廃部宣言
担任に被爆のこと聞いたがやはり言われたのはこの前と同じ。
俺は部室へと急行した。
□■
科学同好会 部室。
「遅い!」
「すまない・・・。まずは勝手なことをすることに謝罪させてほしい。」
そこで全員が顔を見合わせる。
「我が科学同好会は、今日を持って廃部とする・・・!」
「「「「「は!?」」」」」
空気がざわめく。当然だ。
「な、何で!?」
「実はな・・・。」
先ほどの話を話した。俺に両親との記憶など無いが己の出生に疑問を持った今、地元へ戻るしかなかった。
「そういうわけだ。俺はケイコと一度地元の三重へ帰ろうと思ってる。」
「え?幼馴染?」
「ううん。中学が一緒。私は普通に親の用事でここに引っ越してきて、谷岡も後からこの複合ビルを借りて暮らしてるの。」
そこで不意に疑問も浮かんだ。今の俺の親権を握ってる者だ。
「そういやここのお金ってどうなってるん?」
「あぁ。実は俺は今、誰が俺の親権を持ってるのか知らないんだがその親権を持っている人間が支払ってるらしい。」
そうして、科学同好会は無期限で廃部となった。これからはここは俺の自宅となる。
□■
三重 津市の田舎。
―本当に久しぶりだな・・・。
実家は空き家。近所の坊さんが管理してくれていると聞いている。学校にはどれくらい戻れるか分らなかったため担任に頼み、病欠ということにしてもらった。ケイコはそのときは戻ってもらうつもりだ。
「た、ただいま・・。」
シーンと静まり返った空間にそう呼びかける。
「わぁー・・・。ここが暫くの家かぁ・・・。」
近代的な家の様式をしている。そこらへんは西洋で養われた感覚があったのだろうか?
「しっかし、埃ひとつ無いな・・・。」
「おらぁぁぁぁあああああああーーーーーー何しトンジャーーーわれーーーーー!!!!!!!」
ドンッ!何かが顔の横に刺さる。恐る恐る見れば包丁・・・。
「んな・・・。」
「お?達也か?」「忠明!」
「?」
突然の奇襲と突然の掛け合い。ケイコは全く着いていけていない。
「だれぇ?」
「近くの極道坊さんの寺島文子だ。」
「文子なっ!」
バキッ!頬に何か衝撃。
―このアマ!グーだと!?
「まぁ、お帰り。そっちの子は?」
「須川ケイコです!谷岡とは中学と高校が一緒です!」
「寺島文子だ。よろしくなケイコちゃん。」
「はい!」
女には甘いのが文子。因みに俺と文子は幼馴染だ。
「で、お前は何で帰ってきたんだ?」
事情は全て話した。
「要は誰でもいいから聞いてもらいたかったわけだ。」
「ならまずは孤児院にでも行ってみれば?孤児院の同級生が言ってたんだろ?」
「あぁ。そのつもりだ。」




