‥‥‥‥あれ?
『魔法陣の変更は、ヤバいってのが一般常識なんだけど‥‥‥‥』
『「ナビ」ちゃんがヤル気出してるから、大丈夫なんじゃない?』
お姫さんの深刻な声音に、軽い感じで返すと「ああ、そうかも‥‥‥‥」と何か一人で納得していた。
『 改変開始します 』
─────了解っす。
「ちょっと待っててね~」
「すぐ終わるから~」とクルクル『杖』を回しながら、軽く手を振っていくと『ああぁぁあ‥‥‥‥その杖、結構お高いやつだから、落とさないでくださいね~』という姫さんの切実な注意が、背後から飛んできた。
クルクル片手で回すのを止めて、両手で『杖』を持ち直す。
─────そういえばお宝だったな、お前。
ペッカンペッカン光り出した『杖』を、トンっと変更前の『魔法陣』のど真ん中に立てる。
「─────『改』」
イイ感じのでよろしくぅっ!唱えたと同時にそう願うと、何かがズルっと体内から持っていかれた。
─────ん?なんか採られたか ? とはいえ、体調的に何も変化はない。
ま、何ともなさそうだし気にしないか~。
「奴にも仕返ししたいけど、それは直でやりたいから、ちょっと『嫌がらせ』程度になにか追加してくれるといいな~」
『 あい わかった 』
─────あれ? なんか、聞こえた。
なんだろう、『ナビ』ちゃんでもないしと確認する間もなく、地面が強烈に光を帯びだした。
─────あ、アカン。完全に見えなくなるやつじゃん‥‥‥‥。
次の瞬間、視界は完全に真っ白になった。
リオさんが軽い感じで「ちょっと待っててね~」と『杖』を片手でクルクル回しながら『魔法陣』に向かう。ああぁぁぁ─────その『杖』高いんです。取り扱いは慎重に~とお願いすると、取りあえず両手で持ってくれた。
それから一人で、何やら一人事を呟いていると思った瞬間。
─────視界のすべてが真っ白になった。
やがて戻ってきた視界に見える光景には、前に描かれていた『魔法陣』とは比べ物にならない、荘厳な『陣』が完成されていた。
「‥‥‥‥な、なんだこれは」
「見たことないぞ‥‥‥‥」
「ずいぶん派手な『陣』ですね~~」
驚愕する大人達の中で、ウィル君ののんびりした声が響いた。
リオさん自身、出来上がった『陣』をびっくりしたような様子で見まわしている。
─────はっと私と目が合うと。
「─────ひ、姫さん。なんか出来たみたいだし、さくっと行っとこうっ!さくさくっとっ!!」
‥‥‥‥その慌てよう‥‥‥‥想定外なんですね。
さあ、さあ、さあっ!ここよここっ!ここに立ってみて!と促されるが‥‥‥‥。
‥‥‥‥大丈夫なんだろうか‥‥‥‥正直、‥‥‥‥行きたくない‥‥‥‥。
と、足あたりを後ろからグイグイ押される。
振り返ると、シロ君が「さっさと行けよ」と言わんばかりに、頭でぐいぐい押してくる。
クリスティーナの心境はマルっと無視され、いまだにキラキラとエフェクトを出す『陣』の上に、容赦なく押し出された。
─────え、あ、いや。あの、ちょっと、─────こ、心の準備が‥‥‥‥。




