Mystery deepens
出雲との連絡が着かないまま、次の日になった。俺は出雲が美術部の部員であることを知り、早速学校へと出向いた。関係も無いのに予定表が配られたのが功を期した様子。
学校。美術室。
お盆前後に近づいており、部活は自主出席らしい。
姿は数名。そこに出雲がいるかは分からない。
「おい・・・。死ねよっ!!」
一人の女の怒声が俺のもとまで聞こえた。
―なんだ?
徐々に美術室の中が見える。
数名というのは確かだ・・・だが、美術部員はたった一人 出雲だけ。周りには数名の女子。
「また・・・いじめか・・・!」
俺は直ぐに走った。
「お前ら!何してる!?」
「あ?お前なんだ?」
その声は直ぐ横で聞こえた。男のものだった。
バキッ!その鈍い音は俺から放たれた。「ぐっ」といううめき声も含めて。
―こいつ・・・いきなり殴りやがって。しかも・・・他校の人間か?
制服が違うことに殴られた瞬間把握する。
気づけば状況は最悪。
「あっれ~?」
その声は先ほど俺を殴った人間とは違う、いじめていた女が言い始めた。
「こいつ・・・孤児院にいたっけ?」
バッチリメイクをしていわゆるケバいと言うべき女に言われてもピンとこない。が、俺が孤児院にいたことは長川やケイコ、サヨさん程度しか知らない。ほとんどの人間には教えていない。こんな初対面の様な女が知っているということは本当に孤児院で一緒だったのかも知れない。
「あ!そうだそうだ。こいつ。確か谷岡という奴!」
女の方は一応一緒の学校だが、授業やらサボっているのか校内ではまったく会わない。
「谷岡・・・だっけ?お前は・・・こいつのナンナン?」
「・・・部活仲間っていうところだ。」
「あっそ。」
バキッ!再び鈍い音。
―興味無いなら聞くなよ。
「しっかし、こんな偽善者が孤児院ねぇ・・。」
「こいつの両親、確か宇宙飛行士!」
―あれ?何でこんなことまで?
素直な疑問という奴。何故、こんなやつが俺自身もこの間まで知らなかった事実を知っている?
「んで、こいつ被爆してんだ!」
「はぁ!?」
その声は俺から出た。そんな話聞いたこともない。第一、親が死んだのは俺が生まれた後。頭の中にはクエスチョンマークしか浮かばなかった。
「あっれ~?知らないの?」
「え?こわっ。被爆とかチョー怖いんですけど!」
男も女も何故か恐れなした様に見せ、消えていく。
―俺が本当に被爆している・・・?
だが、それより先に・・・。
「大丈夫か?出雲。」
「いや!もういや!私を殺して!!!」
「ふっざけんな!」
手首に着くぎりぎりの位置にカッターはある。俺は直ぐにカッターが握られている方の手首をつかむ。
「俺に言えと言ったろ?何でメールを返さなかった?」
「迷惑かける・・・わけには。」
「そんなこと関係無い!今すぐ部室に行け!俺も自分のことで精一杯になりそうなんだ。」
俺が被爆児。意味も分からないし、自然と担任の言っていたことに疑惑が生まれた。




