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聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!  作者: 山田みかん


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18/30

旅立ちの日

「まだかなり雑だか、最初の頃よりましじゃろう」


 ブートキャンプから数日後、お母さんフェンリルから及第点をいただきました。


「後は、実践と経験値じゃな」


 お母さんフェンリルからは、能力の基礎的な使い方を習いました。体に魔力を流して纏わすってヤツね。

 ちなみに、全ての能力は把握できませんでした。というか、あきられた。

 

 なんの能力があるのかと尋ねられた時、例のどデカい派手々ピカピカ目に優しくない、『ステータス』画面をフェンリル親子の前に出したら、お母さんフェンリルは「まぶしいのぅ」と目をつむられ、息子ちゃんは半眼になっていた。


「能力の開花は、自分で頑張るんじゃ」


─────の一言で終わった。 


 そして、本日フェンリル親子とお別れの時が来た。

 いや、自分としてはこのままここにいてもいいのだが、一つだけ問題があった。


 ─────食である。


 日本人である自分としては、そこは大問題だった。

 息子ちゃんが肉とか捕ってきてくれるが、味の問題にぶち当たった。

 

 ─────塩、ほしい。と

 

 今まで採ってきた『松茸』と見せると「それ旨いか?」って息子ちゃんに微妙な顔をされた。「若造にはまだ解らんのよ」ってお母さんフェンリルの一言。

 ちなみに『イチゴ』は親子共々ジトーとした目でみられた。「お前‥‥アレを採ったのか」と─────採りましたよ?ぷちっとね。三つ子ちゃんには大人気だよ?え、三つ子ちゃん採りに行きたい?‥‥やめようか。


「異世界人は食に拘るからな。とりあえず、人族が住む方へ行ってみた方がよいじゃろう」


  そして、旅立つ日が来たのである。


「リオ、お前に餞別をやろう」


 そう言って取り出したのは、あの時の牙。

 持ってみろというので、片手ではとても無理なので両手で持ってみる。


「─────お主の望む武器を想像しろ」


 そう言いながら、額にいつかの花の紋様が浮かび上がる。

 

 ─────ちょっとまって!?武器!?武器?そんなの今まで考えた事なかったんだけど!えっとえっとえっと


─────フェンリルの牙が変幻し形が変わる。


「やはり、それを出すか」


「‥‥‥‥うわぁ、綺麗‥‥‥‥」


 それは陽にかざすと、細かくチラチラと輝いて、何とも美しい白い刀だった。


─────やっぱり日本人はこれだよね。


 それに付随するように、鞘も出てきた。

 外装にフェンリルっぽい動物のシルエットが描かれている。可愛くて気に入った。


「牙ってこういう使い方できるんだ」


「使われると、面白くないとゆうたであろう」


 ─────お主は別じゃぞ。一言付け加えられて、んふふふんと二ヨってしまった。


「それから息子よ。お前はリオに付いて行け」


「「ええっ!」」


 思わぬお母さんフェンリルの発言に、両者の声がハモった。いや、自分としては心強いんだけど。


「お前も十分力をつけた。ここからは外の世界を見てこい。そして更に強くなれっ」


 おお、お母さんフェンリルカッコいいッ!


「─────ですが、母上」


 急な事にとまどう息子ちゃんの元に、三つ子ちゃんがコロコロと集まる。


「にいたま、りおといくの~すごい~」


「にいたま、つよくなっちゃう~」


「さすがにいたま、かっくいい~」


 三つ子ちゃんのキラキラ眼差しに、キリリと座り直すお兄ちゃん。


「ま、まあな。リオ一人では何をするか解ったもんじゃないからな。俺がしっかり監視しないとなっ!」


「さすが、ぼくたちのにいたま~」


 ふんすふんすと鼻を鳴らして、ドヤ顔を決める息子ちゃん。いいのかそれで


「にいたま、たんじゅん~」


「まあまあ、そこがにいたまのいいとこなんだから~」


 コソコソと小声で話す三つ子ちゃん。───いや!可愛い顔して、黒いわっなんて事!‥‥‥‥好き。

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