第二話
不思議な夢を見た
人も動物も建物の何もない真っ白い空間に時音は立っていた。
(何もないな・・・)
少し薄気味悪く思った時、
目の前の風景がぐにゃりと歪んだ。
頭が痛い
目が回る
吐き気がする
そんなことが延々と無限ループした。
今まで感じたことの無い感覚に時音は酔い戸惑う。
そして、
時音はよく社会の資料で見そうな風景に立っていた。
(資料集に出てくる弥生時代みたい。)
ちょうど稲作の時期なのだろうか、村人は田起こしをしている。
(変な夢見たな自分・・)
首かしげながら時音は思った。
ちょっと探索をしようと思って歩き出そうとしたが・・・
(アレ?動かない・・?)
金縛りにあったように動かないのだ。
どんなに足に力を入れても足が一歩目を踏み出そうとしない。
まるで誰かに足を固定されているみたいな感覚。
困った時音は首だけをキョロキョロ動かしながら
熱心に田を耕している人々を眺めることにした。
どうせ夢の中だ、誰も自分に気づかないだろう。
時音はふと一人の10歳位の少年に目を惹かれた。
少年は一生懸命に、父親を思われる男性と共に田を耕していた。
(頑張ってるなー)
などと、感心をしていたら、
少年と目があったような気がした。
(ん?気のせいかな・・・)
夢の中なのだそんな事はありえないだろう。
しかし、少年はコッチを見たまま固まってしまった。
まるでソコに初めて見る者が現れたように。
少年登場。
割と重要になってくるかもしれないかもしれない。