表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!  作者: 山田みかん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/31

ゴミそうじ

「ゴミはゴミ箱に捨てないとね~」


「ソレを出す意味あったのか?」


 シロ君が刀をフンフンしながら訊ねてくるけど、何かしら臭うのかしらね?


「様式美よ!これを持って登場する私!正義の味方って感じ! 」


 くふふふふっとポージングする莉緒の隣で、白陽は「たぶん違う」とため息をついた。

 人間どもは穴に落ちたが、まだ周りは雑多な魔獣が取り囲んでいる。人の血と肉の味を覚えた奴らは面倒だ。こちらの隙を窺うように、様子見をしている目つきが気に入らない。

 蹴散らすのは簡単だが、リオに待てと言われていた。


「お~、案外丈夫なんだね~」


 穴の縁にヤンキー座りで覗き込みながら、下で喚いている男らを眺めている。

 落ちた時のダメージは、さほどなかったようだ。ホント変に丈夫。おかげで穴の中で罵詈雑言の大合唱。いや~とてもさっきの女の子には聞かせられないわ~。


「酔っ払いの騒ぎって嫌いなのよね~。ホント周りの迷惑考えないからさ」


「貴様っ!この私を誰だと思っているっ!女神の下僕たる私にこの仕打ち!許されんぞっ!」 

 

「いや、アンタなんか知らんし。あんた虐めたら何?女神さまが仕返しに来るの?ピンクの女神さまとやらが?」


 ─────ナニソレ?タノシミ。


 ニコォと笑顔で答えてやると、なぜか顔色悪く、男どもが後ろへ下がった。


「─────くそっ」


 男が杖を振り上げ詠唱を始めた。────が、その手から杖が消える。


「何これ?魔導士の杖って奴?神官じゃなかったの?詐欺じゃん」


 刀をアイテムボックスにしまいながら、杖を両手に持って眺めるが「デザイン、ダサい」と言いつつ、まるで小枝を折るかのように、ポキポキとワザと細かいクズにして本人の前に落としてやる。最後に残った宝石っぽい石は、握りつぶして砂にしてやった。


 杖だった物の残骸が、目の前にボトボトと落ちてくるのを、信じられない思いで魔導士は見せつけられていた。「後、詠唱?長くない?」ニヤニヤと上から見下ろしている女を睨みつけるしかなかった。周りの奴らが「どうにかしろっ!」とせっついてくるのも腹が立つ。使えない奴らだ。喚くか、攫った女共をいたぶるしか脳がない。


 女の後ろにフェンリルが顔を出すのに気が付く。見ておれ、女。────自分にはまだコレがある。


「なに煽ってるんだ。あいつ何かしてくるぞ」


「バッチコーイってね」


なんだソレ?って首をかしげるシロ君、かわいい。

 

「ハハハハハッ!馬鹿めっ!俺様にはコレがあるんだよっ!己の従魔に喰われてしまえっ!」


 神官改め詐欺師は、懐から嫌な匂いを放つ丸い石を掲げた。


「「‥‥‥‥」」


 ─────何も起こりません。


 私とシロ君は、二人そろって首をかしげます。


「何か、変わったことでもあった?」


「いや?穴の中が一層臭くなっただけだな」


 そうだよね?あんな狭いところで変な匂いを出したら、充満するだけじゃん。ほら、周りの奴らが匂いにむせて、転げまわってるじゃん。


「─────くそっ何故だっ!なぜフェンリルに効いていない!」


「私のかわいい弟に、そんなちゃちな術が効くわけないじゃん。馬鹿なの?」


 さっき馬鹿って言われたから、返してあげました。桃ちゃんでシロ君は耐性つけたから、効かないんだけどね。

 

 ただし周りの魔獣はざわつき始め、こちらに唸り声をあげながら集まりつつある。


その声が穴の中にまで聞こえたのだろう。男は術の方向を変えた。


「我に従う獣どもよっ!その女を喰い殺せっ!!」


 途端に集団の魔獣の咆哮が響き渡った。

 

 女とフェンリルが、覗いていた縁から消える。

 聞こえてきたのは、女の悲鳴。


「フハハハハハっ!ざまあみろっ!この俺様を馬鹿にす─────」


 上から黒い何かが、大量に落ちてきた。


 肩に強い痛みを感じて、正体を見ると肩に喰いついているのは、女にけしかけたはずの魔獣。何故、自分が逆に襲われている?ナゼだっ!と思ううちに今度は足を喰われる。

周りの奴らに何とかしろと振り返れば、男たちは皆、魔獣に襲われていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ