二度とやらない。
あれから、部活での集合を一度もかけていない。かけずにいた。かけられなかった。
夏休み真っ最中で、学校の無い。あいつの葬式以来サヨさん以外の部員とは誰とも会っていない。
だが、サヨさんとも今日で暫く会わないだろう。俺は部室での生活に戻ること決意した。この際、金縛りなんていう非科学的ものでも起こると覚悟して。
□■
そして、暫く。1週間もたっていない。今日は8月12日。
外に出る勇気を持ち、扉を掻い潜って川原へ行った。
「あ・・・。」
そこには花月の姿もあった。だが、少し変だった。ただ睦美を亡くしただけでは無い。右腕を白い包帯が覆っている。
「・・・どうした?腕。」
「肩を壊した。もう、二度と野球も出来ない。」
「・・・。」
左腕でやれば?なんて言えるわけも無かった。もう、二度と野球はプレイしない。その決意は波の様に俺にも伝わった。
「そっちこそ、部活もやらずにどうしたの?」
「聞かなくても分かるだろう。」
「そうだね。」
そして、暫くの静寂が流れた。
「ねぇ。刑務所に一緒に来てくれない?」
俺に何か犯罪を犯せとでも言うのかと思った。だが、違うだろう。
「実はね。お父さんと・・・会ってほしいの。一人じゃ会えそうに無いから。」
そして、一息。
「それでね。会うことが出来たら・・・科学同好会を辞めようと思ってる。」
何かが刺さった。
「ど、どうして・・・。」
「限界だもの。もう。」
限界・・・その言葉が恐怖に感じた。
「だから、明後日刑務所まで着いてきて。」
「・・・。」
俺の言葉など待つ暇も無く、花月は去っていった。
□■
【本当に辞めるのか?】と送ったものの、結局返事は来なかった。
そうしていれば直ぐに2日など過ぎた。
刑務所前。
「花月恭介を。」
「その男は誰だ?」
「彼女と同じ部活で部長の谷岡忠明です。」
そうか。とだけ言って彼らは彼らしか知らない話を始めた。
「俺も外で待っています。」
看守と並んで待とうと外に出た。
―引き止めるのか?花月の言う限界は俺に原因があるんだろう?それに言葉など無い。
自分のボキャブラリーの無さにショック。だが、そんな簡単でも無いような。そうしていろいろ考えを廻らせていたら面会の時間は終わった。
□■
川原。
結局言い出せず、俺たちは初めて会った川原にいた。
「ねぇ。私が部活を辞めてもまた話をしてくれる?」
「・・・勿論。」
彼女の質問に応答。それしか出来なかった。
「そう。引きとめようとはしないんだね。」
「何も無ければな。」
そう、何も無ければ引き止めたのだろう。
「俺にお前を引き止める資格なんて無い。」
「・・・。」
「あいつを生き返らせる・・・そんなこと・・・・でき・・?ない?」
そこで何かが降りてくる。発想というか本能というか。
「俺たちは宇宙を手にしている。宇宙が悲劇を生んだなら、悲劇の修正だって可能だろ!」




