第六話
「私の未来が失くなる・・・?」
さっき言われた言葉をゆっくり復唱した
本当に頭がパンクしそうだ。
彼は頷きながら
「時音ちゃんは自分と同じ顔を持つ人が世界には三人いるって話知ってる?」
と、時音に聞いた。
「都市伝説とかでよく聞くやつ?」
「そう。」
「そんなことって本当に・・「あるよ。」
時音の言葉を遮って彼は言った。
「元々ね、皆違う次元で生きてるんだ。いま君が暮らしてる世界とは違う
世界が違う君が違う生活をしているんだ。」
わかる・・?と、無言で時音を見つめた。
時音は無言で頷いた
「でもね、個々の世界を一つに統合しよう。って言う組織が現れたんだ。」
「え?それは駄目な事なの?」
「うん。」
力強く彼は頷いた。
「違う君が違う生活をしているんだ。当然君の過去も違う」
「私の過去?」
「そう。当たり前だけど違う三つの過去を歩んできた三人の君を一つに統合するなんて不可能だ」
つまり・・・
「必ず二人は存在してはいけないことになる。」
それを聞いて時音は背筋が寒くなった。
【存在してはいけない】即ちそれは二人の私が・・・
「そう、二人は抹殺されるんだ。その組織に」
「どうして・・・」
怖い・・・
今こうして話している間にも私は誰かに狙われているかもしれない
もしかしたら他の私は死んでいるかもしれないのだ。
「アイツ等の魂胆は分からない。しかしアイツ等にはある問題がある」
「問題・・・?」
「うん。アイツ等は過去を行き来できる能力が無い」
「それじゃ、統合する事なんて無理なんじゃ・・・?」
「そうでもないんだ。ある場所に行けばね」
ある場所・・・?
「その事話そうと思って僕は君に接触を図ったんだ。」