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近未来科学Galilei・Refrigerator  作者: 淡水
謎へのファクター
10/22

真夏の公開日 3日目

そして、真夏の学校公開日は3日目に突入。3日目は学生のみのお祭りでいたるところで各々が勝手に生きている。要は学校が街そのものの様な感覚。

出雲の方も見事完成した。どうやら同人誌即売会を開催しており売れ行きは上々らしい。他のメンバーも皆、何らかの作業に追われているようだ。


「谷岡。少し・・・。」

突然の担任からの呼び出し。俺が一体どうしたのだろう?


□■

「こんな日に話すことになるとはな・・・。」

「?」

どうやら、俺が何かしでかして呼び出したわけでもなさそうだ。担任はどこか俺を懐かしむ様に見ている。


「実は私は君の両親とは旧友の仲だった。」

「!?」


初耳だった。もっとも、両親は俺が生まれて間も無くに”何か”で死亡したため、よくは知らない。そもそも両親のことは何も知らない。親権も誰かにあって、途中までは孤児院だったが高校入学を折りに一人暮らし。調べようと思えば良いんだが、役所はなぜか親権が誰にあるか提示しようとしない。


「君の両親が死んで、今年で15年になる。お前ももう一人暮らしを始めて一年になるし・・・。」


そこで担任は息をつく。


「真実を話そうと思う。」


「し、真実・・・?」

―まぁ、何も知らないんだが・・・。


「君の両親は宇宙飛行士だった。君を生んだ直後、彼らはNACAの事故の失敗により3日間宇宙を漂うことになってしまった・・・。だが、結局彼らは遺体として発見されてしまった・・・。」


そこで折り重なるのはケイコがあの日マジックが床に写らないために敷いていた新聞。

『宇宙飛行士死亡!』の見出しが脳裏に浮かぶ。


「・・・・。でも、俺には関係ありませんよ。生まれた時から親なんていなかった同然なんですから。一応、自分で言うのは変ですがある程度まともに育てたんで構いません。僕からも質問がひとつ。」


「・・・。あぁ、構わない。」

「今、僕の親権を持っているのは誰ですか?」

心の隅っこで実は担任が持っているのかも知れないと思っていた。


だが、それはあっさり消えた。


「?知らないなぁ。」

俺から役所で教えてもらえないと言うと「情報公開法があるはずなんだが・・・。」と少し困った顔をしていた。


□■

―今更両親が宇宙で死んだ・・・。なんて言われても。

だが、話を聞かされた時、確かに感じた悪寒。それは何だか、人のミスというのはあったにしてもどこか宇宙という生命体に両親が殺害された様にも聞こえた。


「・・・。まさかな。宇宙なんて神なんかでは無い。生命体にしたところで結局は神にだけ懐く躾のなっていない犬と一緒だ・・・!」


誰にも聞こえないように、そして話したことすら無い両親とは違う。宇宙なんかに殺されるわけが無い。そう思い出た言葉だった。


□■

休憩室。

「・・・そっか。たっちゃんの両親のことだったんだ・・・。」

「えぇ。」

休憩室にはサヨさんがコーヒーを啜りながら本を読んでいるところだった。俺もコーヒーをもらい同じように啜る。


静かな時間が流れ始めた。


□■

科学同好会 部室。

先刻の静かな時間はケイコの途中参加により打ち切られた。真夏の公開日によって部活が全然出来ず、いつの間にか7人にもなった部員でまたパーティーがしたいと言うことだ。


―しかし、あの言葉気になるな・・・。


「でも、たっちゃんも気をつけてね。人はミスをするから。そうすれば本能しか持っていない動物は直ぐに喰らいついてくる。」


再び、悪寒が走った。

―何を焦っている・・・!?


「?谷岡!早く音頭取りなさい!」

昨日はあんなに大人しかった出雲がそう叫ぶ。


「あ、あぁ。乾杯!」


炭酸飲料水がのどを潤す。何かによって乾きを増していたから余計だった。


そうして、夜は更け始めた。

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