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捌ノ訓

「では、清酒と砂糖を売っていく方向で話を進めるとして……次は何をしますか?お嬢様」

セバスが私にそう尋ねたので私はこう答えたのだ。

「……そうね。まずはこの領地に学校を作りたいわね。それから、初等教育もね」

「それはまたどうしてですかな?」

「まず一つは、領民が読み書きや計算ができないからよ。これは今後の領の運営にとても影響するわ」

と私は答えたのだった。

「確かに、それは一大事ですな」

セバスも納得している様子である。

「ええ、それにね……この領地の子どもは、学校に行く機会があまりないのよ。だから、まずは学校を作ってそこで学んでもらうことが先決だと思うのよね。」


江戸時代では寺子屋があり識字率が高く、当時の世界では異例の高さだった。この異世界ではそうではない。識字率が高まれば実力のあるものが生まれてくる。


「そうですね……確かにそれは一理ありますね」

セバスがそう呟くと私はメラドの方を見てこう続けたのだ。

「貴方も学校に行くべきよ?メラド」

「私がですか?」

「ええ、そうよ。貴方も、高い教育を受けるべきだわ」

私はメラドの優秀さを知っている。きっと彼は良い官吏になるだろう……ならば、尚のこと教育は大事である。

「ですが……」

「確かに貴方はまだ若いわ。でも、貴方の歳なら学校に通ったことがあっても良いはずよ?」

「まあそうなのですが……」

と煮え切らない様子のメラドを見て、私はニヤリと笑った。それからこう言ったのだ。

「……それとも何?私の従者では不満だとでも?」

私の言葉にセバスは呆れ、アリシェやメラドも笑いを堪えている様子だった。

「いえいえ!そのようなことは……ただお嬢様に迷惑をかけるのではないかと……」

と慌てて否定するメラドに私はこう告げたのだ。

「あら、迷惑なんてとんでもないわ。むしろ貴方がいない方が迷惑よ」

「え?」

と驚いた様子のメラドに私は続ける。

「だって、私が1人じゃ何もできないって知っているでしょ?それにね、私貴方となら上手くやっていけると思うのよ」

私のその言葉にメラドは嬉しそうに笑ったのだった。

「では、学校を建設する方向で話を進めるとして……次は何をしますか?お嬢様」

セバスが私にそう尋ねたので私はこう答えたのだ。

「そうね。まずはこの領地に学校を作りたいわね。それから初等教育や高等教育もね」

「それはまたどうしてですかな?」


とセバスは納得している様子である。まあ江戸時代でも寺子屋や藩校などがあったしね。領民にも教育を受ける機会を与えるべきだわ。


「まず一つは、領民が読み書きや計算があまりできないからよ。これは今後の領の統治にとても影響するわ」

と私は答える。

それから私はアリシェの方を向きこう告げたのだった。

私がした提案は学校の建設と初等教育の普及である。

まず、学校は領地内に一つ作りたいところね……そう考えてこの領地の地図を広げてみると、割と大きな村があることに気づいたのでそこに目をつけることにしたのだ。

そしてその村に一番近い場所に住んでいる領民を入学させることにしたのよ。幸いここは比較的田舎だし人も少ないから生徒も集めることは難しくはないでしょう。

それに、この領地に学校ができたという実績を作れば後々他の領地の領主も真似して学校に通わせるようになっていくはずだし、そうなればこの領地の教育水準が高くなるはず……そう考えての判断だったのよ。

ちなみに、領民の中には文字が読めない人も多いので、初等教育を始める前に文字を教えるために寺子屋を作りたいところね。これは後にするとしてまずは学校の建設よ。

私の提案にセバスもアリシェも同意してくれた。メラドはというと……最初は戸惑っていたけれど、私が説得すると最終的には納得してくれたのであった。まあ、彼のことだから、きっと何かしらの理由があったのかもしれないけれどね……。

それから私は領地内において建設に適した場所を考えたのよ。学校を建てるとなると広い場所が必要だしね。そして見つけた場所に早速向かうことにしたのだった。

そこは見晴らしの良い丘の上で近くには川もあるので水にも困らないだろうと考えたのである。

ここに学園を建てようと考えていた時、山賊たちが現れた。

私はすぐに臨戦態勢に入ったけれども、それは無意味に終わったのであった。なぜならサヤノが前に来てカバンから組み立て式の槍を取り出して構えていたからだ。

山賊を圧倒する。

そしてサヤノが山賊たちに向けてこう告げたのだ。


「死にたいない奴だけかかってこいや」

「くそっ!」

山賊たちはそう吐き捨てると逃げ出したのだ。サヤノの剣圧はおとろえてないわね。

私はと言うと、ただその様子を眺めているだけであったのだった。

それからサヤノが私に声をかけてくる。

「お嬢、無事か?」

「ええ、大丈夫よ。それよりもありがとうね……サヤノ」

と私が言うと彼女は少し照れたように笑ったのだった。そしてその後私たちは学園の建設を始めたのであった。まず最初に取り掛かったのは基礎工事だ。これは土属性のスキルを持つアリシェは


「お嬢様、基礎工事は私とセバスさんでやっておきますね」

と言うので任せることにしたのだった。次にやることと言えば校舎の建設だ。これはサヤノとアリシェの2人でやることになった。私はというと……

「……暇だわ……」

そう呟いたのである。まあ仕方ないわよね。

待ってる間…素振りでもいてようかしら。

私は木刀を顕現して素振りを始めた。

「ふっ!はっ!」

「お嬢そろそろ終わりましょう」

とサヤノが声をかけてくる。

私は彼女の方を見てこう尋ねる。

「あら、もうそんな時間?」

「はい。もうすぐ日も暮れますので……」

「そう?じゃあ帰るわよ……サヤノありがとうね」

と私が言うと彼女は嬉しそうに微笑むのであった。そして私たちは屋敷に戻り夕食を取った後眠りについたのだった。

次の日から本格的に建設が始まったのだ。まず最初に取り掛かったのは校舎

「お嬢様、まずは教室と職員室を作りましょう」

「そうね。でもその前に……この屋敷をもっと大きくしないとね」

そうなのだ。この屋敷には私とサヤノしか住んでいないのである。だから、部屋数も少なければ使用人もいない。

「では、まず最初に屋敷の改築を行いましょう」

とアリシェが言うので私はこう答えたのだ。

「……ええ、お願いするわ」

こうして私たちは屋敷を改築することにしたのでした。

それから数日かけて工事を行った

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