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聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!  作者: 山田みかん


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私のせいじゃない

 自分はまごうことなき『一般人』である。

 異世界転生の定番である『‥‥‥‥は!?お、俺もしかして勇者!?』とか『これから冒険者ギルドに登録するぜ!』イベントもこなしてない。


「なんか不服そうだけど私、『普通の一般人』だよね~」


「‥‥‥‥まあ『普通』ではないが『一般人』だな」


 イエ─────い。おっさんから『一般人』のお墨付きいただきました~。『普通』が抜けたことに関しては『は・な・し・あ・い』を要求しま~す。


「こいつらは、『か弱い一般人』の私に難癖を付けた訳ですわ~。これって冒険者として問題よね~」


 下から何やら喚き声が聞こえてきたので、踵で潰す。


「でも、私はとっても優しいから~身ぐるみ全部剥ぐなんて事はやらないよ~」


 チャリンチャリンとだいぶ軽くなった袋を、ぼとぼとぼと地面に落とす。

  ちょっと残ったよ。良かったね。上からにこやかに言うと、顔を真っ赤にしてキレてきた。


「─────ふざけんなよっ!俺の金!」


「テメェいつまで乗ってやがんだ!くそ重ぇん「───あ゛ぁん?」」


 ─────ゴツッッ !!


 今までで一番重い音が鳴り、とっても静かになりました。

 周りの冒険者達は、地面にめり込んだ頭部を見て戦慄したが、女性陣達からは「いい気味」「ざまぁ」と称賛をいただきました。


「─────く、くそ。あ、貴様!それは俺の物だ!」


 財布と共に取り上げたものが、私の手に握られていた。─────あの『丸い石』だ。財布は返してあげたが、コレは別物だ。

 指二本で持ち、相手に良く見えるようにする。


「コレ、アンタの?なんかね~落ちてたよ~壊れてるみたいだけど~」


 ─────ぱきっ。


 丸い石にヒビが入った。事後報告?ヤダねぇ~気のせい気のせい。今壊れたんじゃないよ~。

  その石をそのままポイっとおっさんの隣の人に投げ渡す。


「コレは何だ?呪術具のようだが」


「同じ物を見たことがあるよ」


 ─────『深淵の森』で盗賊の一味の一人が持ってた。

 

 そう付け加えると、周りの冒険者達の剣呑な目つきが男達に刺さる。

 持っていた男は、心当たりがあるのか急に態度を変えて、自分のじゃないと否定しだした。


「こいつらを牢に入れろっ!私が取り調べるっ!」


 ─────オオっ!


 冒険者達が男達を縄で縛ろうとするが、─────持ちあがらない。


 あ、すんません。


 冒険者達のジト目で『縛』をかけっぱなしなのに気付きました。

  男達は、冒険者達のヘイトを集めていたのか、だいぶ荒い扱いで連行されていった。


「どうやら、お主には詳しく話を聞く必要がありそうだ」


 割れた石を持った長が、ずずいっと私の前に来る。


「‥‥‥‥そんなにネタはな─────」


 ─────どがん!どん!どんっ!


 何かにぶつかるような音が広場に響く。

 なんだ?と周りの皆と一緒に音の発生源を探すと、広場の隅に隠れるように止まっている大型の荷台が音と共に揺れている。


  ─────どんっ!


 音と共に荷台が弾ける


 ─────うわぁぁぁ

 ─────きゃあぁぁ


 弾けた荷台からは、種類がばらばらな動物たちが一斉に飛び出した。 


「 いっぱいなんか逃げたみたい‥‥‥‥」


  犬のような動物。ネコの様に塀の上を走り去っていく動物。すばしっこくて視界にすら捉えられない小動物達。鳥型は悠々、お空飛んでます。


  ─────うん。いっぱい過ぎて訳が分からん。なんだコレ?

 獣たちは人間なんかに用はないのか、さっさとどこかへ行ってしまった。

 鳥型なんかはもうお空高く、米粒のようだ。


「リリー!!お前なのか!今までどこにいたんだよ」

「ジュリエッタ~~よかった~また会えた~よかった~~うわ~ん」


 大半はどこかへ行ったようだが、一部残った者もいる。

 尻尾ブンブン振っているワンちゃんに、飛びつかれて泣き笑いしている人達や、肩に猫を乗せてオンオン泣いている人達がいる。  


「‥‥‥‥行方不明だった従魔達だな。主がいない獣達は住処に帰ったのだろう」


 ─────ほほう、わからんシステム来た!後で『ナビ』教えてもらおう。


「あの荷台の所有者を調べるように要請しろ。‥‥‥‥まあ、アイツらだろうがな」


「じゃろうな。荷台の中で大人しくさせておく方法があるのじゃろう」


「でなければ、あんな荷台などで耐えられるはずがないからな」


 ほうほう。従魔達はその気になったら、すっごいパワーがでちゃうって事かな?


「─────で、嬢ちゃん。お主の仕業かの?」


 こらこら、何でも私のせいにしないでほしい。私のせいじゃないでしょ─────だよね?


「いやいや、私は知らな‥‥‥‥おっさん。なんか乗ってるよ‥‥‥‥?」


 おっさんの肩には、冠羽が頭についた鷹型の鳥が─────どうかした?  と首をかしげて止まっていた。

 

  ─────頭一緒!ヤバい、笑いそう!

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