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第八話
「そうと決まったら早速行こうか。ご両親は少し特殊は場所に居てね、
はぐれたら困るから僕の腕に掴まってて。」
「はい。」
時音は緊張気味に男性にしては細い腕を掴んだ。
(・・・そういえばこの人の名前を聞いてないな。)
「ねぇ、名前なんて言うの?」
「あぁ、自己紹介が遅れたね。僕は輪島 廻。
輪っかの輪に島、回って戻るって意味の方の廻るって言う字で書くんだ。」
「ややこしいですね」
「そうかも、それじゃ移動するよ。僕と一緒にジャンプしてね」
「はい。」
「せーのっ」
体を大きな力で引っ張られていく感覚を覚えた。
過去に行った時とはまた違う感覚だ
過去に行った時は頭の中をグルグル這いずりまわっていたような錯覚を覚えたが、
これは身体を無理矢理何処かに飛ばしていくものだと思った。
このままでは自分が何処かに行ってしまうかもしれない・・・・
「具合は大丈夫かい?もう着いたよ、目を開けてごらん。」
時音は少しづつ目を開けた
まず視界に飛び込んだのは色取り取りの珍しい草花だった。
やっと廻さんのフルネームが出たよ!
次回"本当の"両親とご対面です。