にいたという女が俺が被爆していると話した。
「・・・。そう、前は普通に話していたからね。」
そこで院長は静かに語った。
両親は俺が生まれる前に宇宙で活動中に事故に遭遇。何時間か宇宙に放り出される事故に巻き込まれた。しかし、両親は無傷で奇跡的に帰還した。しかし、その時被爆をしてしまった。そして、被爆を受けた少年が生まれたが直後に高速道路から車ごと落ちて二人とも死亡した。
「じゃあ、俺が被爆してるって話も・・・。」
「えぇ。勿論ホント。幸い影響は特に見られなかったけど。」
昔は理解出来ないことも含め普通に説明はしていたと言うものの俺はすっかり忘れていた。
「俺の親権は誰が持ってるか知らないんですか?」
「それについては全く分からないの。見えない力とは言わないけど、どこからか圧力がかかってるとしか言わざる得ないわ。」
□■
津市の田舎。谷岡の実家。
「どうやったん?」
開口一番迎えられたのは文子。
「あぁ。俺が被爆してることは間違いないようだ。宇宙で事故ったのは俺が生まれる前でその時に被爆。んで、俺が生まれた後交通事故で死んだらしい。」
「・・・。まぁ、落ち込むな。」
顔にでも出ていたのだろうか、文子はそういった。だが、落ち込んでいるつもりなど無い。俺は事故にも疑問を持っている。高速から落ちる事故はメディア沙汰。だが、担任も知らないことは間違いない。何故、親の宇宙での事故が微妙に返られている?俺は17年間の経験から何かがあると踏んでいた。
院長の話では数年前社会実験の際に無料にした久居ICから繋がる伊勢自動車道で事故は起きたらしい。
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三重県津市 久居IC
「えぇ。ありましたよ。ここ20年、あの規模の事故は起きてないぐらいなんですから。」
料金所の番をしていたおじさんに聞いた。ETCが普及した今、彼の仕事は中々無いらしく暇をもてあましているらしい。
何でも、両親の車は制限速度を破って高速道路を逆走していたらしい。そのまま、壁を突き破り転落。車は原型を留めていなかったという。
□■
帰り道。
謎を解明すればまた謎。まるで謎の上に謎を重ね続け起きた事件だ。いや、おそらくそうであろう。俺がどのぐらいまで解明したのかは分からないが、それだけはもう分かっていた。
両親は誰かに殺された?
その疑問が頭を駆け巡った。




