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伍ノ訓

そして私達は早速作業に取り掛かる事にしたのだがその前に一つ確認しておく事があったのである

それは領主をするにあたっての条件であった。まずは領地内の治安を良くする事と税金についてである……まあ、これは追々考えていくことにして次にしなければならないのは領民の確保だと考えた私達は早速行動に移すことにしたのだった。

まず最初に行った事はこの領をどうにかすることだった。

この領主であった奴は横領や奴隷売買がバレ斬首され腐敗していた。


まず財政や領地を安定させるためには、まずこの領を立て直さなければならないだろう。

そこで私は執事であるセバスを呼んた。

エルダー領の運営を実質的に任せられている執事なのだ。

入ってきたセバスは、どこか俺と同じ匂いをしている…つまりは、キッチリと燕尾服を隙のない着こなし、キビキビとしていてそれでいて見る人に慌てた印象を持たせないという綺麗で無駄がない動き…まさに執事とはこうあるべきと言った姿の男性です。


「………お忙しい中、お呼び立てしてしまって申し訳ないわ」

「いいえ。本来であれば、私からの挨拶に向かうべきところを申し訳ございません」

「ここの領地の収支報告書全てと現状の行政の仕組みをレポートに纏めて持ってきてくれないかしら」

「畏まりました。しかし、それをどうするのですか?」

「勿論、全て読むわ。私は、曲がりなりにも陛下から領主代行を承ったのですから。だけど、現在恥ずかしながら領がどのような運営をされているのか、市井がどのような状況なのか詳しく分かっておりません。だから、私に半月くださらない?」

「半月ですか」

「ええ。全ての資料を読み、尚且つ視察を行うに当たってそれぐらいの日数が必要だから」

「いや…それは…畏まりました。ですが、視察するには色々と前準備が必要ですので大凡1週間くらいお時間が必要かと」

「今回は、より現状を把握する為にお忍びで視察をするつもりよ。だから、同行して貰うのは最小限の人数。その人員は私の方で確保するので、セバスの手を煩わせはしないわ」

「出過ぎた質問、失礼致しました」

「いいえ。セバスは、この領地の執事長であり私の補佐役でもあるのだから、疑問に思ったことは何でも聞いてちょうだい」

「はい!では、早速準備に取り掛からせていただきます」

「ええ。頼んだわよ」

こうして私はお忍びで視察する事にしたのだった……。

1週間が経ち、準備が整ったのでいよいよ視察に向かうことにしたのだがその前に一つ確認しておく事があったのだ。それは領民達の生活水準についてである……。

まず最初に確認するべきなのは食事だろうと考えた私は、料理長であるシェルを呼び出したのだ。

するとすぐに現れた彼女は私の前に跪き挨拶をするのだった。

「お初にお目にかかりますリーゼロッテ様。本日より貴女様の料理人として働かせて頂きますシェルと申します」

と言って深々と頭を下げてきたので私も挨拶を返す事にしたのだ。

まずは彼女から話を聞いてみることにしたのだが……やはりと言うべきかこの領地は貧しかったようで満足な食事を取れていないようだ……そこで私は早速行動を起こす事にしたのである。

この世界の料理ははっきり言って不味い。幕末の頃はしょうがないにしても2回目の料理と比べると雲泥の差だ。

だから私はまず、この領地の食文化を変える事にしたのだ。

まずは料理人の確保が最優先だろうと考えた私はシェルに料理を教えることにした。私は一人暮らしだったためあらゆる料理はできる。和食はもちろんいろんなものに手を出してきた。幕末のころは料理なんて物は腹に入ればいいと思っていたからな。

しかし、今は違う。美味しい料理は心を豊かにするし、何よりも健康に良いのだ。

だから私はシェルに和食を中心に教えていったのだ……すると彼女はすぐに吸収していき今では立派な料理人となっていたのだった……。

次に行うべき事は衣食住のうちの一つを解決する事だろうと考えた私はまずは衣服から着手する事にしたのだった……。まず最初に行ったのが服作りである。幸いにもこの領地には様々な種類の毛糸や布が大量にあったのでそれを活用する事に決めたのだ。まずは自分の服を作る事にしたのだが、その際に必要な技術はただ一つ……採寸である。私はこの世界に来てからずっと疑問だったのだが、どうしてこの世界の人は服の寸法を測る時にやたらと胸や尻の大きさを聞いてくるのだろうか? しかもやけに細かいので不思議だったし正直面倒くさいと思っていたのだ。しかし今回こそこの謎を解く時が来たようだ!私はまず最初に自分用の服を作り上げた後に、セバスとシェルを呼び出して採寸を行ったのである。その結果判明したのは驚くべき事実であった……なんとこの世界の住人の胸や尻の大きさは本人の主観によって決まるということが判明したのであった!つまり、私が巨乳だと思っている人は胸を大きく。貧乳だと思っている人は胸も小さくなり腰回りが大きいということだ!!これには私も驚きを隠せなかったが同時に納得してしまったのである。確かに言われてみればそうだと思ったのだ。

まず最初に行ったのが食生活の改善である……と言ってもいきなり全てを変えることは難しいのでまずは簡単にできるものから始めることにしたのだ。最初はやはり食事だろうと考えた私は料理人に指示をして食事を用意させたのだ。

するとそこには見たこともないような料理の数々が並んでいたのである。それはまさに和食の真髄とも言えるものばかりだった!!そこで私は改めて思ったのだ……やはり日本食は最高だと!そして同時にこの領地を必ずや豊かにして見せると決意を固めたのだった。

そして待望の屋敷が完成した。私は要望したのは日本家屋…新撰組で使っていた屯所を再現した屋敷だった。

外観は勿論のこと、内部も完璧に再現されていたのだ!!しかもさらに驚いたのが風呂までついていたのである!これには思わず感動してしまったのだった……しかし何より嬉しかったのは自室に畳があったことである。私は早速その部屋で横になったのだがこれがまた実に良い寝心地だったのだ。

そしていよいよ領民達へのお披露目の時がやってきた。まずはセバスから報告があったのだが、どうやらこの領地には様々な問題が発生しているようで困っている人が多いらしいのだ。

そこで私はまず最初に行うべき事はインフラの整備であると考えた私はまず最初に道路の整備を行う事にしたのだ。

領地には既に整備済みの街道があるのでそこを使えばいいと思ったのだが、どうやらそれではダメらしい……そこで私はセバスと相談して新しい道を開拓する事になったのだった。しかしそれには莫大な資金が必要になってしまうためどうしようかと悩んでいたのだがそんな時、スキルである【賢き者】が言った。

《では、税金を安くすることですね。そしてもう一つは領民達の生活水準を上げることです》

「なるほど……それは名案ね。では早速取り掛かるわ!」

私は早速セバスを使い領民達に説明し協力してもらう事にしたのである。幸いにも資金は潤沢にあったので問題はなかったのだが、一つだけ問題があったのだ。それはどうやって安くするかという事である。そこで私は考えた結果、税金をなくすことにしたのだ。その代わりとして生活水準を上げることにしたのだ……具体的に言うとまず最初に行ったのは食事の改善だった。というのもこの領地は元々食料自給率が低い上にあまり食物は育たない。

なので私は魔法を使い土壌改善と天候操作を行ったのだ。

しかしそれだけではまだ不十分であり、私は次に農業改革を行う事にしたのである。

まず最初に行ったのが品種改良だ。この領地で取れる野菜はどれも味気ない物ばかりだったのだが、そこで私は土魔法で土壌を豊かにし栄養たっぷりな環境を作り出す事で美味しく育つようにしたのだ。その結果として今では様々な種類の作物が採れるようになったのである。そして次は畜産業についてだがこれは比較的簡単だった……というのも元々この領地では家畜を飼っていた農家が少なく、家畜の数も少なかったので私が新たに作った畜産場に連れて来るだけでよかったのだ。

こうして全ての改革を終えた私は領民達に感謝されながらも同時に恐れられてしまい困惑していたのだった……しかしそんな私にセバスは言った。

「リーゼロッテ様、これでこの領地は豊かになりましたね」

と。その言葉に私も心の底から安堵し頷く事しかできなかったのであった……。それからというものの私に対する信頼度はますます上がり、今ではみんな私を慕うようになったのだった…

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